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→事前対策?

「ねー、このビキニでいいじゃない。何が不満なのよ」
「こんなフリルのついた奴、人目を引いたらどうすんだ!」
「じゃあ、こっちの白いので・・・」
「白だと!?透けたらどうすんだ!」
「じゃあスクール水着にするわよ。それなら問題ないでしょ」
「ばっ・・・スクール水着なんて言語道断だ!マニアが近寄ってきたらどうすんだ!」
「もー!じゃあ何を着ればいいのよっ」

 

 

 

 

とある週末。
クラスメートと海に行くことになった俺とあかねは、その準備をするためにあかねの部屋で荷造りをしていた。
海、と言えばビーチパラソル。ブルーシートに日焼け止め。
こまごまとしたものを荷物につめて、さあいよいよ当日着用する水着を入れようか・・・となった時、俺達の間に問題が発生した。
水をかぶると変身をする俺は、誠に不本意ではあるが、女物の水着を着用する。
これは、去年もつけていたノーマルなビキニ。
色も赤、ガラも無し。夏の終わりにワゴンセールとかに良く並んでいそうな代物だ。
俺は他に選択肢もないので、その水着をしぶしぶと鞄につめていた。
ところが、だ。
そんな俺の横では、ニコニコとしながらあかねが、自分の水着を自分の鞄につめようとしていたのだけれど、そのあかねの手にあった水着を見た俺は、慌ててあかねから水着をひったくった。
あかねは、二種類の水着を鞄に入れようとしていた。どうやら、当日向こうについた時点の気分で、水着を選ぼうとしたらしい。
水着を選ぶのは、俺も別に構わない。でも・・・問題はその水着のデザインだった。
よく見るとその水着、黒ビキニでヒラヒラとレースのフリルがあしらわれていたりして、意外に女らしいデザインだった。
もう一枚は、白いビキニ。シンプルだけれど、こちらも夏の海ではきっと目を引く。
元々可愛らしいあかねがこんな水着を着たら、海辺にいるほかの誰を差し置いてもきっと、目を引いてしまうだろうに。
ただでさえ、他の男があかねとすれ違う時にあかねの身体をじろじろと見るのが気に食わないというのに!
・・・
「もっとねえのかよ、ノーマルな水着はっ」
「全部ノーマルじゃない」
「どこが!そうだ、知り合いに海女はいないのか?」
「い、いやよ!何で皆と遊びに行くのに、一人だけ海女のカッコしていなくちゃいけないの」
「じゃあ、ボディスーツだ!軟派じゃねえサーファー女子からそれを借りて・・・」
「だから。ノーマルだったらスクール水着でいいじゃないの」
「バカ野郎っあんなものを海辺で着たら、マニアに何をされるか分からないんだぞ!岩陰に引きずり込まれて襲われたらどうすんだ!」
「そんなことするの、あんたぐらいでしょ」
俺の必死の主張にも関わらず、あかねは全く自分の心配をしない。それどころか警戒心をまるで持っていないかの様子だ。
「自分だってビキニのくせに」
更にあかねは、ぶつぶつとそんな事をぼやきながら、先ほどから手にしていた黒いフリルのついた水着と、白いビキニを鞄につめている。
「・・・」
くっ・・・コイツ。人がこれだけ心配をしていると言うのに!
何とかして、この無防備かつ危機感のないあかねに危険な水着の着用を断念させる手立てはないものか。
俺はそんな事を考えながら、あかねをじっと見つめていた。
そしてあることを思いつき、思わずにやり、と笑みをこぼす。
「・・・何よ、その不敵な笑い」
そんな俺の姿に気付いたあかねが、怪訝そうに俺の顔を見た。
「別にー・・・まあ、そんなにその水着を着たいのなら俺は構わないけど」
俺は、先ほどとは一転、妙に物分りの良い発言をしながら、スッ・・・と立ち上がった。
そして、素早くドアのところまで行き内側から鍵を閉める。
「・・・ちょっと。何で鍵、しめるの?」
そんな俺に対し、更にあかねが怪訝そうな表情をする。
俺はそれには答えず、今度は窓のところまで歩いていき、素早くカーテンを閉めた。ご丁寧に、あかねの机の上にあった大型のクリップでカーテンの隙間さえも塞いだりして。
「・・・何でわざわざそんなものまで」
「カーテンて、防音効果があるじゃないか。完全に閉じた方が音は漏れないんだぜ?」
「何でわざわざ、今カーテンの防音効果を試さなくちゃいけないのよ」
「そりゃー・・・決まってるだろ。あかねがその水着を着たいって言うから」
「な、何よっ。着てもいいって言ったじゃないっ」
鍵を内側から閉めた上に、やたらとカーテンの防音効果を強調する俺。
きっと、俺がこれから何をしようとしているのか、あかねもピンときたのだろう。
あかねは近くにあった旅行用の小物を手に取り俺に次々と投げつけるが、
「着てもいいさ。ただし・・・着れるものならな」
俺はそれらの小物を素早くよけてあかねの懐に入り込むと、あっという間にあかねの身体を床へと押し倒してしまった。
そして、あかねが着ていた薄めのTシャツを卒なく・手際よく剥ぎ取ってしまう。
「この、ケダモノー!」
ビキニで隠れない部分に「痕跡」を残してしまえば、流石のあかねもビキニは着ないだろう。
そう考えた俺が、ニコニコとしながらあかねを押し倒して服をはいでいると、あかねがじたばたと床の上で暴れながらそう叫んだ。
が、さっきから俺が主張しているように、現代のカーテンの防音効果は非常に優れている。
あかねの抵抗などスルスルと吸い込まれてしまう。
「あんな水着着ようとするほうが悪いね」
「じ、自分だってビキニ着るくせに!」
「俺は女の姿してたって中身は男だから。根本的におめーとは違う」
「そういうのを屁理屈って言うのよっ。何よーっあたしだって可愛い水着を着たいのにっ」
「俺と二人で無人島とかに行く時だけにしろ。な?」
「無人島なんて行ったら、その水着だって最終的には強引に剥ぎ取るくせにっ」
「何だ、わかってんじゃねーか」
「きーっ!」
俺は抵抗するあかねの手足を上手いこと押さえつけながら、何とか唇を奪ってあかねを静かにさせる。
何度も、何度も唇を重ねているうちにあかねも観念をしたのか、最後は俺に抵抗することを止めて、俺の身体にゆっくりと手を回した。

 

 

結局俺の手によって、ビキニを着ることが出来ないような痕跡をつけられたあかねは、
「あら?あかねにしては珍しいね。長めのパレオ付き水着?」
「まあね・・・」
・・・なびきが持っていた、長めのパレオが付いたワンピース型の水着をその日着ることになり、
「ねーえ、あかね。背中の端、何か赤い痕がついてるよ?虫にでも刺されたの?」
「え!?あ、そ、そうね・・・昨日、部屋に悪い虫がいたから・・・」
とかなんとか、友人達の質問を笑顔でかわしつつ、皆から見えないところでは俺の事をぶん殴る、という有様だ。
まああかねにしてみたら不満足かもしれないが、俺にしてみたら、万々歳だ。
殴られようが蹴られようが、他の男の目線から極力あかねを守ってやらないとな。
・・・
「おい、乱馬。何であかねは今日、ビキニじゃねえんだよ。他の誰より楽しみにしてたのに」
「さー?」
「てめえっ・・・さてはあかねの身体になんかしやがったな!この、狼少年がっ。幸せそうな顔、しやがって!」
女子はともかく、一緒に出かけた男連中にはあらかた予想は付いたらしく首を絞められたりやっかまれたりするが、

 

 

 

・・・だって、しょうがねえだろ?
こうすることが、悪い虫からあかねを守る事前対策なんだから。

 

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