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とある日曜日の朝。
少し寝坊したあたしがのんびりと居間へと降りてきた時からそれは、始まっていた。
乱馬の様子が、何だかおかしい。
ことあるごとに、あたしを見ている気がする。で、目が合うと何だか「きゃっ」とでもいいたげな表情で顔をそらす。
・・・何?何なの?
「・・・」
乱馬が何かを企んでいる時は、あたしにとってはろくな事にならない。
体力は異常に消耗させられるわ、寝不足になるわ、風邪を引きそうになるわ・・・不健康他ならない。
「・・・」
一体、何を考えているのか。本当は直接乱馬に聞きたいけれど、何だかヤブヘビのような気もしなくは無い。
あたしがそんな事を考えて一人唸っていると、
「何よ、深刻そうな顔をして」
「お姉ちゃん」
「眉間にしわ寄せて、怖いよあんた」
・・・どこかへ出掛けるのだろうか。コートと割と大きな荷物を小脇に抱えたなびきお姉ちゃんが、あたしに声をかけてきた。
「でかけるの?」
「まあね。あ、今日は泊まって明日はそのまま友達の家から学校に行くから」
「ふーん」
どうやらお姉ちゃん、今日は泊りがけで遊びに行くらしい。それじゃあ荷物の中に制服や鞄も入っているのかな?
「じゃあかすみお姉ちゃん達にもご飯いらないって言っておくね」
あたしがそんなおねえちゃんに気を聞かせてそう言うと、
「必要ないわよ」
何故かお姉ちゃんは、ざっくりとあたしにそう断言した。
「なんでよ」
うちでご飯を作るのはかすみお姉ちゃんと早乙女のおば様。
優しくて気が聞く二人は、いない人の分でも、いつだって「後で食べるから」と作り置きしてくれるのだ。
お姉ちゃんもそれを知っているはずなのに、自分が食べないのにどうして「必要ない」って言うのだろう?
あたしが首をかしげると、
「だって、今夜はあんたと乱馬君二人きりだし」
「なっ・・・なんでよっ」
「何でって、皆それぞれ用事があるんだから仕方が無いじゃないの」
「き、昨日はそんなこと言ってなかったじゃないのっ」
「朝、決まったのよ。あんたが寝坊している間に皆出掛けたわよ」
居間でそわそわとしている乱馬君以外はね・・・お姉ちゃんはそう言ってあたしの肩をぽんぽんと叩き、出掛けていった。
「・・・」
・・・それか!ヤツが上機嫌なのはそのせいか!
「あわわ・・・」
ああ、だから何かこう、企んでいる素振りがあるのね!?・・・あたしはようやく見当がつき慌て始めるも、既に時、遅し。
「さー、風呂でも磨くかー。今日はたくさん使うしー」
嫌な汗を背中に掻いているあたしの横を、妙に嬉しそう、そして妙に楽しそうな乱馬がそんな事を言いながら通り過ぎていった。
・・・何!?何でお風呂をたくさん使うの!?
「・・・」
ああ、やはり怖くて自分からは聞けないあたし。
一体彼は何を考えているのだろうか・・・知りたいけど知りたくない、そして明日まで体力があるかどうかが妙に心配なあたしだった。

あたしの「戦い」はこの瞬間にスタートした。

 

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