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興味あり!

 

…興味がないことに関しては、徹底的に関心を示さない。
それが乱馬の特徴。
だから、学校の授業なんて本当に…良くわかる。
数学、英語、もしくは物理の授業なんて、乱馬にとってはただの「睡眠時間」だ。
しっかり起きているのは、体育の時間。
身体を動かすのが好きで、興味があるゆえの時間というのが、本当に良くわかる。
それまで眠っていたにも関わらず、体育の時間になればそれが打って変わって、「水を得た魚」。
誰が見ても、それは分かる。
その、分かりやすさ。そして、素直さ。
授業を寝て過ごすには問題あるけれど、でもその素直で子供らしさは、あたしが乱馬を好きだ…という大きな気持ちの内の一部分でもある。
しかし。
この素直さも、時には困る事もある。
それは…



例えばそれは、二人きりでいる時。
「ちょっと。着替えるんだから部屋、出てってよ」
あたしがそろそろ、パジャマに着替えようと思って、それまで部屋に居座っていた乱馬にそう促すと、
「安心しろよ、俺はおめーの着替えシーンなんて興味ねえから。後ろ向いててやるから、いいぞ?着替えて」
乱馬は、一向に出て行く気配を匂わせず、しかも紳士的にそんな事を、言う。
「うー」
いかにも胡散臭いようなその言葉だけれども、でも一向に出て行く気配もないので、
「…」
あたしがため息をつきながら、上着に手をかけようとすると、
「…」
…「興味が無い」だの「後ろ向いている」だの。
そんな事を言っていたくせに乱馬の奴、いざあたしが着替えようとすると、あたしの着替えシーンを喰らいついてみよ うとしていた。
「…興味、ないんでしょ。後ろ向いてなさいよ」
ボフッ…と、ベッドの枕を投げつけてやりながらあたしがぼやくと、
「興味なんてねえよ。それに俺は修行中の身だから女にかまけてる場合じゃ…」
…と、
なぜか異様に目線を泳がせながら、乱馬はソワソワとしていた。
「あ、そ」
あたしはそんなをジロリ、と見ると、
「へー、修行中のみだと、女にかまけてられないの」
じゃあ、もう一緒には寝られないわね。
あたしは、わざと意地悪い口調でそう言ってやった。
すると、
「修行、やめようかな」
乱馬はそんなことをぼやきながら、不意にあたしの手首を掴んだ。
「…着替えたいんだけど」
「どうぞ?」
「手、離してくれないと服、脱げないでしょ?」
「脱がせてやろうか?」
「結構です!それにあんた、さっき後ろ向いてるって言ってたでしょっあの紳士的な台詞は何処に言ったわけ?!」
あたしは、つかまれていないほうの手で再び枕を掴み、乱馬に投げてやると、
「…着替えたって、またすぐ脱ぐのに」
乱馬は、素早い身のこなしで枕を避けると、そう言ってあたしの顔を見た。
「なっ…」
あたしが少し顔を赤らめて怯むと、
「おめーが脱がねーなら、俺が脱ごうか?」
「な、何であんたが脱ぐのよっ」
乱馬はそう言って、いきなり自分の着ていたチャイナ服を脱ぐ素振を見せた。
「もー!分かった!分かったからっ。見てていいから、脱がないでよっ」
あたしはため息をつきながら、服を脱ごうとした乱馬を止めると、
「あー、もう…」
とりあえず自分だけは乱馬へと背を向けて、パジャマに着替えるべく洋服を脱ぎ始めた。
(もちろんこのあと、無事に着替えられた事など一度もありえないのだけれど)


興味があることと、無い事。
面白いくらいはっきりしている、乱馬。
時にそれは、困るぐらいの意思表示となる。
あたしに対しては、妙に興味を持っているのが嫌って程感じ取られるけれど、
(でも興味がなくなった時も…直ぐにわかるんだろうな)
…それを思うと、何だか今のこの状況を、喜んでいいのか安心していいのか。
何だかすごく、複雑な気分だ。



「…乱馬、あたしに興味あるの?」
「何を今更」
「…」

…喜ぶべきなのかしら。
何となく答えに困ってしまう、あたしであった。

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