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彼は一体何をした?(後編)

 

「だってさー」
「うるさいっこのスケベっ」
「しょうがねえだろー」
「どこがよっ」
「…」
…と、向かい合うこと、三十分。
彼は一体、何をした?



…お互い正座姿で、険悪なムードのまま乱馬とあかねは向かい合っていた。
原因は、縁側で二人で座って庭を見ていた時、家族の目を盗んで、乱馬があかねに何度もキスをして来ること。
あかね達の背後にはもちろん、早雲も、玄馬も、のどかも、そしてあのなびきまでいた。
そんな、たとえ隙をみたとはいえ、そんな場所でキスをしてくる乱馬に、あかねが怒っているのである。
ちなみに今は、あかねの部屋。
二人は、床の上で正座をして向かい合っている。

「じゃー、キスしちゃいけねえのかよ」
「そ、そんなこと言ってないでしょっ。ば、場所をわきまえなさいって言ってるのよ」
「例えば?」
「だから、例えば二人きりで部屋にいる時…」
あかねがそこまで行った瞬間、目の前に座っていた乱馬が突如、顔を近付けた。
「えっ…」
あかねが一瞬怯んで身を引くも、
「じゃあ、今はいいんだな?」
乱馬はそんな事を言いながら、あかねの少し開いている唇を奪ってしまう。
「ちょっ…まだ話はっ…」
あかねが慌てて乱馬の身体を押し返そうとするも、
「過ぎた事は思い出してもしょうがねーだろ?」
「そういう問題じゃないでしょっ」
「そういう問題だって」
乱馬はそんな事を言いながら、あかねが突っ張ったその手をいとも簡単に床に押さえつけては、覆い被さってくる。
「ちょ、ちょっと!キスだけじゃないの!?」
更に慌てて叫ぶあかねに、
「誰もキスだけなんて言ってねえじゃねえか」
「はあ!?」
「せっかく二人っきりでいるのに、もったいない」
乱馬はニコニコと笑いながら、嬉しそうに抱きつく。
もぞもぞと身体を這い始めた手に、
「ちょっと!くすぐったいってばっ…」
と、あかねが更に暴れるもその手がもちろんどく事はなく…

「…」

結局そのまま、カーテンがさっと閉められ電気も消され、その日は一緒にそのまま過ごす事になるわけで。
…狼少年曰く、「覆水、盆に返らず」なのである。

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