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クセ(Side-R)
…学校じゃあ、「勉強得意」「スポーツ万能」「容姿端麗」と3拍子揃っているお陰で、妙に完璧な女と称されている、人気者のあかね。
でも、そんなあかねには、そんな「外側」だけの特徴だけじゃなくて、もっともっとたくさんの、「内側」の特徴がある。
自分の気持ちよりも、人の気持ちばっかり考えて行動しちまう、お人良しな所とか。
強がってるくせに、実は間が抜けててドジばっかり。
腕が立つように見えても、でもそれは自分の「弱さ」を一生懸命カバーしている事、とか。
素直じゃねえクセに、ヤキモチだけは素直に焼く、とか。
ある意味、素直じゃねえけど、素直。そんな感じだ。
でも。
こう言った特徴は、その気になれば他の奴らだってわかる事だ。
ただ…「二人きりでいる時」のあかねの特徴は、絶対に…他の奴は、知らないはずだ。
いや、知られてなるものかと、俺は思っている。
俺が急に抱きついたりすると、「何すンのよ」とか何とか言いながらとりあえずは怒ったりするくせに、でも自分が甘えたい時は、俺の意思なんか確認もせずにコテン、と、不意に俺の胸に頭を傾けてきたり。
もちろんそんなことされれば、意思確認なんか必要もないぐらい甘えてもらうけれど。
…
後は、腕を組むよりも、手を繋ぐ方が好きなこと、とか。
いつも抱きつかれてるくせに、俺が後ろから抱きついたりすると、すごく胸をドキドキさせたりすること、とか。
その後に、
「な、何すんのよぉ…」
と、頬を膨らませて起こったような表情をされるともう、本当に可愛くて仕方がない。
そんなあかねを遠慮もせずに襲い掛かりたくなるのは、きっと男だったら当然…と、俺は自分の行動を正当化して
みたりも、する。
…そして。
「やっ…もうだめだってば…」
大分火照った身体を捩り俺の腕から逃げようとするあかねを、「そうはさせない」とばかりに捕まえる時。
あかねは、身体よりも火照った顔を俺に向け、息も絶え絶えにそう呟く。
「だめなのか。…じゃあ止めようか?」
そんなあかねに、俺が意地悪く笑いながら耳元で囁けば、
「…や」
泣きそうな顔をして、首を左右に振ってみせるくせに、だ。
「…だろ?」
そんなあかねがまた、どうしようもないくらい可愛くて仕方なくて。
俺が強い力で再び抱きしめると、あかねはきまって、俺の背中に腕を回しそして…爪を立てる。
…それは、俺の身体に刻まれる「甘い痛み」。
でも、どんなに強く傷痕をつけられてもそれを苦だとは思えない、あかねの特徴。
きっと、あのなびきとて知らない、あかねの特徴。
俺だけが知っている…あかねの「クセ」。
