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→小さな挑戦

(今日こそは、数えてみよう)
乱馬の腕の中で小さくなりながら、とりあえず、あたしは数えてみる。


一回…二回。
…それは、あたしの中の、現在のカウント数。

いつだって、一回目二回目まではしっかりと数えてるんだ。
でも、三回、四回となってくうちに、どこまでが三回目でどこからが四回目か…段々分からなくなる。
でも、今日こそは!
今日こそは数えてみよう。
あたしはそう心に決めていた。

三回…四回。
五回…六回…

…あれ、今二回した?
てことは、今のはカウント…
あれ?今また…した?
しまった、そんなこと考えてるうちに、また数えられなかった。
「あ、ちょっとまって…」
いけない、このままだとこないだと同じだわ。
これじゃあまた、ちゃんと数えられない。
「ストップ。待て、お預けッ」
あたしは焦りながらも必死に乱馬の身体を押し返してみるが、
「やだ」
乱馬は驚くくらいきっぱりとそういっては、そんなあたしにお構いなしの様子。
結局、一回数え損なうとあとはもうズルズルと回数が増えて、
最後の方には、もう自分が数をカウントしていたって…それさえも、あたしは忘れてしまう。
頭がボーっとして、夢中になってしまう。


「今日は数えられた?」
…あげく。ボーっとしたままの表情のあたしは、乱馬の奴にこんな質問をされる始末だ。
「今日は六回…」
そう言って、赤くなって俯いたあたしに、
「そうか。こないだよりは一回、回数が増えたじゃん」
乱馬はそういって、あたしの頭を嬉しそうに撫でている。
「次は何回目までカウントできるかな」
そう言いながら、にやりと笑う乱馬と、
「次はもちろん、全カウントよ!」
そう威勢よく叫んでは、口を尖らせるあたし。
だけど乱馬は、
「そりゃ関心」
あたしを小馬鹿にしたような口調でそう言うと、あたしの尖らせた唇にチュッ…と軽くキスをして、
「じゃあさっそく試してみようぜ。じゃあさっそく一回目から」
乱馬はにっと笑いながらあたしをみた。
「次こそはッ」
そんな乱馬に乗せられて、あたしはいつもこうしてリベンジに燃えるけど…もちろんそんなリベンジが成功した試しなんてない。
リベンジの時は、カウントする回数は減ることはあっても、増えることはないんだ。
「だー!カウント出来ないなら今日はもうだめだってばっ…待てッお預けッ伏せッ」
リベンジ戦の最中、あたしはまるで「犬」をしつけるようなそんな台詞を毎回叫ぶも、
「待たないッ」
乱馬は必ずそういっては、まるで悪戯っこのような顔をしている。
結局、毎度毎度こんなやりとりがいつでも続いてしまうから、いつまでたってもあたしは目的を果たせずじまいに終わってしまうのだ。



…そう、
いつまでたってもカウントしきれない、乱馬とあたしの「キス」の数。

 

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