「あかね」
…呼ばれたから振り返ったら、なびきお姉ちゃんが突然シャッターを切った。
「何すんのよッ」
怒るあたしをよそに、なびきお姉ちゃんは、
「しょうがないじゃない。あんたの写真、よく売
れるのよ」
全く悪びれもせずそんな事を言う。
「…どうせ、九能先輩ぐらいでしょ」
あたしがボソッと呟くと、
「九能ちゃんは確かに大手の顧客だけど…最近はねー…。もっといい顧客が一人、つい
たのよね」
なびきお姉ちゃんはそんな事を言って、にやり
と笑っていた。
「誰よ、それ?」
あたしが尋ねても、
「顧客の情報は漏らせないのよー」
お姉ちゃんは、そんな事を言って笑うばかりで
ちっとも教えてくれない。
…九能先輩以外に、一体誰が?
あたしがそんな事を思っていると、
「ゴホンッ…」
…ちょうどあたしの背後を通りかかった乱馬が
突然咳払いをした。
「何よ、風邪?」
あたしがそう尋ねると、
「違げーよ」
乱馬は何だかブスッとした表情でそう言って、向こうへといってしまった。
「な、何よあの態度ッ。人が心配してやっってん
のに!」
あたしがそう叫ぶと、
「今のはあかねが悪い」
なびきお姉ちゃんはそう言って、何故だか知らな
いけど笑っていた。
…何でよ?