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5

 

澄みきったこの映像。
これも彼女の・・・キヲク?




フワリと映像が映し出される。
少し薄緑色のフィルターを通して、写る先に見えるもの全てが現実?
彼女がある男に満面の笑みを向けてるこのキヲクは本物?

残像のように残る。ノイズの入るのはナゼなんだろう。
その男が、あの医者に似てるのは単なる偶然・・・?

またも浮くような脱力感に襲われ、どこまでも透明に近い白が俺を覆う。次第に感じた世界は、もうあのキヲクの中ではない・・・




「乱馬っ!しっかりしろ、乱馬っ」
そんな声で目が覚めた。

「やっと意識取り戻した! あかねちゃん、乱馬意識取り戻したよ!!」
仲間の声が遠く霞んで消えてくようだった。目の前の映像もノイズが入ってぼやけてる。
俺、どうしたんだ・・・?

「大丈夫ですか!?」

突如聞こえた声に、意識が呼び戻されたのがわかった。

「え・・・っと・・・」
「乱馬。乱馬って呼んで平気だよ。」
「あの、ら、乱馬・・・」

ノイズを必死に頭の中で修復しながら、現実の映像を掴み取ろうとする。
黒だけの世界。
薄汚れた世界に、その存在は一際キレイで白い。

目が冴えると、目の前にいたのは彼女だった・・・


「あ・・・」
なんと声をかけたらいいのかわからず、思わずそのまま止まる。そして、現状を把握できず、薄暗い部屋を見渡す。

「・・・乱馬、捕まっちまった。」
仲間の誰かがそう言った。それで、全て理解できた。
「そっか・・・」

ついに年貢の納め時のようだと心底思った。
もはや抵抗の意思すら、仲間からも感じない。どこか世間から離れたこの状況をいつか打破してみたいという気持ちがあったからだろうか。

「悪い」
そう呟いた仲間への謝罪は、ピリオドを打ったみたいに感じた。

「お互い様だろ」
軽く返ってきた言葉に、笑って「そうだな」と答えてた。
でも、これは“俺らだけだったら”なんの抵抗もなくこのまま刑に処するなり、なんなりがスムーズにできるが、見当違いが一つある。
それは・・・

「って、なんであいつも捕まってるんだよ!」
そう、関係のないはずの彼女までが同じ牢やに閉じ込められてる。

「・・・さぁ?」
仲間もあまり理解してない様子で「あの現状で判断されたっぽい」とあっさりした答えが返ってきた。
「あーのーなー。彼女は無関係なんだぞ! なのになんで牢獄に一緒に入ってるんだよ!」
「しらねーよ。ただお前が突っ込んだら、彼女も一緒に倒れちまったんだよ。であえなく一緒に連行?って感じ。彼女はお前よりもっと早く目が覚めたけどな。」

そう言って彼女の方を見た。

彼女は俺らから少し離れたところで柵の外を見ていた。
希望のないような瞳で。

そうさせてしまったのは、きっと俺の責任。

「・・・ちょっと俺話して来る・・・」





責任を感じて・・・ なんてことじゃない。
気になっている。
あの映像の彼方に感じた何か。その何かをきっと彼女ならわかる・・・ それに、謝りたかった。



「よぅ・・・」

背後から、気弱にそう話しかけてた。
我ながら話のきっかけなんてものをよく知らないヤツだと、改めて思った。
彼女は、ふわりと周りの空気を巻き込むようにして振り返る。薄暗いはずの牢獄で、彼女だけは黒に染まらないでいるみたいに見えた。

「あ・・・」

なんとなく振り返って、なんとなく見た顔が俺だったっていう反応。
見てすぐに伏せられた瞳。
弁解の言葉、百通りあったものが一瞬にして無になった気がした。

なんと言えばいいんだろう・・・?



「・・・さっき、兵隊さんがこう言ってたの」と、突然彼女からこう切り出された。

「貴方は重罪だから打ち首だろうって・・・」

伏せてた瞳はそのまま俺を見ることなく、また元の背を向けて、まるで俺を拒んでるように見えた。
俺から見えるのは、彼女のほんの一部の横顔だけ。


「貴方が死んでしまったら、あたしも死ぬのかな・・・」

そう言われて、初めてズキンと胸が痛くなった。

決して、捕まったことへの絶望感からではない、かといって刑が執行されることへの恐怖でもない。
でも、俺はビックリするほど胸が痛くなった。

そうだった。
彼女のキヲクがあるのは俺の中で、これが全て戻らない限り、彼女は消滅してしまう。
受け皿の俺が死んでしまったら、俺の中にいる彼女のキヲクが帰れなくなってしまう。
そうなると、彼女は消滅を待つしかなくなる・・・。 それとも、俺が死んだ瞬間に彼女も消滅するのだろうか・・・

それは、仮にそうなっても俺にいなくなった後の世界の話で、どこか客観的で、非現実的で、予想もつかない。
なのに、ズシリと重く圧し掛かって離れない。

「でもね、もしもそうなってしまって、あたしも死んじゃっても、それはそれでいいかもしれないって・・・ 変よね?自分から生きる意志がないみたいな言い方。」そういうと、うっすらと微笑んでいた。

「あ、でも貴方が死んでもいいって言ってるわけじゃ・・・」
思い出したかのようにして、そんな言葉もすぐ付け足され、苦笑するような素振りをして、真正面を俯きがちに見ていた。


「なんで千年前からこの世界に来てしまったんだろう? って思ったら気が遠くなっちゃって。そう思ったら、ここでこうして生きてることは、もしかしたら神様の領域から外れてるんじゃ・・・って思い始めたの。 貴方まで巻き込んでしまって、なんか神様に見捨てられた気がして。」

うっすらと笑ったまま、心が凍りきったような言葉。
静かな口調には芯なる力があって、俺はただ聞く事しか出来なかった。

「だから、いつ命絶えたって構わないんじゃって・・・」


沈黙だけが二人も間に流れた。
うっすらと微笑んでいた彼女の顔から微笑みは消え、闇に消えてしまいそうな悲しい顔でその中にいた。





「ゴメン」

やった返せたのは、それだけだった。

「俺のせいで・・・」



今更になって初めて、今までの生き方が恥ずかしいものだと感じた。

しがない盗賊生活。
他人の金品で食いしのぐハイエナのような腐った魂。
それはそれでいいと括っていた。変えることなんて、選ぶことなんて出来ないと。それが運命だと、流されていた。
全てが恥ずかしいものに思えた。

別段、この盗賊生活に生きがいを感じたことはない。
でもこれしかなかった。これしか生きる方法が見出せなかった。そんな愚かな自分を恥じることしか出来なかった。
あつまえ、俺はそんな盗賊の頭でもあった。この内部で頂点を達してしまっていた。
他を探せばいくらでも生き方はあっただろうに、ドップリと嵌って、こうやって捕まって、たった一人のキヲクを預けられた女から「ここで死んでも後悔しない」みたいなことを言われて、初めて気が付いた。

遅すぎる。

そう思うまでもが遅すぎる。
何もかもがムダに思えて、一体なにが重要なのかがわからなくなりそうになった。
後悔は先に立つことは絶対にないが、人生全てを今になって後悔してる。



死ねない。


瞬時に思った。彼女の言葉でそう思った。
投げ出しにしていた人生だったはずなのに、彼女の一言で生きなければいならないことに気付かされた。

死ねない。
死んではいけない。
彼女のキヲクが帰るまでは、地を這ってでも生きなければならない・・・

でも、だからといって今までの罪が軽くなるわけでも無効になるわけもない。
そんな感情の板ばさみに合うなんて思いもしなかった。



「ゴメン、俺が盗賊で、賞金首だなんて。 騙すつもりはなかったんだ。切り抜けられるって・・・浅はかだったんだ」


今更、今更。
何もかもが今更。

今、やってきたことを恥じて、罪の意識に駆られても、俺の罪は消えることはない。
本当に浅はかだったんだ・・・

なんでこんな俺に、彼女のキヲクが来たのだろう。



「え? あっ、ち、違う。 あたしがあそこで気付かなければ、貴方は捕まらなくて済んだのに。あたしの・・・せいなの」

全部、そうなの
そうとも聞こえた。

何が全部そうなんだろう? キミは何もしてないのに・・・

何を言ったらいいのかわからなくて、口は自然と止まり、うっすらと黒い影が俺たちを包んだ気がした。



ギィと音がして、闇の中で大きな壁が動いてる。
監視が一人大人しくなった牢屋の中に入ってきて、あたりを見回してるように見えた。

「おい、ここの頭はいるか?」
低い声が壁にまで反響して聞こえる。

「・・・俺だけど・・・・・・」

彼女の隣からすくりと立ち上がると「そこか」と手招きをされ「ちょっと来い」と言われた。
手に手錠を填められて牢屋の中から一人だけ出された。


薄暗い廊下を監視から繋がれた紐を頼りに歩く。
こんな紐、普段なら・・・と思ったりもしたけど、そんな気は全く起きなかった、不思議と。

逃げる理由がとりあえずない。
アイツらを置いて、ましてや彼女を置いて、一人で逃げる理由が今の俺にはなかった。

死ねないと思った俺は一気に大ピンチな状況なのでは? と思いつつも、足音が妙に響く廊下をただ歩くしかなかった。



何もない、ちょっと明るい部屋に通され、中央に置かれた椅子の前に立たされる。
もしかして、もう刑の執行か? とも思ったけど、それにしては雰囲気が違うような気がした。



「名前を言え」

目の前にいるのは、この刑務所の上官なのか、強い命令口調が部屋全体に響いた。
その偉そうな口ぶりに少し勘に触ったが、それだけの理由でキレるのも大人気ないので、静かに従った。

「・・・乱馬」

それだけを言うと、上官らしきヤツは不満そうに「性は?」と聞いてきた。

「・・・しらねぇ」


それが正しい答えだった。

知る由もないファミリーネーム。
一体自分が誰から生まれたのかもわからない。
孤児も同然だった俺を面倒見てくれたのは、この国で一番貧しい都市・シンシアにある田舎町のばあさんだった。
その人も、俺が十歳になる頃に戦争に巻き込まれて敢え無く命を落とした。

それが、俺の知る中で一番悲しかった出来事だったような気がする・・・。




「本当か? 嘘をつけば、お前の罪は更に重くなるんだぞ?」

上官から出た言葉は脅しに近い言葉だった、けど。
「孤児だったんだ、知るわけねぇだろ。」
その一言を言ったら、何も返してはこなかった。


「ま、いい。 次に質問だ。 お前のその左腕にある刺青、お前が入れたものか?」

またも刺青への質問・・・
あの闇医者も、占い師も絶対に聞いてきた。
一体、なんなんだ・・・ 今まで気にされたことすらない存在だったのに、なぜ今・・・


「いや・・・俺が物心ついた時からあるけど・・・」

それがなんだ? なんなんだ?
この刺青は、そんな質問してまで聞かなけりゃいけないものなのか・・・?


俺の言葉を聞くと、上官達は一瞬困惑しコソコソと話し始めた。
そんな中で俺は一人だけ、なんとも分からない疎外感に狩られた。



刺青・・・
そういえば、育ての親とも言えるあのばあちゃんは、幼い俺に刺青のことをこう言っていた。

『いつか、あんたの最高の切り札になる、最高にカッコイイ刺青なんだよ』

その時は、ただ、カッコイイというフレーズだけを鵜呑みにしていた。
だが、今考えると何か違う意味も持ってる気がした。

一体、なんだったんだ。
“最高の切り札”ってなんだ?


「・・・分かった。お前はもう戻っていいぞ」

そう、一方的な言葉で俺はまたあの牢獄へと連れ帰された。
一体なんだったんだろう・・・? そんな疑問だけが残った。




牢獄の中では、野郎全員が彼女に気を使ってる様子で誰一人、彼女へ近寄った形跡が無いと分かるほど、距離があった。
そんな中そんな雰囲気すら気付いてない様子の彼女は、俺がここを出たときのまま、さっきと変わらない場所でじっと座っていた。



『神様から見放されてる』

そんな彼女を見ていたら蘇るその言葉。

  じゃ、なんでキミは生かされてるんだ?
  なんで、俺がキヲクを預かってるんだ?

彼女を遠巻きに見ながら考えることはキヲクのことばかりだった。



そんな時、ズキンと胸が痛くなる。
驚いて、思わず痛んだ胸を強く抑えた。
ビクンと痛みを感じるような鼓動。自然と息が荒くなっていくのが分かった。
なんでかわからない、きっとキヲクのせいだと言い聞かせようとした瞬間、信じられないことが起こった。


一瞬にして視界が暗くなる。そこに一点の光が見える。
見たこともない美しい、緑色の輝き。
それが近づくたびに胸の痛みは増す。
こっちへ来るなと心の中で叫んでも声は出ることはない。
すると、突然視界が拓ける。 緑色の光の方向に居たのは、憲兵だった・・・。

巡回だろう。なのにその憲兵が近づくたびに胸の痛みは増す一方。
一体・・・

そう苦しい胸を押さえながら彼女の方向を見ると、彼女も同じように胸のあたりを押さえていた。
「お、おいっ」
苦しくあがる息を抑えながら出た言葉。それに小さく気付いた様子の彼女。
「何か来る」
俺の顔を見ながら、そうとだけ言った。


バンとフラッシュバックするような眩暈が襲う。目を開けてるのか閉じてるのかもわからない状況。
とてつもない膨大なデーターが頭の中に流れ込んで、頭が割れそうになる。

  なんなんだ。これもキヲクなのか?
  一体、俺たちをどうしたいんだよ。

何もかもがもはや分からない。
今、もしこのことを理解しても、また次に大きな謎が降ってきそうでキリがない気がした。



大人しく歩いていた憲兵が、彼女に向かって目の色を変えてズンズンと来るのが手に取るようにわかった。
それなのに塀の向こうの彼女は、まるで金縛りにでもあったみたいに、憲兵を見たまま身動き一つ取らない。

この妙な緊迫感に俺は眩暈を起こした。
掌は依然、痛む胸を強く押さえていた。
彼女の顔色が絶望に似た色に変わり、ほとんど目の前にいる憲兵は威圧以外の何者でもなかった。

徒ならぬ雰囲気を周りもわかり始め、訳のわからない混沌とした渦が風になって現れた気がした。
緊迫感を孕んだその渦は彼女と憲兵の間の距離から発生している感じがした。

  ダメだ。
  彼女を一人にしてはいけない。

痛む胸を押さえながら彼女の前に向かって駆け寄る。
立て膝を付いて、彼女を憲兵の視界から極力遮るように立った。

地鳴りのような音が聞こえた。
風がうねっていた。

ここは仮にも室内なのに、ここは重罪犯すらそうそう出ることの出来ない安全な場所じゃねぇのかよ?



「それ以上、こっちへ来るな!」

無表情に近い憲兵に言い放つ。
俄然、胸の痛みは増していった。

「来るなーっ!!!」

そう叫んだ瞬間、地面から何か舞い上がるような感覚がした。
少し無重力に近いものを感じる・・・



地震?

そう思った瞬間に、憲兵の丁度前のあたりの廊下が地割れを起こした。
轟音を立てて、更に侵食する。
怯んだ憲兵から、何か青く光るものが飛べ出すのが見えた。
それは砂埃舞う、薄暗いこの部屋の中でキラリと一瞬光った。

そして、思わず手を伸ばした瞬間に、ありえないほどの瞬きが俺を包んだ。





何がどうなったのか分からない。
ただ、うっすらと目を開くと、目の前の柵が地割れによって壊れ、隙間を作っていた。
そして、あの憲兵はその地割れの前に力なく倒れていた。


付いていた膝が痛み出し、不意にバランスを崩して倒れそうになったら、後ろから音もなく彼女が倒れた。

「え?!」

どうやら、俺の背中に倒れてたらしいが、俺がバランスを崩した衝撃で彼女のバランスが崩れて倒れてしまったみたいだった。
床にぶつかるギリギリの位置でなんとかキャッチして、ほっと息を付く。
すると、さっきまで感覚の無かった掌に、固い何かが握られてる感じがした。

右手を開くと、そこには、緑色の大きな透き通った石があった。
さっき放っていた光と全く同じ色・・・
そして、突如熱くなる石。



この感触・・・あの時と同じだ。



――あの時。
  それは、彼女の額に石が溶けていったときと同じ感触。



似てる、感じる波動も似てる。
熱しられたような石の温度も同じように思える。



もしかして、これが・・・キヲクなのか?


“もしかして”というよりは、確証した気がした。
多分、これがキヲクなんだ。


どうなるか、まったく分からないが、無意識に受け止めた状態のままの彼女に恐る恐る、石を乗せた掌を近づける。
すると、あの時と同じように一層輝きを放つ宝石。
熱さに掌が耐えられるか分からない。
目がくらむほどの強い光を放ち、シュンという感触を残して、俺の手から石の痕跡が消えて、彼女に取り込まれていく。


やっぱり・・・そうだったんだ・・・





何もヒントのなかったこのキヲク捜し。
薄れいく意識の中で“宝珠って宝石のことかよ”とようやく理解したバカな俺が居た。

それなら手っ取り早い。
そう思った次の瞬間に記憶がとんだ。











「乱馬、乱馬!!」


瞼を閉じてても分かるほどの光を感じた。

これは夢だ。

そう瞬時に思った。それか、また彼女のキヲクだ。そう思った。
でも、どちらも違っていた・・・・



「起きた!!乱馬大丈夫か!!」


真っ白な場所に居た。
真っ白なベッドに寝かせられてる俺。
何処・・・?

「東風先生の所だ。」
仲間のすっとんきょんな返答に、俺は現実との見境が付かなかった。

「なんかよー、釈放されたんだ。なんでも、『お前の頭の切り札のお陰だ』とか、わけわかんないこと言われたんだけど・・・ お前そんなすげー切り札持ってるの?」
そう言われて、電気が走ったような衝撃を受けた。

“切り札”

俺も知らない何かが俺の・・・この刺青にあるような気がした。



「あ、あの子・・・」

そしていつもワンテンポ遅れて思い出す、彼女のこと・・・

「彼女は!?」
「あ、そそ!乱馬が倒れた後な、彼女記憶取り戻したんだよ!! ビックリしたよ。名前も住んでた場所も分かったんだって。」
「え!?」
「でも、ある部分から全くわからないんだと。最近の記憶はごっそり無い感じだってさっき東風先生が言ってたぞ。」
そう言われて、なんとなく理解した。

宝石1つに付き、戻るキヲクは少ないらしい。
初めは意識を回復させるためのもの。そして今回は・・・自分が誰かであることのキヲク。
7つというのはあながち嘘じゃないみたいだ。

「乱馬はもうちょい寝てろよ。後で先生が話があるって言ってたけど・・・なんか最近のお前、すげぇ変だからさ。無理すんなよ」

そう言って、仲間は部屋から出て行った。







真っ白な空間に、不似合いな俺。
浮きだってしまいそうな気がするくらいに真っ白だった。

それはまるで、何かを全て洗い流してくれるようにも思えた。



なぜだか、今からスタートのような・・・そんな気がした。

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