Novels Search :

→1.キミを怒らせること

ある日の、学校からの帰り道。
「乱馬、あたしを怒らせるのがもしかして趣味…?」
…シャンプーやうっちゃん、小太刀からようやく逃れてあかねの元に戻ってきた俺に、不意にあかねがそう言った。
「はあ?何それ」
俺があかねに聞き返すと、
「いったい、いつになったらあの三人娘は諦めてくれるのかしらね」
「そ、それはあいつらが…」
「乱馬がもっとはっきり意思表示をすれば、あの子達だって諦めるわよ!」
あかねは少しムッとした表情で、そう言った。
あかねにしてみれば、付き合ってもうだいぶ経つのに未だに俺の事を諦めないあの三人娘が気に食わないのだ。
いやそれ以上に、未だに彼女達を振り払えない俺に、憤りを感じているのかもしれない。
「あたし、乱馬のそんな変な趣味に付き合うつもりないから!」
それに加え、本当は今日の学校帰りに話題の映画を見に行く約束をしていたのがパアになったのが、あかねとしては気にいらないのだろう。
あかねは俺にピシャリとそう言い放って、そっぽを向いてしまった。
「…」
あかねの言いたい事は、勿論分かる。
でも、こればっかりは相手があることだ。俺が例えばきつく言ってのけたとしても、最後はあの三人次第。
三人組が諦めてくれるのを待つしかないのだ。
「なあ、映画、今から行こうぜ」
「もう始まっちゃったわよ」
「じゃあ、次の回なら間に合うだろ?」
「帰るの、遅くなっちゃうわよ。もう、いいわよ…」
「そ、それじゃあさっ…」
俺は、がっくりと肩を落とすあかねの機嫌を取り繕うべく、必死にあかねに話し掛け続けた。

…ああ、何でかな?
キミを喜ばす事はこんなにも難しいのに、
どうしてキミを怒らせる事は、容易に出来てしまうのだろう。

 

TOPへ戻る