「ん…」
寝ているあかねの顔に、もう何度目か分からないようなキスをして、俺はため息をついた。
寝ているあかねの首や、肩や、背中や胸には無数の紅い痣。
…全部、俺が付けたもの。
あかねが眠りにつく少し前。
「もうッだめだよ乱馬ッ…乱馬…」
逃れようとするそんなあかねを、俺は圧倒的な強い力で押さえつけていた。
もちろん、俺はあかねが何を言おうが叫ぼうが、逃しはしなかった。
俺は、身体を捩るあかねを強引に押さえ付けては、
暗やみに白く映える美しい肌に紅い「刻印」を刻み続ける。
一つ。
また一つ。
「ん…乱馬…」
「刻印」が刻まれるたびに、抵抗する力をなくしていくあかねを感じた。
「あかね…」
俺は、改めてあかねの肌に指を滑らすように触れた。
…いつになったら、俺はこのヒトを「俺だけのものだ」と、言い切れるんだ?
あとどのくらいこうして「刻印」を刻めば、あかねは「俺のものだ」と、皆は分かってくれるんだ
…
「あかね…」
俺は、そんな事を思いながら、身体を横たえているあかねにぎゅっと抱きついた。
…と。
「ん…乱馬…」
その弾みであかねは目を覚ましてしまったようだった。
「ごめん。起こしちまった」
「まだ起きてたの?どしたの?」
半分寝ぼけながら俺にそう尋ねるあかねに、
「寝てる姿が可愛いなって…思ってたんだ」
俺がそう言いながらあかねの背中を撫でると、
「もう…またそんな事言って…」
口ではそんなことを言いながらも、
あかねは嬉しそうな顔をして、目を再び閉じ、ちょっと上を向いて見せた。
…こうする時は、「キスしたい」あかねがそう言っている時。
「ん…」
俺はそんなあかねに再び唇をかさねると、そのままあかねを強く、抱き締めた。
今俺の腕の中にいるのは、俺の大切な許婚。
他の誰にも渡せない、タイセツなヒト。
だから、
どんなことがあったって、どんな奴からだって、絶対に守ってみせる。
「…この命に誓う」
そう、それはまるで俺自身に再度そう認識しなおさせるかのように。俺は俺に必死で抱きついているあかねの耳元で、そう囁いた。