とある朝の、会話より。
「もーッ。早くしなさいよっ。弛んでんじゃないの!?」
そう言って、あくびをしながらフラフラ歩く俺の腕を引っ張って歩く、あかね。
「そんなに急がなくたって、この時間じゃまだ遅刻に何ねえよ」
大きなあくびをしながら、あかねに手をとられて歩く、俺。
「朝のこの気持ちいい空気を堪能せずに歩くなんて、損してるわよ乱馬」
「仕方ねえだろ、眠いんだから…」
「何でそんなに眠いのよ?」
「なんでかな?」
「…」
「…」
急に真っ赤になって、ポリポリと頬を掻き始めたあかねと、
ふあああ…と大きなあくびを一つする、俺。
「とにかくッ。しゃきっとしなさいよ、乱馬ッ」
あかねは赤い顔を見られるのを誤魔化そうとして、俺を置いて今度はさっさと歩き出してしまった。
「待てよー」
俺は、そんなあかねに追いつくべく、今度は素早く歩きだした。
そして、ちゃっかり隣へ並ぶ。
「お前は眠くないのか?」
「あたッあたしは平気よッ」
「ふーん。でも明日は寝不足で今日の俺みたいになってるかも知れねえぞ?」
「何でよ?」
「何でかな?」
「…」
「…」
「知らないッ」
悪戯っ子のように笑う俺から逃れるように、あかねは耳まで赤くしながらまた歩調を速めた。
「今更、何を照れるんだっつ-の」
俺は、そんなあかねをからかうべくまた歩調を速めてあかねの隣に並んでは、
「なー、何で真っ赤なの?熱でもあんの?」
と、わざとそんなことを言ってはあかねをいじめて楽しむ。
こんな会話を交わす日は、
ホントは一日中身体もだるくて眠ったくてしょうがないんだけど、
でも、
こうやって照れてオロオロソワソワしているあかねを見るのは、面白い。
「眠たくて仕方ない」朝の、俺だけに特有の、朝の醍醐味。