忘れもしない。あれは、大雨の日の夏の午後だった。
お父さんの親友とその息子がやってくるはずだったのに、うちに来たのは、パンダと可愛い女の子。
何でも、中国拳法の使い手なんだって。
…格闘技も好きだし、可愛いし。
仲良くなれるかな…なんて思ってたあたしだったけど、それはとっても大きな間違い。
そいつは、とっても変な奴だった。
だってそいつは、…実は男だったんだもの!
水をかぶると女になるし、あたしの裸を見といて馬鹿にするし。
そして何より、口も悪い。
「冗談じゃないわ!」と思うあたしに、更に追い討ちをかける家族の一言が、
「彼はあかねの許婚ね!男嫌いなんだから、ぴったしじゃない」
…冗談じゃないわ!あんな変態、お断りよ!
第一印象は最悪。第二印象も更に最悪の、アイツ。
あいつも、あたしのことをお断りだといっていた。
こんなにお互い嫌がってるのに、家族は聞く耳持たずで話を進めてく。
…ちょっとちょっと、ホントに冗談じゃないわ!
私には…私にだって、ちゃんと好きな人ぐらいいるんだからね!
あたしには、好きな人が…
あたしとアイツのの出会いは、こんな最悪の状況から始まった。