あーら、皆さんこんにちは。何だかこうしてお会いするのは久し振りね。
私は、このお悩み相談室の室長兼カウンセラーをしている天道なびき。
え?1ヶ月間があいただけで肩書きが変わっている?偉そうになった?

うふふ、そこで余計な事を思った貴方。いい事を教えてあげましょうね。
人生には、触れてはいけないことがあるものなのよ。
私がそうだといったらそうなのよ。そう決定したのです。
余計な事を考えると、乱馬君と同じような目に…
おっと、いやだわ、何故かしら…手が勝手に動いて、顧客アルバムから数枚の写真が。
…ま、それはいいとして。
初めての方もいると思うので、この部屋の説明を簡単にさせてもらうけれど。
ここは、悩み・迷える子羊達に正しい道を導くお手伝いをする為の部屋よ。
相談料はもちろん無料。もしお礼をしてくれるとしても、貴方の心次第で結構なの。
決して、人に見られたら恥かしいラブレターとかをちらつかせたりしないから安心してね。
でも、何故かしら。
相談してくれた後、私が要求しないのにお金を置いていってくれる人が多いのよね。
世の中リッチな人が多いってことかしら。不思議だわ。





…さー、今日は何をしようかしら。四月になって新学期、まだまだ悩み相談に来る人は少ないのよねー。
いい機会だし、この部屋の掃除でもしてようかしら。
よくみると、いらないものがたくさんあるのよねえ(なびき、そう言いながらガラクタの入った箱を机の上にドン、と置く)
最近だと、ゴミの分別も大変だし、メンドクサイのよねえ。
だれかこのゴミ、貰ってくれないかしら。九能ちゃんにでも売りつけようかしらね。


(と、その時。)


女性:「バーバラ!バーバラ!こっちいらっしゃい、バーバラ!」
通りすがりの男子生徒:「うわああ!ぼ、僕はそんなんじゃないですうっ。」
女性:「いいえっ。貴方はバーバラですわっ」
意味不明なことを叫びながら、廊下で叫んでいる女性。その女性に捕まえられ、半泣き状態の、アフロヘアの男子生徒。
通りすがりの男子生徒:「ち、ちがいますうっ…うわー、おかーさーん!!」
その内、男子生徒は女性を振り切って、ものすごい勢いで廊下を駆け抜けていく。
女性:「バーバラ!…ああ、行ってしまいましたわ。」
女性、廊下を走り去ったバーバラ…こと男子生徒の姿に、ガックリと肩を落とす。
なびき「あら、あれは…。でもこれは使わない手は無いわ。」
なびき、一部始終を見ていたうえで、にやりと笑い、その女性に部屋の入り口から声をかける。
なびき:「ちょっと、ねえ?」
女性:「え?あら、貴方は…」
なびき:「私は、以前貴方が手に入れ損ねたペットのシャルロットの飼い主の、姉。」
女性:「シャルロットの!」
なびき:「そうよー。シャルロットは今はどこかで幸せにやっているけどね。それよりあなた、まだ何か探しているの?」
女性:「あずさちゃんは、かわいい物が大好きなだけですっ。別に探しにきているわけではありませんわっ。」
なびき:「あら、そう。…だったら、私の部屋にいらっしゃいよ。この高校の中にまつわる、とっても可愛らしい物がたくさんあるわよ?」
女性:「本当ですの!?」
女性、途端に目を輝かせる。なびき、ふっと含み笑いをして、
なびき:「ま、その辺りのお話もじっくり聞いてあげるわ。どうぞ?…白鳥あずささん?」
なびき、そういって女性を部屋の中に招き入れる。



あずさ:「かわいい物があるんですの!?うふふふふ…」
女性…こと白鳥あずさ、嬉しそうな表情で相談室の中に入ってくる。

−ここからは相談者のプライバシー…というか名誉の為に、音声のみでお楽しみください−

(以下、なびき→、あずさ→で表示します)

:ところで、白鳥あずささん?

:なんですの?

かわいい物がお好きなんでしょう?そのために、わざわざコルホーズ学園から?

:かわいい物がある場所には、どこにだってあずさちゃんは来るんですっ。本当は、シャルロットらし
き黒豚を見つけたから追ってきたんですけど、この辺りで見失ったのです。

:まー、良牙君たらまた迷子になってたのね。

:何か言いました?

別に。それよりも、そう…シャルロットが。でもシャルロットは現在幸せな生活をしているみたいだから諦めた
方がいいかもね。
  それよりも、シャルロットよりももっとかわいい物を、私が貴方にあげるわ。

:本当ですの!?

ええ。(なびき、妖しいぐらいににこやかに微笑む。そして、先ほど部屋を整理して出てきたいらないガラクタ箱
を、あずさの前に差し出す。)

:これは?(あずさ、差し出された箱の中を興味深そうに覗き込む。)

:これはね、この高校の中でしか手に入らない、とっても人気があ
るオモチャなのよ。これに名前をつけて持っているだけで、とっても幸せに
なれたりするみたい

あずさちゃんは別に、幸せになんてなれなくてもいいんですわ。
わいい物がほしいんです。
(あずさ、なびきの言葉に難色を示す)

:(ちっ…今回は一筋縄にいかないようね。ならば別作戦で…)あらそう。
だったら、ここにある小物を、貴方の部屋で貴方色に染めてあげればいいの
よ。例えばね、これ
(なびき、そういって箱の中から「九能帯刀十七歳の胸像」を取り出す。実はこれ、本来ならら
んまとあかねが譲り受けた物だが、なんかに使えないかと、なびきがわざわざ引き取って取っていたもの。結局いら
なくなって、こうして処分をしようとしているが…)

あ:それは…なんだか、以前にいなくなってしまったあずさちゃんの『マルティー
』に似ていますわ。

まあ、偶然?(わざとらしい口調で)もしかしたらこれを置いておいたら、マルティ
ーヌが戻ってくるかもしれなくってよ?そう考えたら愛着が出てこない?
(なびき、にこやかにそう言って、胸像をあずさのほうへと差し出す。)

:言われてみると…ああ、マルティーヌっ。マルティーヌにそっくりですわっ。あずさちゃ
んのマルティーヌっ。
(あずさ、胸像にすりすりとほお擦りをして、嬉しそうにそう叫ぶ。)

:…世の中広しといえど、九能ちゃんの胸像にほお擦りするのはこの子ぐらいよ
ね。貴重な存在だわ。

:これはあずさちゃんが貰いますわっ。(あずさ、しっかりと胸像を抱えてなびきにそう叫ぶ)

:まあ、そう…残念だけど、気にいってしまったのなら仕方がないわね。
(なびき、わざとらしい口調でそう呟く)

:よかったですねー、マルティーヌ!さ、あずさちゃんと一緒におうちへ帰りましょうねー。(あずさ、胸像ににっこりと
微笑む。そしてさっさと帰ろうと立ち上がるが、)

:よかったわねえ。…あら?ちょっとまって。箱の中にまだこんな物が
(なびき、そんなあずさを引き止めるべく、今度は何枚かのパネルを取り出す。パネルには、女らんま
が写っている。が、よくみると写真はぶれている為写りは良くない。実は全て失敗作で、捨てるのにどうしようかと困
っていたもの、のようだ。…)

:何ですの?それは。

:これはね…あ、でもこんな事白鳥さんにいっても…(なびき、わざとワケアリ
の口調であずさに振舞う)

:なんなんですの?

:実はね、これ…本当は白鳥さんのパートナーの、三千院さんにお渡ししたかったのよ。

:まあ!三ちゃんに?

:ええ。なんでもね、三千院さんが、このパネルの主を見て「かわいい、かわいい、大好きだ
ー!」って、昔言っていたような気がして。
  …あ、こんな事を白鳥さんに言っても仕方がないわよね。三千院さんが可愛いって
言っても、白鳥さんはそう思うかどうか…
(なびきがしおらしい口調でそこまで言った時、あずさ、強引になびきの手にしていたパネルを箱から奪い取る)

:まあ!何を…(なびき、妙に芝居がかった仕草でそう叫ぶ)

:三ちゃんがかわいいといった物を素直に三ちゃんにあげるのはどうかと思いますけど、
  それをわざと、あずさちゃんの手元に置いておいて三ちゃんをからかうのは面白いかもし
れませんわねー。

:まあ、そうなの。…あら?どうしてかしら。こんな所に油性のマジックが。

:まあ!ちょうどいいところに!それ、貸してください、ですわっ。

(あずさ、そういって、勝手にパネルにマジックで落書きを始める。が、)

:…ビビアン

:あら。

:これはビビアンって名前をつけますわっ。かーわいいー!!(あずさ、パネルの映像う
んぬんよりも、落書きをした状態のその絵が気にいったようだ)

:あら、よかったわねえ。そうだわ、良かったら他のパネルにも落書きしてみたらいかが?あら、こんな所に
油性マジック色違い5本セットが…。
(なびき、わざとらしくあずさの前に油性のマジックを転がす)

ビビアンレオナルド!…こっちはキャサリンルドルフですわねっ。
(あずさ、数枚のパネルに落書きをして名前を付けると、しっかりと抱き締めるが)


:ああ…でもこれじゃあ持って帰るのに大変ですわ。


:そうねえ。あら?どうしてかしら…こんな所に「どんな物でも包める風呂敷包
み」価格1500円が…

:仕方ないですわね。それ、あずさちゃんが買いますわ。(あずさ、なびきに1500円を差し出す)

:まあ!私が偶然持っていたものにお金を払ってくださるなんて…なんて優しい方?(なびき、そういう割りに
は受け取ったお金を素早く金庫にしまう。そして、)

:うふふふふー、さ、みんなあずさちゃんのおうちに帰りましょうねえ。

:良かったわねえ。貰われていって、そのこたちも光栄だわ。
(…と、風呂敷を背負ったあずさを、怪しい笑顔のまま見送る)










…ふー、やれやれ。
あら、でもよかったわあ。箱に入っていた粗大ゴミ、これでかたずいたわ。
ほら、粗大ゴミって、引き取ってもらうのにお金、かかるでしょう?
それが無料でかたずいただけでなくて、ヨレヨレの使い道のない風呂敷まで買い取ってくれるだなんて。
ふふ、さすがはコルホーズ学園のお嬢様。おやさしい事で。
でもね?白鳥さん。一つだけ言っておくけど。




気にいった物をその場で名前を付けて持ち帰ること。
世間一般ではそれ、犯罪だから。






さーて。カルテを書いて、私もそろそろ帰ろうかしら♪


本日のカルテ
名前 白鳥あずさ
年齢 恐らく16歳?
特徴 コルホーズ学園の駆け抜ける黄金ペアの片割れ。
超高校級の格闘スケート使い手。
かわいい物に目がなくて、気にいった物はその場で名前を付けて持ちかえる。
相談 何かかわいい物はないか?と風林館高校にやって来た
カウンセラーからのアドバイス 九能ちゃんの胸像に、正気でほお擦りできるのは、きっと彼女だけ。貴重な生き物よねえ。
マルティーヌになってた方が、九能ちゃんは幸せな気がするわ。
本日の発生料金 お金持ちの彼女は、、本当は捨てる予定だった風呂敷をわざわざ購入してくれた。
さらに、粗大ゴミで対処に困っていたいくつかのゴミを無償で引き取ってくれました。
風呂敷代と、本当は払う予定だった粗大ゴミの引き取り代金。
\1500+\500+\100×5=しめて\2000なり
カウンセリング料金は頂かないのに、善意でこんなにくれるなんて。本当にお嬢様はふとっぱらよね。


またのご来室をお待ちしているわ。それじゃ。