天道なびきお悩み相談室
| あーら、皆さんこんにちは。 |
| 前回に引き続き、私はここのカウンセラーをやっている、天道なびきよ。よろしくね。 |
一応説明するけど、この相談室には、人生に迷った可哀相な人たちがアドバイスを求めて手紙をくれたりやって
きたりするのよ。 |
あたしからのアドバイス料は…そうね、その人の感謝の気持ちに任せているの。強制してお金は取るつもりない
のよ。 |
そう、決して相談が終わった後、払った料金が少ないからといって、焼き増しした恥ずかしいラブレターなんかをちら
つかせてお金をきっちり取るなんて事はないから安心してね。 |
| でも、何でかわからないけど皆、充分過ぎるほどお金を置いていってくれるのよね。不思議だわ…。 |

| あら?今日も誰か、道に迷ったカモ…いえ、子羊がやってきたみたい。 |
(ここからは相談者のプライバシー…というか名誉の為に、音声のみでお楽しみください)

かすみ「こんにちはー。…あら?なびき?こんな所で何してるの?」
なびき「かすみお姉ちゃん?(ちッ…今回は手荒なマネは出来ないわね)お姉ちゃんこそなにしてるの?」
以下、かすみ→「か」、なびき→「な」で表示します。
か「私はね、あかねちゃんがお弁当を忘れたって言うから届けに来て上げたのよ。そしたら偶然ここをとおりがかって。」
な「そう。」
か「それにしても、なびきは偉いのねえ。色んな人の相談に乗ってあげてるのね?
しかも無料だなんて…。
お父さんが聞いたら喜ぶわ。」
(かすみ、そういって満面の笑みでなびきを見る。)
な「そ、そうかしら?(ちッ…おねえちゃんの菩薩の笑みで微笑みかけられると何だか心が痛むわ。)」
(なびきちょっとの間だけ考え事をし、そして何かを閃き、)
な「そうだ。お姉ちゃん、暇?お姉ちゃんにも、この相談室のお仕事すこし手伝ってほしいな。」
か「え?私が?あら…出来るかしら…。」
(かすみ、少し心配そうな顔をする)
な「平気よ。お姉ちゃんはね、迷える生徒がここ来たら、私の隣でニコニコしながらそのお話を聞いて、
一言だけその生徒にアドバイスをしてくれればいいの。」
か「アドバイス?」
な「そ。その生徒がね、気を使って何かを喋ろうとするたびに、
『お代は一切いただきませんから』ってアドバイスしてくれればいいの。
ね?簡単でしょう?」
(そういって、なびき、にやりと笑う。)
か「それだけでいいの?」
な「ええ。それだけよ。」
か「なら…お手伝い出来そうねえ、私でも。少しでもなびきのお役に立てるなら是非。」
な「ありがと、お姉ちゃん。後で缶ジュースくらいおごるわよ。」
か「まあ、嬉しい」
(かすみ、そう言ってにっこりと微笑む。なびきもそれにあわせてにっこりと微笑むが…)
そこに、被害者…いえ、迷える子羊・生徒Aくん登場。(以下A)
A「すみません、ここ、無料の相談室ですよね?相談があるんですけど…」
な「はい、どうぞ。」
A「実は僕…好きな女の子がいるんです。1−F組の天道さん。明日の放課後、告白しようと思ってるんですが…」
な「あら、そうなの。でも、君すごい覚悟があるのねえ。あかねに告白するって事は、乱馬君と真っ向から
勝負しようって訳でしょ?
腕1本や2本折られてもいい覚悟ってことよね?」
A「ええ!?や、やっぱり、早乙女がいるのに天道さんに告白するなんて無謀ですか!?」
な「さあ…あたって砕けろって奴じゃない?」
A「あのッあのッ…何とか早乙女に知られないで天道さんに近づく方法ってないんでしょうか?!」
(Aくん、そう言ってなびきに泣きつく)
な「そういわれてもねえ…。私だってあかね共々一緒に住んでるわけだから?
うっかりポロっと乱馬君に喋っちゃうかもしれないしねえ。
ほら、女っておしゃべりじゃない?」
A「ええ!?そんなッ…僕はどうしたら…」
(なびきとAくん、そんなやりとりをしている)
か「お代は一切いただきません。」
A「…え?」
か「お代は一切いただきません。」(かすみ、菩薩のような笑みでそう言ってA君を見る)
A「…。」
(A君、何も言わずになびきにお財布から2000円を差し出す)
な「あら、プレゼント?」
A「…。」
な「しょうがないわね、A君がそんなに自主的に私に投資をしようとしてくれてるの
なら、乱馬君には黙っておいてあげるわよ。」
A「ほんとですか!?」
な「ええ。でも、乱馬君にばれないようにあかねを呼び出すのは至難の業よねえ…。」
A「ど、どうしたらいいですか!?」
(再びなびきにすがるA君に…)
か「お代は一切いただきません。」
A「え?」
か「お代は一切いただきません」(更に菩薩のような笑みで微笑むかすみ)
A「…。」
(A君、再び黙ってなびきに財布から2000円を取り出し差し出す。)
な「あら、私が何も言わないのにこんな風にお金を?何て親切な人。
わかったわ、そこまでしてくれるのなら手をうちましょう。」
(なびきのその言葉にA君は若干涙ぐみながら頷き部屋から走り去る。)
か「なびき、私は役に立てたかしら?」
な「十分よ。充分助けてもらったわ、おねえちゃん。はい、これジュース代。」
(なびき、そう言ってかすみに100円を手渡す。)
な「おねえちゃん、校内の自動販売機なら100円で飲み物が買えるから。」
か「まあ、お手伝いさせてもらった上におごってくれるなんて。なびきは本当に優しいこね。ありがとう。
さ、ジュースを飲んだら晩御飯のお買い物に行かなきゃ。今夜はおでんよ。」
(かすみ、そう言って部屋を出て行く。)
なびき「かすみお姉ちゃん…なんていい人。」(涙をそっと拭きながら)

「ま、かすみお姉ちゃんのあの笑顔であんな台詞を言われて財布に手を伸ばさない奴は、鬼ね、鬼。
おねえちゃんも久しぶりの”社会勉強”で楽しめたみたいだし。ジュースも飲めたし。
私も何故か収入UPだし。
みんなが幸せ、あら、最高じゃない。」
…でもね、お姉ちゃん。校内では100円で買えるジュースも、一般的にはペットボトル、1本150円だから。
| さーて。カルテを書いて、私もそろそろ帰ろうかしら♪ |
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本日のカルテ
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名前
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Aくん
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年齢
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16
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特徴
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あかねに密かに片思い中
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相談内容
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許婚の乱馬君に知られないであかねに告白したい! |
| カウンセラーからのアドバイス |
お代は一切いただきません |
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アドバイス料
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…かすみお姉ちゃんのそのアドバイスにより、
「いりません」といっているのに強引に¥4000も。
A君たら、ホントに小心者…いえ、律儀な人ねえ。
でも、冷静に考えて?A君。
乱馬君に知られずにあかねに告白したとしても、知られて
告白したとしても、答えは一緒。
だって、あかねのココロもカラダもすでに…
…おっと、ここから先は関係者以外立ち入り禁止。
あたしが乱馬君に怒られちゃうわ。 |
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