天道なびきお悩み相談室

あーら、皆さんこんにちは。
前回に引き続き、私はここのカウンセラーをやっている、天道なびきよ。よろしくね。
一応説明するけど、この相談室には、人生に迷った可哀相な人たちがアドバイスを求めて手紙をくれたりやってきたりするのよ。
あたしからのアドバイス料は…そうね、その人の感謝の気持ちに任せているの。強制してお金は取るつもりない
よ。
そう、決して相談が終わった後、払った料金が少ないからといって、焼き増しした恥ずかしいラブレターなんかをちらつ
かせてお金をきっちり取るなんて事はないから安心してね。
でも、何でかわからないけど皆、充分過ぎるほどお金を置いていってくれるのよね。不思議だわ…。

あら?今日も誰か、道に迷ったカモ…いえ、子羊がやってきたみたい。
乱馬ー!!待つよろしー!!!

(ここからは相談者のプライバシー…というか名誉の為に、音声のみでお楽しみください)
※なびき→以下「」、シャンプー→以下「」で表示します。




シ「乱馬ッどこ隠れたか!?」
な「あら、シャンプーじゃないの。いらっしゃい。乱馬君ならここにはいないわよ。
 あかねのところじゃない?」
シ「あかねのところ!?乱馬最近、あかねばっかりヒイキしてる感じするねッ」
(シャンプー、そう言って悔しがる。)
な「まあまあ。…そうだ。
  じゃあ、暇つぶし…いえ、そんな報われない恋に悩んでるあんたに、あたしがいい事を教えてあげる
  わ。」
シ「いい事?それ教えてもらえば、乱馬は私を気にするようになるあるか?」
な「ある意味ね。」
シ「なら、教えて欲しいある。」
(シャンプー、そう言ってなびきの目の前に足を組んで座る。)
な「まず始めに。いーい?日本で誰かに何かを教えてもらう時って言うのはね、一番初めと最後に『謝礼』って
  いうものを渡す習慣があるのよ。これは決して強制的に強要するんじゃなくて、
  …そうね、いわば謝礼を渡す事でまず、教えてくれる相手とコミュニケーションをとることが出来ると考えた方が  いいわね。
  自分が渡した『謝礼』によって、相手から聞きだせる情報量も違うものなの。
シ「そうなのだな。では、教えてくれる前に私がなびきに、渡すある。」
(シャンプー、そう言ってお財布の中から2000円渡す。なびき、しっかりとそれを受け取って金庫に入れ)
な「次に。乱馬君のように優柔不断ではっきりしない男を振り向かせるにはね、ただ押してるだけじゃだめなのよ?」
シ「?」
な「ほら、押してだめなら引いてみろっていうでしょ?だから…」
(なびきがそこまで言うと、)
シ「分かったある!じゃあ、乱馬の体、思いっきり突き飛ばした後、私の方に思  い切り引き寄せればいいのだな!?」
な「うーん、それはどうかしら…?(って、恐ろしい事いうわねこの子)」
シ「私、力技には自信があるよろしぞ!」
(シャンプー、そう言って指をぽきぽきと鳴らしている。)
な「(何かホントにやりかねないわね…)それと後は…乱馬君みたいにナルシストな  男の子にはね、いかに彼がかっこよく見えているかを素直に伝えてあげた方がいいわね。」
シ「あいやー、そうなのだな!?乱馬は、カッコいいある!私、乱馬は以上にカッコいい男、見た事ないね。」
(シャンプー、そう言ってうっとりと手を合わせている。)
な「ほめて、ほめて、誉めまくるの。誉め殺してやんなさい。」
(なびきがそう言ってうっとりしているシャンプーにさらにアドバイスすると、)
シ「わかたある!乱馬のこと誉めて、誉めて、誉めて…その後…殺してしまうのはダメね、なら 半殺しくらいでいいあるか!?
 乱馬がそれで喜ぶなら、私、力いっぱい乱馬のこと誉めて、誉めて、そし て半殺しにするね♪」
(シャンプーそう言って嬉しそうに立ち上がった。)
な「半殺しってあんた…うーん、日本語って難しいわね。」
シ「なびき、いろいろ教えてくれた事、感謝するある!これ、最後の『謝礼』あるぞ!」
(シャンプー、なびきにまた2000円を手渡す。なびき、しっかりとそれを受け取って金庫へ)
な「ま、がんばんなさいよ。」
シ「わかたある!それでは、私は行く!再見!」
(シャンプー、意気揚揚と部屋を飛び出していった。)



…この20分後。
「乱馬!乱馬はとてもカッコいいあるぞ!」
そんなシャンプーの声と、
「こ、コラシャンプー!何する…ぐわーッ!!!」

ドカッ…バキッ…

…なぜか悲痛な乱馬の悲鳴が、風林館高校内で響いていた。


…乱馬君、お大事に。
それにしても、日本語って難しいのねえ。
「押してだめなら引いてみな」「誉め殺し」…あたし達にとってはたわいもない言葉だけど、シャンプーなんかにしてみれば、聞いたまんまのとおりの言葉、なのよね。
今日はいい勉強になったわ。そうだ、家に帰ったら、あかねにも教えてあげようっと。









さーて。カルテを書いて、私もそろそろ帰ろうかしら♪


本日のカルテ
名前
珊撲(シャンプー)
年齢
特徴
あの乱馬君を一途に慕う、熱烈中国娘
相談内容
一向に振り向いてくれない片思いの彼を振り向かせるには?
カウンセラーからのアドバイス 「押してだめならひてみる」「誉め殺し」
日本古来の「方法」を伝授するも、日本語が良くわかっていないせいか、
なぜか乱馬君が被害をこうむる。
ごめんね、乱馬君。
入院した際には、リンゴくらいは持ってお見舞いに入ってあげるからね。
アドバイス料
これまた日本古来の伝統「謝礼」のお話をしてあげたところ、
4000円ばかりの「コミュニケーション料」を「非強制的」にくれました。
あくまでも、これはシャンプーの「私とコミュニケーション」とりたいという、
気持ちほかならないわね。



またのご来室をお待ちしているわ。それじゃ。


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