天道なびきお悩み相談室

あーら、皆さんこんにちは。
すっかりここに定着してしまったわ。
私はここのカウンセラーをやっている、天道なびきよ。よろしくね。
一応説明するけど、この相談室には、人生に迷った可哀相な人たちがアドバイスを求めて手紙をくれたりやってきたりするのよ。
え?今日に限って、何でドレスアップしてるかって?
そりゃあんた、今日はクリスマスでしょ?
あたしに貢いで…いや、プレゼントをもらって欲しい人たちへのサービスって奴かしら?
今夜、天道家でクリスマスパーティがあるのよ、ま、その支度中ってトコね。
イブにやらないところが、一応あかね達に気を使ってるってトコよね。あー、あたしは優しい姉だわ。
あ、そうそう。話がそれちゃったけど、ここの説明を一応、するわ。
あたしからのアドバイス料は…そうね、その人の感謝の気持ちに任せているの。強制してお金は取るつもりない
よ。
そう、決して相談が終わった後、払った料金が少ないからといって、焼き増しした恥ずかしいラブレターなんかをちらつ
かせてお金をきっちり取るなんて事はないから安心してね。
でも、何でかわからないけど皆、充分過ぎるほどお金を置いていってくれるのよね。不思議だわ…。

(ズーン…ズーン…)
あら?何、この音。
(ズーン…ズーン…)
何だか、徐々に近づいてくるみたい。
あ、今日も誰か、道に迷ったカモ…いえ、子羊がやってきたのかしらね?


(ここからは相談者のプライバシー…というか名誉の為に、音声のみでお楽しみください)

「こ、こ、ここはどこだー!!!!」
「あら、良牙君じゃないの。いらっしゃい。」
(以下、良牙→、 なびき→で表記します。)
「あれ!?なびきさんがいる…ということは、ここはあかねさんのいる天道道場!?」
「残念だけど、風林館高校よ。」
「しまった…俺としたことが、あかりちゃんと待ち合わせをしていたはずなのに、別の場所へと迷い込んでしまっ
たのか!?ああ、あかりちゃん…」
「まあ、落ち着きなさいって。座ったら?」(なびき、良牙に椅子に座るように進める)
「はあ…。」(良牙、大人しく座る。)
「良牙君も、今晩家でやるクリスマスパーティに出席するんでしょう?」
「あ、はい。それで遅れてはいけないと思ってあかりちゃんと待ち合わせをしてたんですけど…。」
「待ち合わせって…パーティまであと5時間はあるんですけど。
  良牙君もいつも大変ねえ。」
「はあ…。」(良牙そういって、ため息をつく)
「ま、でも安心して。あたしが連れてってあげるわよ。家まで。」
「ほ、本当ですか!?」
「ええ。きっとあかねも喜ぶわよ。あかねもね、みんなでパーティすること楽しみにしてたから。ほら。」
(なびき、そう言ってわざとらしくファイルから写真を取り出す。)
「これね、道場に飾ったクリスマスツリーの前で嬉しそうな顔して笑ってるあかねを取ったのよ。生写真ね。」
「あ、あかねさん…。(良牙、写真を食い入るようにみつめる、が、)
 でもこれ…なんかあかねさんの横に映ってる何かの部分をはさみでぶった切ったような…?」
気のせいよ。」
「き、気のせいですか?」
「そうよお。ひどいわあ、せっかく今朝取った写真を乱馬君より早く良牙君に見せてあげたのに…」
(なびきはそう言って、ため息をつきながらファイルに写真をしまおうとする)
「待ってくださいッ。それ、いくらですか!?
「え?良牙君、この写真そんなに欲しいの?」
「あかねさんのそんな笑顔の写真ッ…いくらなんですか!?」
(良牙、ずずいっとなびきに詰め寄る。)
「良牙君…うちの妹の写真をそんなに欲しがるなんて…なんていい人なの?
(なびき、涙をそっと拭きながら)
 大丈夫、良牙君があかねの写真を買ったなんて、あかりちゃんには絶対に秘密にしてあげるわ…1500円。」
「…。」(良牙、1500円を素直に渡す。)
「良牙君、あかねを思ってくれてありがとう。全く、乱馬君にも見習わせたいくらいよ。…あら?
(なびき、良牙から受け取った1500円を金庫にしまいながらふと目線をファイルの方へと落とし、1枚の写真を取り上げる。)
  …なにかしら?この写真。まあ、夏休みにキャンプ場へ行った時に偶然とってしまった、あかねとあか
りちゃんのツーショット写真がなぜ?」
いくらですか?
「まあ、良牙君たら…2500円。」
(なびき、良牙にそっと手を出す。良牙、その手にお金をそっと乗せる。)
「良牙君たら…本当にいい子ね。そんな良牙君に、特別この写真もみせてあげるわ。」
(なびき、そう言って1枚の写真を良牙に見せる。写真には、何かを見つめて、とても幸せそうなあかねの横顔が写ってる)
「あ、あかねさん…。
  あの、でもなんかこれもあかねさんの横に映ってる何かをはさみでぶった切ったような…?」
(良牙、やけに無造作に切られた写真の横を気にする)
気のせいよ。それより、可愛いでしょ?あかね。」
「はい!あのこれ…」
「まあ!?この写真も良牙君は買おうとしているわけ?もう、そんなにあかねを想ってくれてるなんて、姉として幸せな限りよ。…3000円。
「…。」(良牙、黙ってお金を渡す。)
「ありがとう、良牙君。あかねの写真を自ら買おうとしてくれたこと、あたしは忘れないわ、絶対。
  それじゃ、ちょっと部屋出たところで待っててよ。天道家まで、あたしが連れてってあげるから。」
「は、はいッ…」
(良牙、写真をしこたま買わされた事も忘れて笑顔で部屋を出て行く)
「ふふふ…。毎度ありー…。」
(なびき、妙な笑顔でそんな良牙を送り出す)





ふう、今日もまた、道に迷えるカモ…いえ、子羊ちゃんを救ってしまったわ。
それにしても良牙君たら、あかりちゃんとお付き合いしてるくせに、あーんなにあかねの写真も買っちゃって。
良牙君があかねの事をすきだって気が付いてないの、ホントあかねくらいよね。
乱馬君も良牙君も、鈍いあかねを追っかけるのはホント大変よね。
さーて、と。
朝取った写真は急遽良牙君用にぶった切ってしまったけど…本当は、クリスマスツリーの前で楽しそうに笑いあっているあかねと乱馬君のツーショットの写真…乱馬君に売りつけるように、もう一回急いで現像しないとね♪
あ、そうだ。夜のベランダで、キスする前に見つめあってるあかねと乱馬君の写真も、か。
あー、現像代、かかるわねえ。
でも、ま、いっか。その分乱馬君からモトとれば。
今日は良牙君からも結構もらえたしねえ。




さーて。カルテを書いて、私もそろそろ帰ろうかしら♪


本日のカルテ
名前
響 良牙
年齢
16
特徴
極度の方向音痴。お付き合いしている彼女がいるも、現在2又?中。
相談内容
天道家にたどり着けない
カウンセラーからのアドバイス 仕方ないから、あたしが連れてってあげるわよ。
アドバイス料
健気な良牙君に妹の写真を見せたところ、自らの意思で、その写真
を何枚も購入してくれた。
乱馬君、ちょっとは見習いなさいよ?
でも、このことはあかりちゃんには秘密にしておいてあげるわね、良
牙君…今日は、ね。



またのご来室をお待ちしているわ。それじゃ。


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