天道なびきお悩み相談室

あーら、皆さんこんにちは。
前回に引き続き、私はここのカウンセラーをやっている、天道なびきよ。よろしくね。
一応説明するけど、この相談室には、人生に迷った可哀相な人たちがアドバイスを求めて手紙をくれたりやってきたりするのよ。
あたしからのアドバイス料は…そうね、その人の感謝の気持ちに任せているの。強制してお金は取るつもりない
よ。
そう、決して相談が終わった後、払った料金が少ないからといって、焼き増しした恥ずかしいラブレターなんかをちらつ
かせてお金をきっちり取るなんて事はないから安心してね。
でも、何でかわからないけど皆、充分過ぎるほどお金を置いていってくれるのよね。不思議だわ…。

あら?今日も誰か、道に迷ったカモ…いえ、子羊がやってきたみたい。


(ここからは相談者のプライバシー…というか名誉の為に、音声のみでお楽しみください)

「失礼します…」
「あら、乱馬君。いらっしゃい。」
(以下、乱馬→、 なびき→で表記します。)
「…・。」
「何よ、いきなり黙り込んで。相談室なんだから、相談してもらわないと話すすまないでしょうが?」
「…ほんっとに、無料なんだろうな!?」
「ええ。表の看板に書いてあったでしょ?あたしからのアドバイス料は、その人の気持ちに任せてるの。(満面の   笑み)。お金なんか強引にとるわけ無いじゃない?さ、何でもおっしゃい。将来の義弟よ。」
「…あのよ。その…こないだ俺の誕生日だったんだけど…」(そういって、何故か赤面)
「あら、おめでと。それで?」
「その…あかねからもプレゼントもらって…で、そのお礼に…その…」
「あんたねー、男なんだからしゃきっとしなさいよ。お礼に、何?」
「こ、今度デートに誘おうと思ってんだけどよ!ど、ど、何処がいいかなと思って…」(ぼそぼそと呟く)
「そんなの、あかねに聞けばいいじゃない。わざわざあたしに聞かなくたって。」
「そ、それが…こないだからどうも、あかねと顔合わすとその…いろいろと…」(更に赤面)
「(ふふ、いっちょまえに照れてやんの。)あ、そう。それじゃ無難にディ○ニー○ンドにでもしといたら?」
「あかね、喜ぶのか?」
「バカねえ。あかねは、あんたと一緒だったら何処だって喜ぶわよ。その辺の土手だろうが、道場だろうが。」
「そ、そうなのか?」
「そうよ。それに、お金ないんだからそんな遠出しなくても、もういっそのことあかねの部屋でずーっと一緒にいた   ら?どうせ何処いってもする事一緒なんだし…」
「な、何いってやがる!お、俺達は別に…」
「あら、そうなの?あたしはてっきり二人はもう…あら?」(乱馬の話を全く聞かず、パラパラと机の上の本をめく
  っていたが、なぜかふとその手を止めて、一枚の写真を取り出す。)
  何かしら、この写真?」(そういってわざとらしく乱馬の前に写真を置く。)
「でえ!?(慌ててその写真をなびきから奪い取る。)こ、これ、俺の誕生日の夜の写真じゃねえか!!!
  てめえ、また性懲りもなく覗いてやがったな!?」
「あらあ?何のことかしら。私はただ、乱馬君とあかねの楽しそうな姿がたまたまそこにあったから、美しい青春  のメモリーを刻んでおこうとしてついついシャッターを切っただけよ。」
「なーにがたまたまだ!どう考えてもこのアングル、当たりをつけてカメラを仕掛けたとしか思えねえアング  ルじゃねえか!!!…だいたいなあ、こんな写真をとられてることをあかねに知られると、あいつは警戒しちまっ て、余計にガードが固くなって(ぶつぶつぶつ…)」
「へえ、そうなの。それじゃあ、あたしが撮影してあげた乱馬君とあかねのメモリーをあかねに見せてあげる事は   出来ないんだ?せっかく見せてあげようと思って…ほら。」(そういって、その写真を加工したパネルのような  ものを見せる)
「な、な、何作ってんだてめえは!!!」
「ほら、折角の記念だし。あかねに見せてあげたかったなあ…(チラっと乱馬のほうを見る。)」
「…いくらだ、それ。」
「あら?乱馬君、もしかしてコレを買おうとしているの?」(意外そうに装う)
「白々しいヤツ…」
「そんなに言うのなら、仕方ないから売ってあげるけど。…1枚2500円。」(そういって笑顔で手を出す。)
「高ッ!…おい、もちろんネガも付いてんだろうな!?(そういいながらもしぶしぶ財布からお金を出す。)」
「もちろん。悪いわねえ。でも乱馬君がこんなにあかねとのメモリーを大切にしてくれるなんて思わなかったわ。」
「…よく言うぜ。」
「ま、とにかく。(乱馬から受け取ったお金を金庫にしまいながら)デートに誘う場所なんて、そんなこだわらなくたっ  ていいってことよ。」
「それじゃ全然カウンセリングになってね-じゃねーかよ。やっぱりあの外の看板は詐欺だった…。何か俺、ゆす られ損だぜ。(ため息をつく)」
「あら。詐欺だ何て人聞きが悪いわ。乱馬君がどうしてもその思い出を欲しいって言うから仕方なくあたし  が売ってあげたんでしょう?やあねえ。
  それに、あたしの所にカウンセリングに来たから、そんな素敵な「メモリー」を手に入れられたんでしょうが。」
「…。俺、帰る。」(そういって、げっそりしながら部屋を出て行こうとする。)
「頑張ってねー。(乱馬の後姿に手を振りながら、わざとらしく机の上の本を2・3冊床に落として中に挟んであった  写真をわざとらしく床に散りばめ、)
  …・あら?こんなところにも、乱馬君とあかねの新しいメモリーが…
「…・いくらだー!?」





ふう、今日もまた、道に迷えるカモ…いえ、子羊ちゃんを救ってしまったわ。
乱馬君たら奥手のフリして意外と、ねえ。あんな写真にとられるほど…おっと、これ以上は秘密ね。一応ここ、カウンセリングルームだし。
それにしても、仲良しさんなのねえ、あの二人。誕生日のプレゼントのお礼に、デートですって。
こりゃ近いうちにまた別の「メモリー」を作ってあげる事が出来るかしら?
あんなに乱馬君が欲しがってくれるなら、全身全霊をこめてまた作ってあげるわよ。「メモリー」をね!
さ、二人がデートに行く日をちゃんとリサーチしとかなきゃ。




さーて。カルテを書いて、私もそろそろ帰ろうかしら♪


本日のカルテ
名前
早乙女 乱馬
年齢
16
特徴
許婚一人。恋愛に関しては奥手…のはずが。
相談内容
許婚をデートに誘いたいが、いい場所はないか?
カウンセラーからのアドバイス
二人でいれば、どこでもOK。愛さえあれば、LOVE is OK。
いつでもどこでも二人の世界は作れるでしょう。
アドバイス料
「どうしても」というので、仕方なく受け取りました。
2500円+α。
あくまでも、相談者が「どうしても」というので、仕方なく。
部屋を出るとき涙を浮かべてたのは、私に対しての感謝の
気持ちで感激しちゃってたのかしら?



またのご来室をお待ちしているわ。それじゃ。