天道なびきお悩み相談室M
| あーら、皆さんこんにちは。 |
私はこの相談室のカウンセラー、天道なびきよ。よろしくね。
先月は、ちょうどクリスマスだったのよね。
私は「天道なびきお悩み相談室 鬼怒川分室」のほうに出張だったから留守にしてしまっていたの。ごめんなさいね。
そして、ちょうど同じ日に乱馬君とあかねも鬼怒川にいたみたい。
偶然て、本当に恐ろしいわね。
さて。もう大分通ってくれている人もいるみたいだけれど、一応ここの説明をするわね。 |
| この相談室には、人生に迷った可哀相な人たちがアドバイスを求めて手紙をくれたりやってきたりするのよ。 |
| あたしからのアドバイス料は…そうね、その人の感謝の気持ちに任せているの。強制してお金は取るつもりないの |
| よ。 |
| そう、決して相談が終わった後、払った料金が少ないからといって、隠し撮りした写真や焼き増しした恥ずかしいラブ |
| レターなんかをちらつかせてお金をきっちり取るなんて事はないから安心してね。 |
| でも、何でかわからないけど皆、充分過ぎるほどお金を置いていってくれるのよね。不思議だわ。 |

さて、今日も誰か、道に迷ったカモ…いえ、子羊はいないかしら。
あら?あれは… |
(相談室のドアを開けた瞬間、なびきの目に止まる人物。)
あかね:「さ、図書室にも寄って本も返したし、そろそろ帰ろうかな。」
男子生徒:「あ、あかねさん…あの…」(低姿勢の上に声が小さい)
あかね:「乱馬の奴、あたしの事置いてさっさと帰っちゃったかしら。結構薄情だからなー、アイツ。」
男子生徒:「あかねさん、よ、よかったら明日の土曜日で、デートを…」(しかし更に声が小さい)
あかね:「…。」
あかね、不意に男子生徒のほうを振り返る。
男子生徒、自分の事に気が付いてくれたのかと一瞬表情を輝かせるが、
あかね:「あ!そうだ!職員室に行かなきゃいけなかったんだ!」
ぶぎゅるっ…
あかね、男子生徒の存在に一向に気がつかない踏みつけた挙げ句、走り去っていく。
男子生徒:「あ、あああ〜…ま、待て〜…」
男子生徒、慌ててあかねを呼ぶが、あかね、猛スピードで廊下を走り抜けていく。
男子生徒、あかねを追いかけようとするもそのスピードについていけず、相談室の前でへたり込む。
男子生徒:「あああああ…・」
(なびき、それを一部始終見守っている)
なびき:「まあ、何て可哀相なのかしら。」
可哀想といいながらも、にやりと笑うなびき。
そして、
なびき:「そんなところで座り込んでないで。中に入らない?
もしかしたら、ありがたいお話が聞けるかもよ?五寸釘君。」

五寸釘:「…。」
五寸釘、一瞬なびきを見つめ迷った素振を見せるが、なびきの懐からちらりと見え隠れしているあかねの写真
が気になり、結局相談室の中へと入っていく。
−ここからは相談者のプライバシー…というか名誉の為に、音声のみでお楽しみください−
(以下、なびき→な、五寸釘→五で表示します)
五:「あの…ありがたいお話とは…。」(五寸釘、震えるような小さな声でなびきに尋ねる。)
な:「五寸釘君は、あかねのことが好きなの?」(そんな五寸釘に対して、なびきストレートに質問)
五:「…。」(五寸釘、モジモジと照れながら、懐に忍ばせていた藁人形(小)をいじる)
な:「…あ、そう。だったら、いいものを見せてあげるわ。」
(なびき、いささか苦笑いをしつつも、机の中から一冊のファイルを取り出す。)
五:「あの、それは…?」
な:「これはね、天道なびきお悩み相談室鬼怒川分室から送られてきた、
鬼怒川に出没したラブラブカップルの写真なの。」
五:「は?」
な:「今の五寸釘君には、なんだかこう、パワーが感じられないのよ。
だから、さっきみたいにあかねに話し掛けても気がついてもらえないのよ。
あかねははね、ただでさえ人一倍鈍いんだから。」
(なびき、そこまで言ってゴホンと咳払いをして)
な:「だからね、他人の幸せを貰って、自分も幸せにならないとダメよ。」
五:「はあ…?」
な:「このファイルにファイリングしてある写真に写っている、鬼怒川にいたカップルはね、
そりゃーもう毎日毎日イチャイチャしててねー…
端から見ていると、呆れるくらいの仲良しさんなのよ。」
五:「あ、あの…鬼怒川で、毎日イチャイチャしているのを何故知っているんですか…?」
(五寸釘、なびきの言葉に素朴な疑問をもつが)
な:「あら?何か気になる事でも?」
(なびきが笑顔だけれど異様な雰囲気のまま五寸釘を見るので、)
五:「ま、全くありません…」(五寸釘、嫌な汗を掻きながらなびきに答える。)
な:「そうでしょう?やあね、五寸釘君たら。」(なびき、にっこりと微笑む。そして、)
な:「今あたしの手元には、このラブラブカップルの写真が五枚ほどあるのよ。…あら?」
(なびき、そういってわざとファイルをバサバサと床に落として、あるものを拾い上げる。)
な:「まあ何故かしら。こんな所に『恋愛支援パワー補填お守り価格\2000』が。」
五:「恋愛支援…?」(反応する五寸釘に、)」
な:「あら?五寸釘君興味があるの?」(なびき、わざと五寸釘の前にそのお守り(と称した封筒)を置き、
な:「鬼怒川分室で作ったお守りを、こっちでも販売しようと思って持ってきたのが偶然ここに。」
五:「偶然…」
な:「ええ、偶然。これは、恋愛にイマイチ勇気をもてない人のために作ったものなのよ。
この封筒の中には、鬼怒川に現れたラブラブカップルの写真が入っているの。
封筒をあけて直接その写真を見ると、恋愛に免疫のない人には刺激が強すぎるから、
封筒も厚手に作ってあるの」
五:「はあ…。」
な:「きっとこのお守りは、五寸釘君のような人のために誕生したのよね。
このカップルの幸せそうな雰囲気というかパワーというか。
それがきっと、五寸釘君の恋愛を動かしてくれるわよ?」
五:「…。」(五寸釘がそのお守りを手に取ろうかどうしようか迷っていると、)
な:「あーあ。こうして恋愛に縁がない人は、運勢を変えるチャンスを自ら棒に振るんだわ。
そりゃ乱馬君にはかなわないわねえ。」
(なびき、五寸釘にわざと聞こえるような声でそう呟いてため息をつく。
すると五寸釘、勢い良く机の上にかなづちで釘を打ち付ける。その釘の先をよく見ると、二千円札が。)
な:「あら。五寸釘君たら…自らの意思でお守りを購入しようとしてくれるだなんて。」
(なびき、わざとらしく涙を拭う素振をして、二千円札を金庫へとしまう。)
五:「…これで運勢が…。」
な:「そうよ。持っているときっと、そのカップルの幸せパワーが五寸釘君にも伝わってくるはずよ。」
五:「あの…もしもこの封筒を開けてしまった時は…そんなに刺激が強いんですか…。」
(五寸釘、やはり気になるらしく封筒の端を空けて中を覗こうとするも、)
な:「刺激が強いと思うわよ。」
五:「気になるなあ…」
な:「そんなに気になるのなら、そうね…あら?」
(なびき、再びそういいながらファイルを床へ落とす。そして、もう一枚小さな封筒を拾い上げ、)
な:「こんな所に、『ラブラブカップル免疫対策プロマイド3枚組\2000が…」
五:「あの、それは…?」
な:「まあ、興味があるの五寸釘君。」(なびき、わざとらしい素振でそう言うと、
な:「これは、ラブラブカップルに対して免疫がなかったり、
幸せなカップルを見るに耐えられない人のために作られたお守りなのよ。
これを見て免疫をつけてから、お守りをあければ多少は衝撃は和らぐわ。」
五:「はあ。」
な:「きっとこれがあったら、その封筒の中身を見ても平気でしょうね。」
五:「でも、お金が必要なんですよね。だったらこのお守りの中身を見なければ済む事だし…」
(五寸釘そういって席を立とうとするも、
な:「あーあ。やっぱ恋愛に縁がない人は、運勢を変えるチャンスを自ら棒に振るんだわ。
そりゃ、乱馬君みたいに狼にはなりきれないわよねえ。」
(なびき、再び五寸釘にわざと聞こえるような声でそう呟いてため息をつく。
すると五寸釘、勢い良く机の上にかなづちで釘を打ち付ける。その釘の先をよく見ると、二千円札が。)
な:「あら。五寸釘君たら…また自らの意思で付属品まで購入しようとしてくれるだなんて。
五寸釘君の恋愛、これから先に幸あれ!」
(なびき、わざとらしく涙を拭う素振をして、二千円札を金庫へとしまう。)
五:「…。」
(五寸釘、お守りの封筒と付属品の封筒をしっかりと胸に抱き、なびきに一礼をして相談室を出て行く。)

ふー。
それにしても五寸釘君、なんとういか本当にパワーが足りない子ね。
乱馬君の狼っぷりと足して二で割ったくらいがもしかしたらノーマルなのかしらね。
え?あのお守り封筒の中身について知りたい?
やあねえ、そんなの決まってんじゃない。あれは、クリスマスの時鬼怒川で、
いちゃいちゃベタベタしていた乱馬君とあかねをこっそりと撮った写真よ。
普段見慣れているあたしでさえ、首筋がなんだか痒くなってくるバカップルぶりよ?
そんなの五寸釘君が見たら、倒れちゃうかもしれないでしょ?
だから免疫…のタメに、家でいつもどおりくっついて仲良くしている二人の写真を3枚ほど入れておいたんだけど。
持ってるだけで、何だか幸せになれそうな写真て感じだし。
ほらよく、幸せなものは幸せを引き込むっていでしょ・
それに。
例え写真を見てしまったとしても、あんならぶっぷりを見せられたら五寸釘君だっていー加減諦めもつくってもんでしょ。
そしたら次の恋愛に踏み出せるかもしれないしー?恋愛なんて、どこでどう転ぶか分からないものだしね。
あらやだ、あたしったらなんて親切なのかしら。そして哲学的ね。知的だわ。
でもタダ一つ、はっきりしてる事といったら…そうね。五寸釘君の乱馬君に対する対抗心というか嫉妬心というか。
それだけは確実に燃え上がりそうねー。
若いっていいわねえ、情熱的で。
それにしてもあかね、罪な女ねー、あの子も。
| さーて。カルテを書いて、私もそろそろ帰ろうかしら♪ |
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本日のカルテ
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名前
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五寸釘 光
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年齢
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16
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特徴
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あかねのクラスメート。
あかねに片思い中だけれど、一向に気がついてもらえない。
少し根暗なのが、心配な所。
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相談内容
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恋愛の運勢を変えたい |
| カウンセラーからのアドバイス |
刺激の強いお守りと、免疫をつける付属品でLet's try |
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カウンセリング料金
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乱馬君と足して二で割ったぐらいがちょうどいいのかもね。
五寸釘君、そのお守りでパワーを貰ってとりあえず頑張ってね。
でもね…
一途な愛は一歩間違えるとストーカーに変る
場合もあるのでご注意を。 |
またのご来室をお待ちしているわ。それじゃ。
天道なびきお悩み相談室Nへつづく
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