天道なびきお悩み相談室L
| あーら、皆さんこんにちは。 |
私はこの相談室のカウンセラー、天道なびきよ。よろしくね。
先月は、学園祭シーズンにうちの相談室も乗ってみたんだけど。
今月からまた通常どおりの運営を始めるから宜しくね。
あそうそう、まずはこの相談室についての説明だけど。 |
| この相談室には、人生に迷った可哀相な人たちがアドバイスを求めて手紙をくれたりやってきたりするのよ。 |
| あたしからのアドバイス料は…そうね、その人の感謝の気持ちに任せているの。強制してお金は取るつもりないの |
| よ。 |
| そう、決して相談が終わった後、払った料金が少ないからといって、隠し撮りした写真や焼き増しした恥ずかしいラブ |
| レターなんかをちらつかせてお金をきっちり取るなんて事はないから安心してね。 |
| でも、何でかわからないけど皆、充分過ぎるほどお金を置いていってくれるのよね。不思議だわ。 |

さて、今日も誰か、道に迷ったカモ…いえ、子羊はいないかしら。
あら?あれは… |
(なびきの目に、廊下を歩いていく一人の男子生徒が。)
「うーむ、天道あかねかお下げの女か…僕はどちらの気持ちに答えてやればよいのだっ」
男子生徒、一人でブツブツと呟いては、
「清楚可憐なあかね君と、健康美溢れるお下げの女…ああ、どちらも捨てがたいー!!!」
と、時折叫ぶ。
廊下をすれ違うほかの生徒たちは、男子生徒を避けて通ってはヒソヒソと小声で囁きあっている。
「まあ、あれは…」
なびき、その男子生徒に向って、笑顔でヒラヒラと手を振る。
男子生徒、なびきの目の前まで歩いてきて立ち止まる。

「何だ、天道なびきではないか。」
「はーい、九能ちゃん。相変わらずの変態ぶ…いえ、ご様子のようで。今日はどうしたの?部活は?」
「部活など、行ってる場合ではないのだ。」
「はあ?」
「僕には今、大きな悩みがある。それを解決できるまで、剣の道さえも僕には歩んでいく事が出来ぬのだっ」
「…。」
なびき、その言葉を聞いて、無言で相談室の部屋のプレートを指差す。
「何々…天道なびきお悩み相談室…なにい!?ここは貴様のっ…」
「そうよ、九能ちゃん、よかったら私が九能ちゃんの悩み、聞いてあげるわ。」
「天道なびき、お前時々言い奴だな。」
「時々は余計よ。さ、どうぞ。」
感動する九能を、なびき、怪しい笑みを浮かべて部屋の中に招き入れる。
−ここからは相談者のプライバシー…というか名誉の為に、音声のみでお楽しみください−
(以下、なびき→な、九能→九で表示します)
な:ところで、九能ちゃん。
九:何だ。
な:悩みってなあに?
九:うむ…
(九能、深刻そうに頷いて、剣道着の胸元から5枚の写真を取り出す)
な:あら、これは私が今朝九能ちゃんに5枚1組3000円で売りつけた、あかねのプロマイドじゃないの。
九:そうだ。この写真に写っているあかね君は、貴様の妹とは思えないほど可憐で、そして愛らしく、そして魅力的だ。
(九能そう言って、あかねの写真を見つめては、嬉しそうな顔をする。)
な:…まさかその写真が、乱馬君とのデート中のあかねを盗み撮りしたとはいえないわね。
九:なんか言ったか?
な:別に。で?その写真がどうしたの。
九:…。
(九能、また深刻な顔で頷くと、また剣道着の懐から5枚の写真を取り出す。)
な:あら、これは私がお昼に九能ちゃんに、5枚1組3000円で売りつけた、女らんまくん
…おっと、おさげの女のセクシーショットじゃないの。
九:そうだ。見よ、この無防備さをっ。健康美溢れる、素晴らしい写真じゃないかっ。
(九能そう言って、ブルブルと震える手で写真を握り、ため息をつく。)
な:…居間でタンクトップ姿で昼寝しているらんま君を盗み撮りしただけなんだけど。
まさかこれが、男乱馬君と同一人物だって知ったら、九能ちゃんきっと立ち直れないわねえ。
九:なんか言ったか?
な:別に。…で?このあかねとらんま…おっと、お下げの女の写真がどうしたのよ。
九:うむ。このタイプの違う二人の美少女…一体僕は、どちらの気持ちに答えてやればよいのかと思ってな。
先ほどから頭を悩ませているのだ。
な:…はい?
九:あかね君を選べば、お下げの女が悲しむ。お下げの女を選べば、あかね君が悲しむ。
ああ、心優しい僕は、どちらか一人だけを選ぶ事などできぬのだ!!
(九能、そう言って頭を抱えてしまうが)
な:九能ちゃん?
九:なんだ。
な:あの二人は別に、九能ちゃんに選ばれたいとは思ってないと思うんだけど。
九:何を言う!分かる。僕には分かるのだっ。二人の切ない気持ちがっ。
な:よく言うわよ、二股かけてるくせに。
九:違う!それは違うぞ、天道なびき。
な:何が?
九:僕が抱いているこの心…
両方と要領よく付き合いたいと思う真心に、偽りなど決してないのだ!
な:…だからそれを、二股って言うんでしょうが。ったく、良牙君と同じじゃないの。
(なびき、はあ…とため息をつくと、)
な:じゃあ、九能ちゃん。こうしましょう。
九:な、なにがだ。
な:今からあたしが、九能ちゃんにある「テスト」をするわ。それに九能ちゃんが耐えることが出来れば…
九能ちゃんの気持ちが、あかねかお下げの女か…どちらかにあるかわかるわよ?
九:何い!?それはホンとか、天道なびき!
な:ええ。
(なびき、またもや怪しい笑顔で笑うと、2枚の写真を九能の目の前に差し出す)
九:うぐ!!
(九能、妙な声を出してワナワナと震えだす。
目の前には、お下げの女の風呂上り…トップレス姿で牛乳を飲んでいる写真と、そして…)
な:ほら、どうしたの?九能ちゃん。
九:て、て、天道なびきっ!貴様、こ、こ、こ、こんな写真をどうやって!!
(九能、真赤になりながらもう一枚の写真を指差す。
もう一枚の写真…
ベッドの上で服を着ているものの、恥じらいの表情でカメラ目線で仰向けに寝転んでいるあかね。)
な:あかねの部屋のベッドの部分の天井に、偶然設置されたカメラがね、捕らえていたわけよ。
何か要因があって、あかねはこんな格好でベッドに仰向けにされた…いえ、なったんじゃないのかしら?
(なびきそう言って、2枚の写真をテーブルの上に置く。)
九:あ、あ、あかね君のこの表情っ…
(九能、あかねの写真に釘付けになる。その一方では、片手でお下げの女の写真を離さない)
な:さあ、九能ちゃん、テストよ。
九:テスト?
な:そう。九能ちゃんには、この写真、どちらか一枚しか渡す事が出来ないの。
九:な、何故だ!!!
な:だから、テストだって言ってんでしょ。さあ、どっちを取る?
取った方の女の子を、九能ちゃんが選んだって事にすればいいじゃない。あらら、単純明快ねえ。
(なびきそう言って、笑顔で九能に写真を突きつける。)
九:な、なんと言う事だ…
(九能、今にも血管が切れそうなくらい真剣な眼差しで2枚の写真を見比べるも、)
九:…ない。
な:は?
九:選べないっ!僕にはっ…僕には選べないのだー!!
(やがて、大声でそう叫ぶと2枚の写真を引ったくってほお擦りを始める)
な:…変態。いえ、それじゃあ九能ちゃん、答えは出ないでしょ?それともなあに?やっぱり二股で行くわけ?
九:ふ、二股とは言葉が悪い。
な:そうかしら。それじゃあ、このテストは意味がなかったって事ね。
(なびき、九能の手から写真を引ったくり返す。)
九:おい、天道なびき。
な:なあに?九能ちゃん。
九:その写真…どうするのだ?
な:そうねえ、この写真・・とくにあかねの方?あたしの顧客で、たぶんこの写真を高値で欲しがる人物が居るのよ。
だからその人に見せてあげようかなと思って。
九:何!?ゆ、許さん!それは許さんぞっ!
な:許さんっていったって。じゃあ、どうしたいの?九能ちゃん。まさか、九能ちゃんまで買い取りたいだなんて…?
(なびき、わざとらしく九能に尋ねる)
九:いくらだ!?いくらでそれを売るつもりだ!
な:九能ちゃんだったら、どのくらい出そうとする?
九:そ、そうだな…
(九能、そう言って三千円を差し出すが、なびき、ふっと横を向きながらため息をついて、)
な:そう…あかねのこの姿は、九能ちゃんにとっては三千円の価値って訳ね。
ああ、きっともう一人の顧客なら四千円は気前良く…
(とわざとらしくぼやく。九能、慌てて三千円を財布にしまい、今度は五千円札を差し出す)
九:五千円だ!それでその写真を僕に売るのだ!
な:まあ!九能ちゃんが、うちの妹にそんな高額のお金を!?
私が特に請求する事もないのに、こんな金額を…
(なびき、わざとらしく感動しながら、あかねの写真を九能に手渡す。そして、
な:あかねの写真は、九能ちゃんの善意の気持ちで五千円、と。
そしたら、このお下げの女の写真はどうするの?九能ちゃん。
九:うむ。
(九能、そう言ってやはり三千円を差し出すが、)
な:そう…あかねには五千円を差し出したのに、お下げの女には三千円なのね…九能ちゃんはきっと、
心の奥底ではあかねのことだけを深く思い…
(なびき、わざと九能に聴こえるようにそう言ってため息をつく)
九:…
(九能、慌てて三千円を財布にしまい、改めて五千円をなびきに差し出す。
な:まあ!九能ちゃんがお下げの女の子の写真にもこんな高額を!?
私が何も請求する事もないのに、善意で…ああ、九能ちゃんのこの気持ち、二人に届きますように。
(なびき、わざとそんな事を言いながら神に祈る素振を見せる)
九:ああ、天道あかね、おさげの女…
(九能、そんななびきを無視するように買い取った写真を両手に握り締め、幸せそうな顔で相談室を出て行く。
なびき、そんな九能にまた満面の笑みでひらひらと、手を振る。)

ふー。
九能ちゃんたら、ほんとにいつまでたっても相変わらずねえ。
どうして乱馬君=お下げの女って気が付かないのかしら。どう考えても、同じなんだけどねえ。
…と、それにしても。
九能ちゃんたら、あかねのあの写真、いたくお気に入りのようじゃない?
そうねえ、最近あかねは妙に色っぽくなってきたし。それにあの状況じゃあね。
あの写真、ホントは乱馬君に売りつけてやろうと思ったんだけど…
ま、九能ちゃんが買い取ってくれたからいいとするか。
それに、乱馬君は別にあの写真なんて手に入れなくても、
あの後、あかね自体を手に…・って、おっとここから先は、秘密ひみつ。
覗いてたのがばれたら、また乱馬君に怒られちゃうわ。
まあ?まさかあの写真のあかねの直ぐ傍に、あかねをそうやって押し倒した乱馬君がいた事なんて、
あたしが喋った所で九能ちゃんが信じるわけもないとは思うんだけど。
…九能ちゃん?
そろそろ現実を見ないと、これから先は生きてはいけないわよ?
| さーて。カルテを書いて、私もそろそろ帰ろうかしら♪ |
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本日のカルテ
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名前
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九能 帯刀
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年齢
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17歳
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特徴
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人呼んで、風林館高校の青い雷。
…らしいが、誰もそれを知らない。
剣道の腕は立つけれど、騙されやすい損な性格。
あかねと、らんま(女)に激しく片思い中。 |
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相談内容
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二股かけている女性を、どちらを選ぶか |
| カウンセラーからのアドバイス |
二人の写真を用意、どちらか一枚を選べといったのにも関わらず、
二人とも選んでしまった。
九能ちゃん?
両方と要領よく付き合いたいと思う真心に偽りはないってさ。
いわゆるそれが、二股というのです。
でもね、九能ちゃん。
残念だけど、らんまくんは元々は男の子だし、
あかねは、すでに乱馬君のものなのよ?
あら、おさげの女のこもあかねも。
心もカラダも、みーんな乱馬君の物なのねー。 |
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カウンセリング料金
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そんな可哀想な九能ちゃんに、善意で写真を見せたところ、
一枚五千円づつ出してくれました。
そんな高額で写真を買ってくれるなんて…九能ちゃん、何ていい人。
九能ちゃんがいつか事実を受け入れることができるようになる日まで、
あたしは九能ちゃんにこうして、たくさん写真を提供してあげるわ。
五千円×二でしめて一万円也。 |
またのご来室をお待ちしているわ。それじゃ。
天道なびきお悩み相談室Mへつづく
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