天道なびきお悩み相談室K
(学園祭シーズン特別編)
あーら、皆さんこんにちは。
私はこの相談室のカウンセラー、天道なびきよ。よろしくね。
初めに説明して置くけど、この相談室には、人生に迷った可哀相な人たちがアドバイスを求めて手紙をくれたり、やってきたりするのよ。
あたしからのアドバイス料は…そうね、その人の感謝の気持ちに任せているの。強制してお金は取るつもりない
よ。
そう、決して相談が終わった後、払った料金が少ないからといって、隠し撮りした写真焼き増しした恥ずかしいラブ
レターなんかをちらつかせてお金をきっちり取るなんて事はないから安心してね。
でも、何でかわからないけど皆、充分過ぎるほどお金を置いていってくれるのよね。不思議だわ。

さて、今日も誰か、道に迷ったカモ…いえ、子羊はいないかしら。
…て。
そうだわ。今日は、明後日から始まる学園祭の手伝いで、校舎内で暇そうにしている人間なんて居ないんだっけ。
しょうがないわね、それじゃあカモ…いえ、人生に迷える子羊を掴まえられる可能性も少ない事だし、
今日は、この相談室に寄せられた「悩み相談ハガキ」にでも答えてあげようかしら。
学園祭シーズンの特別バージョンてやつね。
どれどれ…?


(なびきそう言って、往復ハガキがたまっている箱の中から無造作に1枚、はがきを取り出す)




「えーと…なになに…」





相談@
悩み相談があるので聴いてください。
私は高校生の女の子で、P・N:特技は瓦割り  といいます。
私には彼氏というか、親が決めた許婚がいますが、相談はその彼の事です。
彼の事は凄く大好きなのですが、この彼、すぐに私に襲い掛かってくるので大変です。
人前では奥手なような顔をしていますが、二人きりになると、すぐに襲い掛かってきます。
私の事を大切にしてくれるんですが、このままでは身が持ちません
どうにかしてください。





「ほー。どっかで聴いた事あるような悩みね。」
(なびき、そう言ってふっと笑うと、そのはがきの返信欄にペンを走らせ、)




P・N:特技は瓦割り さんへ。
相談してくれてありがとう。相談室のお姉さんです。
私から出来るアドバイスは…・諦めてくださいです。
貴方のは、間違いなく狼少年です。
許婚として、狼少年を満足させるように犠牲…おっと、すでに捧げているように、
これからも身も心も捧げてあげてください。それもまた、人生なり。
なお、そんな二人のメモリー写真に収めたい場合はまたご一報ください。
パネル大のお写真、いつでも低価格でご用意できるかと思います。』
(と書く)



「まあ、あたしったらなんて的確なアドバイスなんでしょう。名カウンセラーだわ。」
(なびき、しれっとした顔でそう言うと、再び箱に手を入れてはがきを取り出す)





「さーて、次のおハガキはっと…。あら、やけに達筆な字だ事…」






相談A
相談室の方、こんにちは。僕は、P・N:永遠の迷い子、16歳の青年です。
前から心に決めた女性が居るのですが、
少し前より出逢った可愛い女の子と文通をしているうちに、その子の事も気になり始めてしまいました。
その子は僕の事をとてもよく思ってくれていて、僕の全て受け入れてくれています。
ですが、僕はどうしても心に決めていた女性の事も諦めきれないのです。
その女性にはろくでもない許婚が居て、彼女はその許婚の事が好きなようです。
許婚の野郎も、泣かせてばっかりいるくせに、彼女の事は好きみたいです。
その気持ちを知っているのですが、僕はどうしても…決められません。
ああ、好きだ好きだ好きだーっ!!…あかねさん。





「…名前、出ちゃってんじゃん。」
(なびき、ふっと意味ありげに笑って見せると、先程のようにハガキの返信欄にペンを走らせる)




P・N:永遠の迷い子くんへ。
相談してくれてありがとう。私は相談室のカウンセラーです。
まず私から貴方に出来るアドバイスとしては…そうね、そういうのを、世間一般では二股というということね。
忘れられない”あかねさん”の事…
もう一人の文通相手知られたくなかったら今すぐここへいらっしゃい
個別に色々と相談にのってあげるわ。このおハガキだけでは、お返事しきれないから。
もしろん、相談料は無料よ。その他は、貴方の気持ちにまかせるわ。良牙く…』
(最後に良牙の名前を書きかけて)



「あらいやだ。これ、P・N:永遠の迷い子さんへの返信なのに。
あたしとしたら、どうして良牙君、だなんて書こうとしたのかしら。」
(なびき、慌てて修正液で名前を消してハガキを置く。そして、)
思春期ゆえの悩みというのかしら…二股は、ばれないうちが花というものだわ。」
(意味ありげに笑うと、最後にもう一枚、箱からはがきを取り出す)








「どれどれ、最後のおハガキは?」


相談B
俺は、16歳のP・N:悩める格闘家です。
相談というのは、彼女の姉の事です。
彼女の家に家族で居候をしている以上、もちろんその家族とも一緒に暮らしているわけですが、
その中の、彼女の姉の事で悩んでいます。
彼女と二人でいる時、事あるごとにその姉にそのシーンを盗み撮り等され、
挙げ句の果てにそれを高値で売りつけられます。
しかも、彼女ではなく俺に売りつけてくるところが策士というか。
その姉は、彼女がそんなシーンを取られている事を知ったら、俺とべたべたしなくなるという事を分かっていてそうする
ようです。
どうにかしてください…というより、てめー、いいかげんにしろっ!





「ほー…随分具体的な悩みだこと。」
(なびき、にやりと笑いながら再びハガキの返信欄にペンを走らせる)





P・N:悩める格闘家さんへ
ハガキをどうもありがとう。あんた、覚悟しておきなさいよ?…おっと違いますね、
何やら特徴のある義理のお姉さんがいて、大変なご様子ですね。
私からのアドバイス…そうね、特には思いつかないけど、やっぱりあんたも諦めなさい
そんなにあんたがいうのなら、じゃあ、ターゲットはあんたじゃなくて我が可愛い妹にしようかしら。
困る、というのなら我慢しなさいねー、いい子だから
その分、いろんな愛のメモリーを手に入れられるだけ幸せでしょ?
美しい思い出は時にはお金でしか買えないのよ?
よーく覚えておきましょうね…乱馬くん?
(なびき、そこまで書いてふとペンを止める)




「あらやだわ、あたしったら。うっかり名前を書いてしまった。
 んー・・まあでもいっか、このままで。どうせ乱馬君だし。その方が、この手紙の力も増すってモンよね。」
(なびきそう言って、それまで書いた3枚のハガキを持ち、席を立つ)







さーて。悩める3匹の子羊も救ってあげた事だし、そろそろあたしも帰ろうかしら。
あー、人助けをした後は気分がいいわ。
せっかくだから、学園祭の準備で出店でも出しているクラスから、何か買って帰ろうかしら?
え?自分のお金でそれを買うのか?珍しい、ですって?
ふふ、ご冗談を。
もちろんただでそれを貰ってこようとは思わないけど、でもそのお金。
今朝、乱馬君へネガを売り飛ばした利益の一
部だから。
消費税をとったばっかりに、小銭が発生しちゃったのよねー。その小銭を使うだけだし、だから全然あたしは痛くも痒く
もないのよ、ふふ。





またのご来室をお待ちしているわ。それじゃ。


天道なびきお悩み相談室Lへつづく