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キスにまつわるエトセトラAどんな味?

「あ、この飴おいしー…」

とある日の、夕方。
人もまばらになった、夕暮れ時の帰り道。

夕飯前ということもあり、何だか口寂しくなったあたしは、 たまたま友だちのさゆりから飴をもらったことを思い出し、ひょいと自分の口の中に入れた。
その飴は、さゆり曰く「今年に入って一番のヒット」商品らしく、とにかく食べてみて、と昼間おすそ分けをしてくれたものだった。
飴の種類自体は、よくあるイチゴ味のものなのだけど、
実際食べてみると、予想以上の甘さというかフルーティな味わい。
なので、あたしは思わずそんな声を洩らしてしまった。
そんなあたしの声を聞いて、
「俺にもくれよ」
いつのまに、何か食べているんだよ。夕飯前でお腹を空かせた乱馬が、そんな表情を浮かべながらあたしに手を伸ばしてきた。
でも、
「もう食べちゃったわよ」
「なっ…はえーよ!」
飴は元々一個しかなかったし、あたしがそれを口に含んでいる以上、もう乱馬はその飴を食べる事は出来ない。
「ごめんねー」
あたしが手を合わせると、
「あーあ、喰いたかったなあ」
乱馬が妙に残念そうに呟く。
「…」
その顔があんまりにもしょげて見えたので、
「しょうがないわねー、じゃあ、ほら。おひとついかが?香りだけでも」
あたしはそんな乱馬に、ふっ…と飴を舐めているその息を吹きかけてやった。
すると乱馬は、
「香りだけじゃ、物足りねえよ」
そうやって息を吹きかけるために自分に近づいたあたしの身体を素早く掴まえると、
「どれどれ」
…そんな事を言いながら、あっという間にあたしに唇を重ねてしまった。
「んッ…」
ちょっと、ここ外なんですけど!?
人けがないとはいえ、誰かが見ていたらどうするの。 突然の事に驚いて、あたしがビクン、と身を竦めると、
「…」
乱馬はそんなあたしの身体をゆっくりと抱きしめながら、片手では優しくあたしの頭を撫でていた。
乱馬がすぐにやめないってことは、きっと周りに誰もいないからなんだろうな。
それには少しホッとするも、あたしは突然の出来事に思わず乱馬の腕の中で固まってしまった。
乱馬は、それをいいことにしばらくあたしに唇を重ねていた。そしてしばらくしてそっと唇を離すと、
「ホントだ。すげー甘い飴」
そんな事を言って、あたしの額にゴチン、と自分の額を当てた。
全く、油断も隙もない。あたしはさっそく小言を言ってやろうとするも、
「あ…」
口を開こうとしたその瞬間、あたしはあることに気が付いた。
そう。あたしは、キスされたことに驚いて…気づいた時には口に入れて舐めていた飴を飲み込んでしまっていた。
なんとも、身体に悪い。
いやそれよりも。
「あーあ。せっかく味わってたのにー」
キスされたことで驚いて、なんだか今まで舐めていた「甘い」飴の、甘さが頭からすぽっと抜けてしまっていた。
おいしいなあ、って思ってたはずなのに。今となっては、その甘さをよく思い出せない。
何だか、妙に損したような…複雑な気分だ。
あたしがそんなことを乱馬にそうぼやくと、
「俺、まださっきの飴の味覚えてるぜ?じゃあ教えてやるよ」
乱馬はそう言って、あたしの頬に軽く一度キスをしてから、また再びあたしに唇を重ねた。
どうやら乱馬にしてみると、飴をもらえないなら別の部分から糖分接種を試みようとしているようで、
更にそうするためのきっかけを、なんとかかんとか言いながら探していたみたい。あたしは、いいパスを与えてしまったのかもしれない。
乱馬は、今度は先ほどよりも長い時間、あたしに唇を重ねていた。
そして、しばらくしてからそっと、あたしから離れると、
「な?」
そう言って、いたずらっ子のような笑顔で笑った。
…本当は、そうやってキスしたところで、さっきの飴の味をはっきりと思い出せたわけでもないけど、
「うん」
新しく、違う甘さがあたしの唇に降りてくる。なんか、慣れてくればこっちの甘さの方が癖になるかも、なんて。
乱馬にキスされているうちに、あたしにも乱馬の思考が移っちゃったのかなあ?
それは乱馬には隠しつつも、あたしは笑顔で乱馬に頷いてみせた。

「飴、美味かったな」
「今度、あたしも買ってみようかな」
「そしたら、また俺に飴の味、教えてくれんだろ?」
「もー。自分で食べる努力しなさいよ」
「教えたいくせに」
「…ばーか」
…そんな会話を乱馬と交わしながら、あたし達は手を繋いで再び家への道を歩いて行った。。


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