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流れ星

「あ!見た見た!?今の!!流れ星だよ!」
…秋も深まってきた、ある夜。
ベランダで洗濯物を干しながらふと空を見上げたあたしは、一瞬だったけど、夜 空を素早く駆け抜けていった星を、見た。
「はあ?流れ星?」
そんなあたしの横でボーっと外を眺めてた乱馬が、かったるそうに空を見上げるけど、すでに星の姿など消えてしまっている。
「見間違えたんじゃねえか?飛行機のライトでもみたんじゃねえのか?」
…恐ろしく夢のないことをブツブツと呟いている乱馬に、
「絶対あれは、流れ星よ!」
あたしも何故か意固地になって言い返す。
「高校生にもなって、流れ星、ねえ」
乱馬は、半分馬鹿にしたような顔で、怒ってるあたしをみて笑った。
「…何よ、その笑いは」
あたしが、洗濯物を干し終えてむっとした表情で乱馬に突っかかっていくと、
「別にー」
乱馬は、何かいいたげな様子であたしを見ては、笑っている。
その笑いが、更にあたしの神経を逆なでするが、
「ふッ…いいのよ、別に。流れ星を馬鹿にした分だけ、乱馬はあたしより損する んだから」
あたしはそんな怒りを抑えつつ、誇らしげに乱馬に言ってやった。
「何で損なんだよ?」
乱馬は、あたしが何でそんなことを言い切ったのか分からない様子で首をかしげ ていたが、
「何でって…決まってるでしょ!流れ星が流れたとき、消える前に願い事を願 えばそれが叶うんだから!乱馬は、あたしよりも願いがかなう回数が少ないのよ!流れ星の分だけ」
あたしが胸を張ってそういったのを聞くと、
なぜか更に笑い出した。
…な、な、何よー!!
「ちょっと!何で笑ってるわけ!?」
あたしが乱馬の身体をボカボカと叩きながら叫ぶと、
「だーってさ。流れ星って、一瞬で消えるんだろ?お前、その一瞬で願い事なん て出来んのか?」
乱馬はそういって、ボカボカと自分を殴っているあたしの手首を掴んだ。
「じゃ、時間測っててやるから、何か願ってみな?」
そういった乱馬は、やけに楽しそう…だ。というか、完全にあたしをバカにしてい る目だ。
…むー、何か悔しいなッ。
よおし、一瞬で、願ってやろうじゃないの!
「しっかり時間、測っててよね!」
「おう」
「えーとね。…」
あたしは、ぎゅっと目を閉じた。
そして、グルグルと考える。


可愛くなりたい。おしとやかになりたい。女の子っぽくなりたい。…うーん、結構 あるな。
色気が欲しい。寸胴を克服したい。料理が上手くなりたい。凶暴じゃなくなりた い。…困った、どれにしよう。
…ん?
でも、ちょっと待って。
何か、あたしの願い事って…
・・・
「…やめた」
あたしは、閉じていた目をゆっくり開けて、ボソッとそう呟いた。
「何で?」
乱馬は、そんなあたしをおかしそうに見ている。
「…何でも」
あたしは、ちょっと口を尖がらせて、そっぽを向いた。


…だって。言えるわけないでしょうが。
一生懸命考えれば考えるほど、
あたしが思いつく願い事って…何だかいつも乱馬に言われている事を克服したいですっ て言わん ばかりのものばっ かなんだもん。
こんな事を口に出したら、
「ほー、お前そんなことを気にしてたのか?」
…なんて、乱馬の奴、更にあたしをからかうに決まってるわ。
そうなると、何かしゃくだわ。


「とにかく、もういーもん。乱馬にはもったいなさ過ぎて言えないわ」
あたしは、そんなことを言って何とかごまかそうとしたけれど、
逆にその言葉であたしが何を考えていたか、乱馬には分かってしまったようだった。
「そうだよな。そんだけたくさんあると、どれから叶えてもらうか迷うだろ?」
乱馬は、更におかしそうにあたしの頭をポンポンと叩きながらそういった。
…こ、こ、コイツ。人を完全に馬鹿にしくさって!!
ドカ!!
あたしはそんな乱馬を軽く殴り倒した。
「うるさい!!とにかく、次までには何か考えとくんだから!」
そして、床に沈んだ乱馬に向って叫んだ…ちょうどその時。


ヒュッ…


あたしの目の端に、上から一筋流れ落ちてくる光の「矢」が映った。
「あ…!また流れ星!!」
…大変!早く何か願わなくちゃ!
一瞬で消えちゃうんだから、早く、早く…!


あたしは、たった一瞬だったけど、必死で考えた。
そして…ある事を一つ、思いついた。


ツギノナガレボシヲミルトキモ、ランマトイッショニミレマスヨウニ



あたしがそう願った瞬間、光の「矢」は、夜空の彼方へと消えていった。
…あーあ。あたしのバカ。せっかくの流れ星だったのに。
あたしは、自分でそうやって願いを賭けときながらも、ため息をついてしまった。
「なんで、ため息ついてんだよ」
あたしに床に鎮められた乱馬が、よろよろと立ち上がりながらあたしに聞く。
「…別に」
あたしは、更にため息をつきながら答える。
乱馬は、そんなあたしの様子をしばらくは黙ってみていた。
そして、ため息をついては自分に対してブツブツと文句を呟いているあたしの耳元に口を 近づけ て…
「…しょうがねえから、次も一緒に見てやるよ」
と、そんなことを突然呟いた。
…へ!?
「な、な、な…」
…何で!?何であたしがさっき思ったことを…!?
あたしが目を白黒させていると、
「声、出てたぞ」
乱馬はそういって、にっと笑った。
そして、驚いて口をパクパクさせてしまってるあたしの頭をポン、と軽く一度たたくと、
「俺も今度なんか願ってみよーかな、流れ星。何かホントに願いが叶うみたいだし」
そういって、ベランダから出て行ってしまった。
一人取り残されたあたしは、恥ずかしいやら、驚いているやらで何だかちょっとドキドキし てしまって いる。
…もう、何であたしはあんな事を願っちゃったわけ!?
しかも、声に出してたなんて。
あー、何かくやしいな。
何だかコレじゃ、あたしの願う事は全て、乱馬に関係あるみたいじゃないッ。


…でも。
次も一緒に見てくれるって乱馬が言ってくれたって事は、一応あたしの願い事は叶ったって事…なのかな。


「・・・」
…今度はもっと、別の事をお願いしなくちゃ。
うん、もっと欲張りなお願い事を。
あたしは、再び空を見上げて、こっそりとそんなことを考えていた。


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