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「ね、ね、見てみて!これ、可愛いでしょッ」

とある、夜。
あたしは買ったばかりのマニキュアを塗ったその手を、あたしの部屋に本(漫画だけど)を読みに来ていた乱馬に向って差し出して見せた。
「可愛いって?手か?」
「手じゃないわよ。マニキュアよ。この冬の新色なんだって!ふふ、可愛いでしょ!?」
「新色って…ただのオレンジじゃねえのか?」
「ばかねー、去年のとは微妙に色合いが違うのよ」
あまり反応を示さない乱馬に、あたしが「この色と艶が…」なんて薀蓄を一生懸命説いてると、
「…」
乱馬がふと、そんなあたしの差し出した手を自分の方へ握って引き寄せた。
「何よ、ようやくちゃんと見る気になったの?」
あたしがエヘン、と誇らしげにそう言うと、
「そうじゃなくて」
乱馬はそんなことを言いながらマニキュアが塗られたあたしの手を取ったまま、じーっと観察している。
「な、何よ…」
あたしは、乱馬があまりにもじっとあたしの手を見ているので思わずたじろいでしまった。
「そりゃあたしは不器用だから、あんまり塗り方は上手くないかもしれないけどッ…」
あげく、自分で勝手に言い訳まで始めると、
「誰もそんなこといってねえだろ」
乱馬は呆れたようにそう言って、
「…よかった」
と、突然そんなことを呟いた。
「…何が?」
あたしが不思議に思って乱馬に尋ねると、
「いや…俺、そーゆー、女用の化粧品とかって良くわかんないから誤解してたんだけど」
「うん」
「マニキュアって、爪が短くても塗れるんだな」
乱馬はそう言って、あたしの手をようやく離した。
「当たり前でしょ。そりゃ、爪が長いほうが見栄えはするかもしれないけど、
でも爪を伸ばすのは好みの問題だから」
あたしは、「何を言い出すやら…」と乱馬にそう説明したんだけれど、
「ねえ?でも何でそんな事今更気にすんの?」
あたしは素朴な疑問を、乱馬に投げかけた。

…そうよね?
よく考えると、妙なこと考えるわよね?乱馬。
「爪が短くてもマニキュアが塗れるんだな」だなんて。
もしかして、あたしがマニキュアを塗った手を見せた時じっとあたしの手を握って見ていたのは、
あたしの爪が長いか短いかを見てたせい?

…でも、何でそんな事気にすんのかな…。
「乱馬、もしかして爪が長いの嫌いなの?」
…あたしがふと思ってそう尋ねると、
「嫌いというか…すげー痛いかな、と思って。多分」
乱馬はそう言って、あたしの顔をじっと見た。
「猫に顔を引っかかれるみたいに?」
あたし、引っ掻いたことないよね?と、ちょっとあたしが困ったような顔をすると、
「猫の痛さとはまた別だけど…なあ。やっぱすげー痛そう」
乱馬はそう言って、困ったままの顔をしているあたしにそっと抱きついた。
「あたしの爪は短いけど…きっと長くたって、乱馬が痛いって思うほど強く引っ掻いたりしないよ」
あたしも、そんな乱馬の背中にそっと手を回しながらそう答える。
そして、
「ね、ね?ほら」
抱きついている乱馬の背中を、洋服越しにわざと爪を立てて引っ掻いて見せた。
すると、
「そりゃあかねの爪、今は伸びてねえから痛くねえよ」
「そうでしょ?」
「でもさ。爪が伸びてないときでも…直に背中に爪を立てる時は別」
乱馬はそう言ってにっと笑って見せた。
「なッ…あたし、直に背中に爪なんて立てないもんッ」
あたしはそんな乱馬の言葉に一気に耳まで真っ赤になってあわわ…と言い訳を始めると、
「じゃあ、自分では無意識なんだなー…それだけ必死に抱きついてるというわけですか?あかねちゃんは」
乱馬は更に意地悪くそんなことを言うと、
「なッ…何いってんのあんたはッ…」
と、更にオロオロするあたしの耳元に唇をつけ、
「何なら今から試してみようか?あかねがどれだけ強く爪を立て…」
「試さなくていいわよッ」
「遠慮すんなよ」
「してないわよー!」
…でも、
あたしがそうやって叫ぼうが暴れ様が、そんなの、もう「試してみようぜ」と決めた乱馬にはどこ吹く風なんだ。


「ほれみろ。爪の痕、ついてんだろ?」
「…あれえ?」
「あれえ?じゃねえだろ。…ま、いいけどさ」

…数時間後の、あたしと乱馬のそんな会話。
どうやらあたしが爪を長く伸ばすのは、乱馬にとってはかなりの凶器になってしまうらしい…。


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