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正体不明の訪問者(なびき視点)

「お姉ちゃん・・・」

ある、秋だと言うのにまだまだ暑い日の午後。
妙に暗い表情をしたあかねが、あたしのところへとやってきた。
「何よ、子供でも出来たの?」
でもあんたの場合、カンパよりも出産を選択でしょうが・・・あかねが暗い原因なんて、それくらいしか思い浮かばない。
例え子供が出来たとしても、あかねは勿論の事、あの子作り意思120%の許婚殿が嫌がるはずがないのよね。
親だって認めているわけだし、となるとやっぱあれ?
「乱馬君の経済力の問題か。まあ、まだ若いんだし富を求めるのは酷だけど、多分あいつなら稼ぐ手段はたくさんあるし・・・」
あたしは、優しい姉振りを発揮するべくそんな事を呟いた。
すると、
「そうじゃないわよ!あのね、この家・・・呪われてるの」
「は?」
「この家、きっと幽霊が居るのっ・・・あたし、怖くて・・・」
あかねは暗い表情のまま、そんな事を叫んだ。
幽霊とかオカルトとか、そういうのが大の苦手なあかねには、かなり深刻な問題なのだろう。
でも、
「・・・あんた、物理的に考えて見なさいよ。この家に幽霊なんて居るわけないでしょ」
だいたい、呪われているって何?・・・そういう「非現実的」なことを一切信じないあたしが冷静に聞き返してみると、
「だって・・・超常現象がおきたのよ!?この家に何かあるとしか思えないわ!」
あかねはやけにヒステリックにそう叫び、頭を抱えている。
「・・・」
幽霊、とか呪い、とか超常現象とか全然信じられないんだけど、
あかねがこんなに怯えているのは放っておけないというか。仕方がないのであたしは話を聞いてやることにした。
「あのね・・・昨日の事なんだけど・・・。あたし、ちょっと腹立たしい事があって、一人で寝る事にしたの」
「乱馬君は一緒じゃなかったのね」
「うん。乱馬も納得して自分の部屋に帰ったの。だから、あたしは部屋に一人だったの。で、寝る時にあたしは、いつもお気に入りのパジャマを着て眠るの・・・」
ほら、これ・・・あかねは、部屋からわざわざ持ってきたのか、昨日も着用していたと思われるパジャマをあたしに差し出した。
あたしはとりあえずそのパジャマを受け取り、あっちこっち触ってみる。
が、勿論そのパジャマに異変などあるわけがない。
あたしはパジャマをあかねに返しながら、「それで?」と尋ねる。
「それでね・・・いつものようにあたしがベッドで眠って・・・それで今朝起きたらね・・・」
「今朝起きたら?」
「パジャマを着てなかったのよ!」
「・・・はい?」
「下着姿だけで・・・あたし布団の中に横たわってたの。パジャマは床に落ちててっ・・・しかも、布団を剥いで見ると何かが潜り込んだと言うか動いたと言うか・・・シーツに妙な痕跡があるのよ!」
これは、おばけの痕跡よ!・・・あかねが叫ぶ。
更に、
「枕だって、あたし寝相は悪くてもいつもはちゃんと、朝は枕をしているの!なのに今日は・・・部屋の隅に無造作に、投げられていたのよ!」
これは、ポルターガイストだわ!・・・あかねは更にそう叫ぶと、
「きっと、男の人の幽霊なのよ!それであたしの服を剥いでベッドの中を移動したんだわ!」
どうしよう、身体の中に何か妙なチップとか埋め込まれていたら・・・!?あかねはヒステリックにそんな事を叫んでいる。
もはやここまでくると、幽霊なのか宇宙人なのか呪いなのかがぐちゃぐちゃに混ざっている状態だ。
・・・というより、今までの話を聞いて状況を整理・・・してもしなくても、正体というか犯人は決まっている。
「あかね。あんたその話、乱馬君にしたの?」
あたしは、やれやれとため息をつきながらあかねにそう尋ねた。
「え・・・?だ、だって幽霊に下着姿にされたなんて乱馬になんて言えないよ・・・」
あかねはあたしの質問に対し、妙にしょんぼりとしながらそう呟く。
「あんたねー・・・今の話を総合すると、どう考えたってそれ、乱馬君の仕業でしょうが!」
あたしはそんなあかねに対し、半ば呆れながらもそう答えた。
「あんた、昨日の夜乱馬君と喧嘩でもしたの?だから一緒に寝なかったわけ?」
「え?ううん・・・そうじゃなくって、ちょっと中学時代の友達の事で腹を立ててたことがあって」
「乱馬君、素直に納得して昨日、部屋に一人で戻ったの?」
「え?あー・・・最初は駄々こねてたけど、その内急に素直になって」
「・・・でしょ?多分、素直に帰った振りして、夜中に忍び込んだのよ。まー、ご丁寧にパジャマまで脱がして、何をしていたのやら」
「なっ・・・」
「枕だって、乱馬君があんたに腕枕でもすりゃいらないじゃないの。あんたを起こさないようにって、枕を頬理投げたんじゃないの?」
「っ・・・」
「そんで、朝、あんたが起きる前にこそこそと出て行ったのよ。まー、知能犯だこと」
・・・そう、この幽霊騒動の犯人はどう考えたって、乱馬くんだ。いや、それ以外にありえないでしょ。
あの男、あかねが寝ているのをイイコトに素早くパジャマも脱がして、挙句の果てに擦り寄って眠っていたのね。
もしかしたら何か、したかもしれないし。
それで、あかねが起きるよりも前にこそこそと出て行ったのよ。
ったく、そんなにまでしてあかねと一緒に寝たいのかしら。
というか、
「あんた。眠りが深いにも程があるでしょうが。自分の身体に何かされたんだから、気が付きなさいよ」
あたしがやれやれとため息をつくと、
「そ、そ、そんなことっ・・・」
とか何とか。あかねはみるみる真っ赤な顔になって、トタトタと走り去ってしまった。
そりゃそうだ。自分が彼氏に何かされた事を人から聞かされたら恥ずかしいでしょうに。しかも自分で何があったのか言っちゃったし。
全く、とんだ幽霊忌憚だわ。

だいたい、この平和な天道家に本当に幽霊が居るとするならば、
狼少年に夜な夜な襲われつつも大人の階段を駆け足で上っていく愛娘を見守る、あたし達のお母さん、くらいでしょ?


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