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悪巧み

「それ、うまそう」


出先でたまたま買ったまま飲まなかった缶ジュースの事を思い出して、あたしが部屋で飲んでいると、あたしの部屋に遊びにきた乱馬がジュースを見るなりいきなりそう言った。
「いいよ、はい」
あたしが快く缶を差し出すと、乱馬は、
「サンキュ、」
といって缶を受け取るんだけれど…何故か、すぐに飲まない。
「何よ?飲まないの?」
あたしが乱馬から缶を再び奪い取ると、
「あ!分かった。間接キスしちゃうとか思ってるんでしょッ。そんなに気になるなら、拭こうか?」
そう言って、缶の縁を指で脱ぐおうとしたけれど、
「間接キスなんて気になんねえよ」
だって、いつも間接じゃなくてキスするだろーが、と、乱馬はそんなあたしの手から再び缶を奪い取ると、ゴキュッ…と一気にジュースを飲み干してしまった。
「じゃあ何ですぐ飲まなかったのよ?」
あたしがジュースを飲み終わった乱馬にそう尋ねると、
「んー?いやさ、缶を素直に渡されるより、”口移し”…とか言ってくれねえかな…なんて思って」
乱馬はそんなことを言いながら、はあ、とため息をつき、あたしに抱きついてくる。
「何を言い出すかと思えば」
「いいじゃねーか、別に」
「でも、残念ね、乱馬。あんた今全部飲んじゃったじゃない?あー、口移ししてあげたくてももう出来ないわね」
あたしはちょっといじけてる乱馬にそう意地悪く言ってやると、
「…」
乱馬は、ふと、あたしから離れた。
そして、ふいっ…とあたしに何も言わず、部屋から出て行ってしまった。
(…あら?珍しい。怒らせちゃったのかな?)
あたしがいやにあっさりと引き下がった乱馬を不思議に思っていると、
「…」
そうこうしているうちに乱馬が再び部屋に戻ってきた。
その手には、何故か…缶コーラを持っている。
しかも、五百ミリリットルとか書いてある。
いわゆるロング缶サイズって奴だ。

「…それは何?」
あたしがぶるぶる震える指で乱馬が持ってきた缶コーラを指差すと、
「何って、コーラじゃねえか。これがコーヒーに見えるか?」
「そうじゃなくて。何でそれをもってきたのかって聞いてンのよ」
しかも、どうしてロングサイズなの?あたしが怪訝に聞くと、
「だって、口移しで飲ませたくてもジュースが無いと出来ないってさっき言ってただろ?」
乱馬はさも当然かのようにそう呟くや否や、プシュッ…と缶のプルタブを持ち上げた。
そしてちゃっかりとあたしに抱きつき、「はい」と缶を渡す。
「いや…ハイっていわれても…」
あたしが缶を受け取ったままオロオロしていると、
「もー、しょうがねえ奴。いいか、口移しってのはな、こうやるんだぞ?」
乱馬はそういうが早いか、あたしの手から缶をさっと奪い取ると、素早く口に含んだ。
そして、オロオロしてるあたしの口に、素早く自分の唇を重ねてしまった。
「んッ…」
あたしはとっさの事で抵抗できなくて、驚いてしまったのだけれど、

……?
いつまでたっても、乱馬からコーラが口移しされては来なかった。
「…ちょっと。コーラはどうしたの?コーラは」
結局、キスされてから唇が離れるまで、コーラが一滴たりともあたしの口に伝わってくる事がなかったのであたしが尋ねると、
「わりー。口に入れた時点で飲んじまった」
乱馬は悪びれもせず、にっと笑ってそう言った。
「…ちょっと。それじゃ、あたしにキスする必要全くなかったんじゃないの?」
あたしがぼそっと呟くと、
「いいじゃねーか、別に。さ、次は飲み込まないようにしないとなー」
乱馬は更に悪びれもせずそんなことを言いながらコーラの缶に手を伸ばそうとするので、
「わかったわよッ。あたしがすればいいんでしょッ」
あたしは素早くその缶を奪い取ると、コクン、と一口コーラを口に含んだ。
そして、飲み込まないうちに…とさっそく乱馬の首筋に抱きつくけれど、
「…」
乱馬はそんなあたしの背中に、わざとツー…と指でなぞるようにして手を動かした。
「んん!?」
ゴクンッ…
その動きが非常にくすぐったく感じて、あたしは乱馬の口に運ぶ前に自分でコーラを飲み込んでしまった。
すると、そのあたしがコーラを飲み込んだのを確認してから、乱馬はあたしの背中をぎゅっと抱き寄せて、キスをする。

…図られた!

「ずるいわよ」
あたしが、唇をちょっとだけ離してそう呟くと、離した唇がそれでもかすかに触れ合うくらいの距離で、乱馬は
「飲み込んだのはあかねの勝手」
ちょっと意地悪い表情でそう呟き、そして、
「炭酸はゆっくり飲まねえとすぐに腹いっぱいになるからなあ…」
そんなことを言い出したかと思うと、またそのままあたしの唇を覆ってしまった。
一口飲んでは、その倍以上の時間をかけてインターバル。
そんなことをしていれば、缶を空けたての炭酸飲料だって、酸が抜けてしまう。
…案の定、ふと気がついたときには、ロング缶に入ったままの半分以上のコーラがただの「甘い水」のようになっていた。
「もったいない。乱馬のせいよ」
すっかり生ぬるくて、そして酸が抜けてしまったコーラの缶を指で弾きながらあたしがそういうと、
「しょーがねーな。じゃあ、今度はショートサイズのちっこいジュースにするかな」
乱馬は懲りずにそんなことを言いながら、わざとため息をつくフリなんてしている。
「懲りない奴…」
あたしは、「あかね、お前お茶系ならなんでも飲めるよな?」とか何とかいいながら、次に何の銘柄の缶を用意しようか真剣に悩んでいる乱馬の姿を見て、半ば呆れながらも、思わず笑ってしまった。



もう、 わざとらしいんだから。
お茶だろうがコーヒーだろうがジュースだろうが。
口移しする前に全部自分が飲み込んじゃうんだから、なんだって一緒じゃないの。
…ねえ?


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