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勝敗の行方

「あーあ…最近Pちゃんの姿見かけないなあ…。どこいっちゃったのかなあ」

…そろそろ寝るか、といういい時間帯になって、
懲りずに、俺がまたあかねの部屋へとやってきては、本人の了承も取らないうちにその布団の中にもぐりこんでいると、
あかねがそんな事をぼそっと呟きながらため息をついた。
「俺がP助の代わりになってやる」
俺がそんな事を言いながら、すかさずあかねに抱きつくと、
「そーゆー問題じゃないでしょ」
あかねは、そんな俺の顔をむぎゅっと押し返した。
そして、
「帰ってきてくれたら、久しぶりにぎゅっと抱いて寝てあげたいなあ…と思って」
あかねはそういって、もう一度ため息をついた。
(…)
もちろん、あかねはP助=良牙ということを知らないから仕方ないんだけど、それでも俺が何だか割り切れない気持ちでむっとしながら、
「…だから。俺が代わりに抱かれてやるって言ってんだろ。ほれ」
さあ、好きなだけ抱きしめろ。
…そうとでも言いたげに、俺がベッドの上で大の字になると、
「あんたねえ。Pちゃんは子豚でしょ。だいたいPちゃんはね、シャイなのよ。すっごく可愛いんだから。あたしがぎゅっと抱きしめると、ハズかし嬉しそうに頬を染めながら顔を胸に埋めて…」
「なッ…なに?!あの豚、オメーにそんな事をしてんのかッ」
…おのれ、良牙。次に逢った時には生かしちゃおかねえッ。
「くッ…」
俺がギリッ…と口をへの字に曲げながら複雑な表情をしていると、
「…豚にやきもちやかないでよ」
あかねが、そんな俺をおかしそうに笑いながらそう言った。
「あいつは豚じゃねえ!男だッ。奴は男だッ」
それでも俺が必死にそう言い張ると、
「オスでも、豚でしょ。もう…訳わかんないわよ」
やれやれ、とばかりに、自分に抱きついて離れない俺の頭を撫でながら、あかねがため息をついた。
「けッ…あの豚、もう帰ってこなくていいのに」
「もう、そんなこと言わないの」
「大方、彼女も出来た事だし、そっちで楽しくやってんじゃねーのか」
俺があかねに抱きつきながら、悔し紛れにボソッとそう呟くと、
「えッ…Pちゃんに彼女!?彼女が出来たの!?というより、なんであんたそんなこと知ってんのよ」
その言葉に、あかねがすぐに喰らいついてきた。
「み、見かけたんだよッ」
「どこでよ?」
「どこでだっていいだろッ」
…やべーやべー。
さすがに、「オメーも知ってる、あかりちゃんの事だよ」とは言えねえよな。
あー、全く俺っていい奴だよ。
こんな風な状況でも、男と男の約束で、情けだけはしっかりかけてやって「最後の秘密」だけは守ってやってんだ。
ったく、感謝しろよな、良牙。
だから、もうあかねと一緒に寝るな。
な?
良牙、それが礼儀ってもんだぞ?

「と、とにかくだな」
…俺は、何とかあかねを誤魔化しつつ、
「あの豚のことはもう忘れろ。な?」
俺は、あかねにそう言い聞かせようとした。が、
「何でよ。いーじゃない、あたしがペット飼ってたって。乱馬には迷惑かけないわよ」
あかねはまだまだ不服そうだった。
「おまえッ。俺とP助とどっちが大事なんだよッ」
…なので。
最終手段、とばかりに俺がそんなだだをこねてみせたところ、


「…」
…なぜか、嫌な間があいた。


「…おい。何だ、その間は」
俺がそんなあかねにブスッとした表情をしてみせると、
「だーって。許婚とペットは同列で比べられないわよ」
あかねは、困ったような顔でそう言った。
「でも、同じ男だろッさあ選べ。俺かP助か、この場で選べッ」
…俺が、まるでダダッコのようにそう言いながらベッドに大の字になると、
「もー…何でそこまでPちゃんにライバル意識持ってんのよ。世話が焼ける許婚ね」
あかねはそう言って、「やれやれ」と言うような表情をしながら、大の字になっている俺の頭を撫でた。
そして、
「…お利口さんのPちゃんと違って、こんな手のかかるワガママな許婚は…あたしぐらいしか面倒見れないじゃないの」
あかねはそう言うと、軽く、俺の頬にキスをした。
「…そこよりも、こっちがいい」
そんなあかねの身体に、やっぱり「手のかかるわがままな許婚」の俺は、ゆっくりと腕を回した。
そしてそのままあかねを自分の方へと引き寄せて抱きしめてしまった。
「…」
あかねの、そのまま俺に自分の身体を預けて、ゆっくりと目を閉じていた。


…どーだ、P助。
オメーにはこんな事、出来ねーだろ。
てことは、やっぱり俺の勝ち。
オメーなんかに負けてたまるかッ

…俺はそんなことを思いながら、あかねを抱きしめていた。
が。
しかし、俺はこのとき気がついていなかった。
『お利口さんのPちゃんと違って』
あかねが、さっきそう表現していた、その事を。
さらっと聞き流してしまえばそれだけだが、でもそれって、
「あんたはPちゃんよりおバカさんね」
って、あかねはそう言っているわけで。
…既にその時点で、ペットの黒豚に負けているって事を。
俺は全然気がついていなかった。

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