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刺激的な彼女

「…んー…」
ある日の夜。
部屋で宿題をしていたあたしは、なんだかこう口寂しくて、間食できるものを探していた。
夕食が甘い魚の煮付けだったせいもあり、それも手伝って今日は、それとは真逆の辛いものが食べたかった。
とはいえ、 唐辛子を舐めるわけにいかないし…とあたしはしばし考えるも、
「あ、そういえば…」
そんなあたしはふと、昨日なびきお姉ちゃんが、かすみお姉ちゃんのお使いで荷造り用のロープを買いに行ったついでに、コンビニで買ってきたある「お菓子」の事を思い出した。
今話題の、激辛スナック菓子。
黒い包装に真っ赤なロゴが、印象的。
値段こそそんなに高くないけれど、その辛さは天下一品。
あのなびきお姉ちゃんでさえも、
「一袋は食べきれないわね」
…たしかそんなことを言いながら残していた。
「こんなの、お子ちゃまなあかねには無理ムリ」
お姉ちゃんは昨日そう言って、そのお菓子をあたしには進めなかったけど、
あたしだってたまには、刺激的な食べ物が欲しいと思うこともある。

「…少しくらいなら平気よね」
そんなことを考えたあたしは、さっそくそのお菓子の袋を取りに下の階へと行くために部屋を出ようとした。
と、その時。
「あれ…どこか行くのか?」
「乱馬」
「もう風呂も入ったろ?そろそろ眠くないのか?」
あたしが部屋のドアを開けようとしたちょうどそのタイミングで、
なぜかあたしがすでにお風呂に入った事をちゃんとチェックしている乱馬が、ドアを開けようとしていたのか、廊下に立っていた。
「…」
また、今夜もあたしの部屋に転がりこんでくるつもりだな?
「…」
あたしは心の中でため息をつきつつ、
「…ちょうどよかった。だったら、乱馬に取ってきてもらおう」
部屋に転がり込んで来るんだもん。手土産代わりにそれくらい持ってきてもらってもいいわよね。
それにきっと、あたしが食べてたら乱馬だって欲しがるだろうし…と、
あたしは乱馬の顔を見ながら、軽い気持ちでそんなことを考えた。 そして、
「…」
何かをお願いするときは、極力甘えるのが一番だ。
あたしは一度咳払いをしてから、ゆっくりと乱馬の首に腕を回した。
「え、ど、どうしたの…」
もちろん、不意にあたしに甘えられた乱馬は、真っ赤な顔をして口ごもっていた。
…の割にはすばやくあたしの身体に腕を回し自分の身体へ擦り寄らせるのが乱馬らしい。
「あのね…」
あたしが乱馬の耳元にそっと唇をつけると、
「あ、あかねっ…」
乱馬はそれだけでもう我慢が出来ないのか、あたしの顔を強引に自分の顔の前面へと持って来ようとするけれど、
「待って。その前にお願いがあるの」
「え、い、いいよ後でっ…」
「後じゃだめなの」
あたしはそんな乱馬から上手く逃れると、乱馬の耳にそっと再び唇をつけ、お願い事をする。
「あのね、乱馬…今日は何だかね、刺激が欲しいなー…って思うの」
「し、刺激!?」
「うん…それでね、下の居間に昨日なびきお姉ちゃんが買ってきたものがあるから、持ってきて欲しいの」
「なびきが買ってきた…あ、あれか?」
乱馬はそう言って、驚いたような表情であたしの顔をじっと見つめた。
「うん、あれ…ね?お願い。どうしても欲しいのよ」
あたしはそんな乱馬の顔をじーっと見つめながら極力可愛らしい声でお願いをすると、
「あ、ああ…す、すぐ持ってくるからっ」
乱馬は、何故か妙に真っ赤な顔をしながらぼそぼそと呟いた。
「うん、お願いね」
「あ、あのさっ…」
「なあに?」
「あのっ…他にも何か無いか、俺、探してみるからっ…」
そして、そういうが早いかものすごい勢いで階段を降りていった。
「随分と素直ねー、乱馬ったら」
やっぱり、おねだり作戦が良かったのかな。
今日は何だかいい日だわ…あたしは、そんなことを思いながら、乱馬が下の居間から持ってきてくれるはずの激辛スナック菓子の到着を、今かいまかと待った。

…が。

「…遅いなー…どうしたんだろう」
五分待っても、十分待っても。
居間に菓子を取りに行ったはずの乱馬は、一向に戻ってこなかった。
「…?」
菓子が見つからなかったり既に食べられた後だったにしても、そうやってすぐに報告に戻ってくればいいはず。
それさえも無いし…まさか無いから買いに行ったとも思えない。
だとしたら、下の居間で誰かに何か用事でも頼まれたのかな。
「しょうがないなー…」
やっぱり、あたしが不精をしないで取りに行けばよかったかな。
あたしはそんなことを考えながら部屋のドアを開け、階段のほうを覗いてみた。
すると。
「あら、あかね。何してんの?」
「お姉ちゃん」
ちょうどそのタイミングで、なびきお姉ちゃんがトントン、と階段を昇ってきた。
「お姉ちゃん。乱馬、下に行ったでしょ?」
あたしが自分の部屋に向かおうとしているお姉ちゃんにそう尋ねてみると、
「乱馬君?ああ、いたけど」
「何してた?」
「あたしが昨日買ってきた『アレ』を持ってウロウロしていたわよ。何か他に探し物してた見たいだったけど?」
お姉ちゃんはそう言って首をかしげていた。
「そうー…」
何だ、お菓子が他にないかを探してくれていたのか。
「それじゃしょうがないな」
あたしが乱馬の優しさに少し感謝しながらそう呟くと、
「それにしても、あんな荷造り用のロープ、何に使うのかしらねえ。何を縛るつもりなのかしら」
「…は?」
「乱馬君、ホントに何考えてるか分からないけど。ま、程ほどにしときなさいよ」
なびきお姉ちゃんは、よく分からない事を言ってにやりと笑いながら、自分の部屋へと戻っていってしまった。
「…あ、あの…?」
一人廊下へと取り残されたあたしは、なびきお姉ちゃんの言葉に思わず首をかしげる。


…ちょっと待って?
あたしは、乱馬にスナック菓子を取りに行くようにお願いしたんじゃなかったっけ?
昨日、なびきお姉ちゃんがコンビニで買ってきたお菓子を。
乱馬だって、あたしが「昨日お姉ちゃんが買ってきたものが…」ってそこまで言ったら「なびきが買ってきた…あ、あれか?」って言ったのに。
それって、乱馬だってなびきお姉ちゃんが買い物をした事を知ってるってことだよね?
まあ、お菓子はオマケだった見たいだけど。
なびきお姉ちゃんが、昨日かすみお姉ちゃんのお使いで荷造り用のロープを買いに行っ…



…そっちかー!



まずい、これはまずいわっ。
何だか嫌な予感がして、あたしは自ら下の部屋へと降りていこうと階段へと向かうも、
「あら?どうしたのあかねちゃん、そんなに慌てて…」
「かすみお姉ちゃんっ」
「何か探し物?そういえばさっき乱馬君に、目隠しが出来るくらい太さのハチマキが欲しいって言われて貸したんだけど…二人で今から道場で修業でもするの?仲良しさんねえ」
「あああああ…」
「それじゃあ、おやすみ。私はもう寝るわ」
かすみお姉ちゃんは、オロオロとしているあたしの横を通り抜けて、自分の部屋へと戻っていってしまった。


「…」
荷造り用のロープに、目隠しできる太さのハチマキっ…て、何をする気なの!?



「あ、あわわわわ…」
こうなるともう、下の部屋に乱馬を止めに行くのが何だか怖い。
そうだ、もういっそのこと、部屋に鍵でもかけて中に閉じこもっていようか?
自分の身を守るのは自分だけだわ…あたしは急いで自分の部屋へと戻ろうとするも、
「…さ、あかね。準備できたぞ」
「わー!」
「いやあ、いろいろ集めてくるのに時間がかかっちゃってさ…待たせたな。さ、行こうか」
不意に背後からポン、と肩を叩かれ、満面の笑みを浮かべている乱馬に手を掴まれると、
「乱馬っ…あ、あたしまだお風呂に入り足りなくてっ…寒いしっ…」
「すぐにあったかくなるから」
「何だかまだ眠くないしっ…」
「疲れるとすぐに眠れるぞ」
…と、あたしの部屋、なはずなのに、何故かあたしが乱馬に部屋に連れこまれる羽目になった。
そして、
「いやあ、まさかお前がこんな積極的に…随分と刺激的な事を」
「何言ってんのあんたはっ」
「でも、安心しろ!俺にしてみれば、こういう刺激的な彼女は大歓迎だっ」
「きゃっー!?」
乱馬は、叫ぶあたしに勢いよく抱きつくと、そのままベッドの上に押し倒した挙げ句、
「やっ…やだっ…だめだってばっ…んっ」
「なんで?」
「なんでって…きゃっ…」
…と、あたしが嫌がろうが暴れようが何しようがもろともせず、
「あーかねっ…へへ…」
妙に嬉しそうな顔でスルリと洋服の中へと手を潜り込ませ、そしてそのままあたしに覆い被さってきたのだった。



…無論、そんな乱馬が、その晩、及び翌日ずっと上機嫌だった事は言うまでも無い。



「いやさ、あかねの奴随分と刺激的なんだよ」
「へー?」
…翌日学校の昼休み、そんなことを友人と話ながらニコニコしている乱馬を横目に、
「不精は絶対にしない。自分の事は自分でするのよっ…。ろくなことが無いのよ!」
「ど、どうしたの?あかね」
思わず、傍にいたさゆりやゆかにそんなことを主張してしまったあたし。
「…」
…これを機に、不精も、間食もやめよう。
大きなため息を何度もつきながら、あたしは一人そんなことを誓ったのだった

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