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【竜の髭を奪取せよ】M・I・P(1)

(一体どうなってるのかしら…)



夕食後。
お風呂にも入り、あとは寝るだけ…
そんなゆっくりした時間の中で、あたしは今日も、「ある事」で悩んでいた。
聞きたいとは思っても、なぜか口に出せずいつまでたってもたち消えてくれないその悩みとは…乱馬の「髪」のこと。


昔は「竜の髭」というものの呪いで、男の姿の時はその髭で髪を結っていなければまるで「生きもの」みたいに延び続けてしまう乱馬。
だけどその「髭」を狙う人達との戦いで髪を使いすぎたおかげもあり、乱馬の髪は、竜の髭などなくても大丈夫なようになった。
なったんだけど…

(でも、あれから乱馬が髪を下ろしたトコ、みたことないんだよなぁ…)

あたしは、いつもそんなことを考えていた。

お下げでなく、ひとつに結わえた姿はみたことがある。
でも、それだってたった一度きりだった。
いつだって髪はさらさらしてるし、シャンプーの匂いがするから、お風呂に入る時は髪をほどいてるはず…
あたしはそんな風に、推理している。
でも、だからといって風呂場に乗り込んで行くわけにもいかない。
もちろん一緒に入るわけにもいかず…
そんなことを言おうものなら、全然違うトコで嬉しがる乱馬の顔が目に浮かぶ。
(何とかして、乱馬が髪をほどいた所、みれないかしら…)
「よーし…」
あたしは色々と考えた結果、ついに強行作戦…「ミッション」を敢行することにした。





「ねー、乱馬」
さっそく、今夜の「ミッション」スタート。


作戦では、抱きついた時にさりげなく乱馬の髪の結び目へと手を伸ばし、
乱馬に気が付かれないようにそーっと、そーっと結び目をほどき、

「あれ?乱馬、髪の紐、取れてるよ」
「あ、本当だ。こいつは困った」
「あらでも、たまには新鮮でステキ」
「ステキか」

思わず微笑んでしまう、光景。
そんなシチュエーションへ持って行こうとしている。



「ねー…もうお風呂入った?」
あたしは、程なくして自分の部屋にやってきた乱馬に、ぴったりとくっつきながら尋ねた。
「入ったけど…何で?」
あたしの質問に怪訝そうな顔で乱馬は答える。
「んー?…別に」
あたしは適当に答えつつ、そんな乱馬のおさげにさりげなく指を絡ませてみた。
もちろん、髪を洗った形跡があるかどうか確かめるため、だ。
髪は、すべすべのさらさら。
ひもも結構ゆるく結んであるようで、うまくやればすぐにでも取れそうな、感じだ。
「な、何だよ…」
と。
乱馬が自分にぴったりとくっついてくるあたしの身体に腕を回しながらちょっと赤い顔をしていた。
「何って…くっついてちゃダメなの?」
あたしは、「ここで引き離されたら作戦が水の泡…」と、そんな乱馬の首に腕を回して抱きつく。
「い、いいけど…」
乱馬は、そんなあたしの背中や頭を優しく撫でながら、ぼそぼそっと答える。
「いいんなら、いいじゃない」
あたしは、内心にやりとほくそえみつつ、
首に回した腕をすこしずつ、少しずつ伸ばして、もうちょっとで髪を結んでいる紐に手が届く…そんなときに、

「あッ」

不意に乱馬が、あたしの身体を反対側に押し倒した。
「あッあ…」
お下げに指が届くまであと一センチ…と迫っていたのに、急にお下げから身体を遠ざけられ、あたしはその手を宙ぶらりんにさせられてしまった。
ドサ…と仰向けに身体を押し倒されて、
(あ、でもこの状態なら首に手を回せばお下げに手が届くかも…)
それでも諦めずにあたしが乱馬の肩越しに手を伸ばし、背中に垂れたお下げに手を伸ばそうとすると、
ガシッ…
「あれ?」
その伸ばそうとした両手を、逆に乱馬に抑えて付けられてしまった。




…身体は乱馬に押し倒されて。
両手首は乱馬にしっかりと固定されて。
動けない。
全く、身動きを取る事が出来ない。
動けないという事は…


(…もしかして、あたし…ヤバイ状態なんじゃ…)
あたしは、改めて今の自分の格好を想像して、ようやくあることに気が付いた。



…しまった。
これでは、これでは…襲われる!



「ちょ、ちょっと離れて?ね?乱馬。乱馬ってば…」
あたしは、今更ながら自分を抑えてる乱馬にそう哀願してみるけれど、
「いやあ、あかねからこんな積極的に誘ってくるなんて」
乱馬は妙に嬉しそうな顔でソワソワ、ニコニコとあたしの身体を「全力で」押さえつけていた。
全力。それは体中のすべての力を相手へと放出する行為。
すなわち、あたしにとっては「絶体絶命」。
「乱馬、あのね…別にあたしはそんな…」
「俺、期待にこたえられるように頑張るからなッ」
そんなあたしをよそに、乱馬は言うが早いか思いっきり抱きついてきた。
「ちょ、ちょっと待って!何を頑張るのよ、何を!あたしはただ、ヒモが欲しくて…」
「ヒモだと!?」
あたしは必死に逃れようと叫ぶけれど、
「あかね…お前…」
そんなあたしの言葉を受け、何故か乱馬は急に顔を赤らめた。
そして一瞬ふっと力を抜くと真剣な表情であたしを見た。
あたしがそんな乱馬を怪訝な顔で見つめると、乱馬はなぜか優しい瞳であたしを見つめながら落ち着いた口調で、こういった。

「分かったよ、あかね。おめえがそうまでして…そうまでして俺を求めるのなら…」
「…は?」
「俺も男だ。おめえの望みどおり、何だって…」

そんな事を言いながら、乱馬は一度、ゴホン、と咳払いをした。
そして…


「俺を好きにしろ!さあ、縛れ!俺を縛れー!」


思いっきり真剣、かつ何だかちょっと嬉しそうな表情にぱああっと変わると、再びあたしに抱きついてきた。


「い、いやー!!」

あたしはその後も必死にジタバタと抵抗はしたが、牙をむいたオオカミ少年に勝てるはずもなく、
もちろんあたしが乱馬を縛ることもないけれども、その後オオカミ少年に捕獲されたあたしはその身を守ることができぬまま…




…残念な事に結果的にその夜のミッションは、失敗に終わった。










(くッ…次は必ず!)
翌朝。
妙にニコニコ、朝から機嫌のいい乱馬の横で、寝不足の頭と格闘しながら、あたしは決意新たに拳を震わせていたのだった。

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