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Imitation(おまけ)

「なー、あかね。あかねにこの指輪、やる」
とある連休。
東風の元へ嫁に行ったかすみが、一人息子である暁(四歳)と共に天道家へ遊びに来た時のこと。
あかねのことを妙に気に入ってる暁が、そんな事をいいながらあかねの膝の上に座っていた。
「…」
もちろんその横では、
「そこは俺の定位置だぞ」
と言わんばかりの不機嫌そうな顔で、乱馬が座っている。

「あかねって呼ぶなっ」
乱馬が暁の額を指でつっつきながらそう言うと、
「うるせー、乱馬。俺とあかねは恋人同士なんだぞッ。愛しあってんだからなっ。なーッあかね」
子供特有の生意気な口調で、そしてどこで覚えたのかそんな言葉を暁は叫ぶと、
「あかねッ」
暁はあかねの胸に顔を埋めるように抱きついた。
「あー!それは俺だけの特権なのにッ」
乱馬は悔しそうな顔でそう叫ぶと、
「はーなーれーろッ」
暁の体をあかねから引き離そうと必死だ。
もちろん、
「いーやーだッ」
暁も暁で、あかねから離れまいと必死。
「離れろッ」
…それでも乱馬が暁を引き剥がそうとすると、
「いやだ!俺はこれから、このままあかねとお風呂に入るんだからなッ邪魔すんなッ」
「何ーッ俺だって最近ご無沙汰なのに…そんなの許さんッ」
「うるせーッ俺はこないだからあかねとお風呂で遊ぶ約束してたんだからなッ。やーい、あかねにお風呂で遊んでもらったことなんてないんだろッ」
暁がそういってあかねの体にすりすり…と頬を寄せるので、
「俺だってあかねと風呂で遊ぶんだぞッ。それになぁッ…俺があかねに遊んでもらうんじゃなくて、甘えるあかねを俺が遊んでや…」

めりっ…

…乱馬がそこまで叫んだ所で、あかねが乱馬を床に沈めた。
「あかねー、乱馬の奴、急に寝ちゃったぞ」
「全く気にしないでいいのよ。…ったく、子供相手に何を口走ってんのかしら」
不思議がる暁に笑顔で答えつつ、あかねは、暁よりも子供同然の乱馬にぼやいた。
そして、
「暁くん、どうしてあたしに指輪をくれるの?」
話を、始めの段階へと戻した。
「だってさ、こないだあかね、壊れたオモチャの指輪持ってたからッ。ママとパパにもらったおこづかいで壊れてない奴買ってきたッ」
暁はそう言って、自分が買ってきたオモチャの指輪を、あかねにもう一度みせた。
「パパが、指輪をあげるのは大好きな人にしなさいっていってた。だからあかねにあげるんだッ。
  そしたら壊れた奴、捨てれるよな!」
そういって意気揚揚と指輪を差し出す暁に、
「ありがと。タイセツにするね」
あかねは笑顔でお礼を言って、指輪を受け取った。
が、
「でも…暁くん、ゴメンネ。せっかく指輪をもらっても、あの壊れた指輪は捨てられないの」
あかねが笑顔のままそう言うと、
「なんでッ」
暁がぶーっ…と頬を膨らませた。
「ふふ…」
あかねはそんな暁の頭を優しくなでると、
「あの指輪はね、さっき暁くんがあたしにくれたみたいに、あたしの大好きな人が、初めてくれた指輪なの」
「あかね、今もそいつが好きなの?」
「ん?…ええ。大好きよ」
…あかねは、いつのまにやら床から起き上がって自分を見ていた乱馬の顔をちらっと見ながら、答えた。
「じゃあっ…じゃあ、俺の事は二番目に好き?!ッ」
暁が今にも泣きだしそうな顔で叫ぶので、
「うん。大好きよ」
あかねはその小さな体をぎゅっと抱き締めて、笑顔で答えてやった。
すると、ぱあッ…と明るい表情をした暁は、
「じゃあ、乱馬は三番だなっ。おい乱馬ッお前は今日からナンバー三だっ」
ぼーっとした表情であかねを見ていた乱馬に向ってそんなことを叫んだ。
「な、何ー!?」
乱馬がムッとした表情で暁を見ると、
「あかね、俺がんばるッ」
暁はあかねには笑顔、乱馬にはあっかんべーをして見せると、
「お風呂に入る用意、してくるッ」
そう言いながら部屋を出ていってしまった。



「…ったく、あの野郎。かすみさんの子供じゃなかったら、思う存分いじめてやるのにッ」
暁が部屋を出るなり、乱馬はあかねの腿に強引に頭を乗せるように、寝そべりそうぼやいていた。
「子供相手に向きになりすぎなのよ、もう」
あかねはそんな乱馬の頭を撫でながら笑う。
「うるせーッ」
乱馬は照れたように笑うと、不意に膝から起き上がって、先程暁がしていたようにあかねの胸に顔を埋めるように、抱きついてきた。
「やんッ。な、何よ…」
あかねがくすぐったい感触に身をビクンと震わすと、
「だってこれは俺の特権だから」
乱馬は全然悪びれた様子も無くそう言うと、
「…ありがとな」
続いて小さな声でそう、呟いた。
「…お礼言う事じゃないわ。ホントの事なんだから」
あかねが、自分の胸に顔を埋めてる乱馬の頭を撫でながらそう言うと、
「…じゃあ、お礼は言わないから…」
乱馬は嬉しそうな顔でそう言って、にゅー…と首を伸ばしてあかねの唇にキスをした。
そして、そのままあかねの身体を支えながら床に押し倒してしまうと、
「あかねもこっちの方が嬉しかったりして…」
そんな事を言いながら、あかねを床に抑えて受けたまま笑っていた。
「ちょ…だ、だめよ。暁君が、お風呂の支度したらすぐ来るんだから…」
あかねが自分にもう一度キスしようと顔を近付けてきた乱馬を手でせき止めながら抵抗すると、
「んー…聞こえない」
乱馬はそんなあかねの抵抗などお構いなしに、あかねにしっかりと抱きついて離れない。
「だ、ダメだってば…」
「何で?」
「何でって、だから、暁君が…」
「平気だって。あいつ、当分この部屋には来れねーかもしれねーぞ?」
「え?何でよ」
あかねが、妙なことを口走る乱馬のキスから逃れようと、顔を横にそむけながら尋ねると、
「んー…?」
乱馬は、悪戯っ子のような顔でニヤッと笑うと、
「だってさ…」
そう言って、あかねの耳に唇をつけた。そして、
「俺、さっき抜いてきちゃったんだよなー…お風呂の湯」
「なッ…」
「何か妙な胸騒ぎがして」
乱馬は驚いて口をパクパクしているあかねの唇にスッ…と指を当てると、
「しッ…静かに。暁に見せらんねえだろ?あかねがこんなイケナイコトしてるとこ」
そんな事を言って、驚いた顔をしたままのあかねの服に、ニコニコしながら手をかけた。
「この…策士ッ」
あかねが、ほとんど観念しながらも、乱馬をじとっと睨みつける。
「何とでも言え」
乱馬はそんなあかねに抱きつきながら、悪戯っ子のような生き生きとした表情をしていた。
そして、
「…あの指輪、取って置いてくれたの、嬉しかったんだからしょうがねえだろ」
乱馬はジタバタと動くあかねを押さえつけながらそう言った。
「…だって、乱馬があたしにくれた初めての”指輪”でしょ。捨てるわけ無いじゃない」
たとえオモチャの指輪でも、あたしには大粒のダイヤよりも輝いて見えちゃったんだもん。…あかねが小さな声でそう呟くと、
「…お礼は、いわねーぞ」
乱馬は嬉しそうな顔でそう言って、再び、ゆっくりとあかねに唇を重ねた。
「もう…」
あかねはそんな乱馬と長いキスをしながら、ぎゅっと強く自分の身体を抱きしめる乱馬に、ゆっくりと腕を回した。


…高校生の時、かすみお姉ちゃんの豪華な婚約指輪に触発されて、乱馬が初めてあかねの為に贈った「オモチャ」の指輪。
本物のダイヤに比べれば、大きさも硬さもやわなもの。
でも、あの時のあかねにも、今のあかねにも…あの「オモチャ」の指輪は、どんな豪華な指輪よりも光り輝いて見えた。
…大人になっても、やっぱり「強力なライバル」出現でドタバタしている、あかねと乱馬。
(まだまだ。まだまだ…あたしには「オモチャ」の指輪で充分だわ)
乱馬に強く抱きしめられながら、あかねはそんな事を思いゆっくりと瞳を閉じた。

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