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怒る男(なびき視点)

「許せねえ!男の風上にもおけねえ!」

 

ある日の夜。
少し遅めにあたしが帰宅すると、なんだかよく分からないけど乱馬くんが険しい形相でそんなことを叫びながら廊下を走っていた。
そしてあたしと入れ替わりで外へと飛び出していった。
すれ違いざまに見た乱馬くんは、
強く握り締めていた拳はわなわなと震わせ、額には今にも血管が浮き出そうなくらいだった。
格闘技でだってそんな素振りはめったに見せないというのに、一体どうしたのだろう?
だいたいあのまま外に飛び出して街を走っていたら、逆に異様な人物として警察に捕まるんじゃないの?
・・・
「ねえ、乱馬くんどうしたの?何かすごく怒ってるみたいだけど」
そんな乱馬君の姿が気になったあたしは、居間に行きそこでお茶を飲んでいたかすみお姉ちゃんに尋ねてみた。
すると、
「何かね、あかねちゃんがお風呂に入っている時に覗きがあったみたいなの」
「・・・は?」
「あかねちゃんが悲鳴を上げてすぐ、ドアのそばにいた乱馬君があかねちゃんの元に飛び込んでいったみたいなんだけど」
「・・・なんでドアの傍にいるのよ、乱馬君が」
それって乱馬君も覗いてたんじゃ?と思わなくはないけれど、それを言い始めたら話が進まないのでそれはさておき話を続けてもらうと、
「何か、浴室の窓のところに男の姿があったんですって。男は、あかねちゃんの悲鳴のすぐ後に飛び込んできた乱馬くんに驚いて、逃げたみたいよ。で、乱馬君はすぐにあかねちゃんにタオルを巻かせて、自分はその覗きを捕まえるべく追いかけていったの」
本当に頼りになる許婚よね、あかねちゃんには・・・かすみお姉ちゃんはそういって、にっこりと笑っていた。
「・・・」
・・・覗きを追いかけて捕まえるのは分かるけど、
それよりも何で乱馬くんが「許せねえ!」って本人含む他の家族よりも怒るのかしら?
だいたい、乱馬君も覗きと同じ事をしていたわけだし、同類なんじゃ?
「頼りになる許婚」うんぬんじゃなく、「許婚の風呂を覗く男」という事に対しては誰もなにも思わないの?この家は。
・・・
「・・・そりゃ大変な事で」
思う事は多々あるので、あたしはありきたりな言葉を呟きながらため息をついた。
とそこに、
「ああ、いいお湯だった」
この天道家を襲った「大事件」の被害者であるはずのあかねが、何だか妙にご機嫌な様子で居間にやって来た。
白い肌をピンクに染めて、見る限りだとごく「普通」の風呂上り風景だ。
とても、あたしが今聞いていたような事件が起こったとは思えない様子なんだけど・・・
「あら、あかね。あんた覗かれたんだって?」
「うん、びっくりしたわー。最初は乱馬かと思ってほっといたんだけど、違ったみたいね」
「・・・」
・・・覗かれた本人は、そんなことを言ってため息をついている。
どうやら、乱馬君が覗き行為をするのは二人の間ではいつもの事らしい・・・って、あかね?それは決して普通じゃないのよ?
冷静に考えてみなさい、あかね。あんた昔はそんな子じゃなかったでしょ、いつからそんな彼氏に対して「寛大」に?
「・・・」
慣れというか、オオカミに手なづけられたというか。哀れな妹に心の中で流した涙をそっと拭いつつ、
「・・・相手は誰であっても、気をつけなさいよ」
「は?」
「は?じゃないでしょ。いーい?乱馬君がこれ以上サカリを迎えたら困るのはあんたでしょ」
「サカリって。やあねえお姉ちゃん。まるで乱馬が動物みたいじゃないの」
「動物と一緒でしょ。寝不足になっても知らないわよ、あんた」
この、
どうにものんびりとした彼女と、彼女よりも覗きを糾弾しようと怒りあらわに外に飛び出した彼氏のことを考えると、何だかこちらのほうがため息をつきたくなる。
あたしは心の中でやれやれとため息をつきながら、暢気なあかねに忠告をしたのだった。


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