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強風注意報

本日、強風注意報。
さすがは九月。次から次へと台風が押し寄せてくる。
天気番組で朝から流れるニュースどおり、外ではゴウゴウと音をたてて風が吹きすさんでいく。


「…」
すげえなあ、風。こりゃ、道場は雨漏りとか酷そうだなあ。
…人がまばらな教室の窓際の席で、ぼんやりと外を眺めてそんな事を考えている俺。

「…であるから、この三角形の面積を求めるのに…」

「人がまばら」というのは、いまこの講義を受けているのが「授業」という場では無いということ。
テストで赤点を取ってしまったかが為に、俺は数人のクラスメートと補習を受けなくてはいけなかった…この土曜日だというのに。
しかも、天気がスコブル悪いのに、だ。
もちろんこの場には、優等生のあかねはいない。

「乱馬、早く帰ってくるのよ」
「…」
補習や赤点などに全く縁のないあかねは、俺にさらりとそう言って、早々と教室を出て行ってしまった。

「ちぇっ、あかねの奴。…あー、面倒くせえなあ」
どうにかこうにか早く帰れないかと、口実を考えてみるも、

「先生ー、電車が止まるから早く帰りたいんですけど」
…徒歩で通学している人間には到底無茶な口実である。
結局は、こうして土曜日の午後、どんどんと酷くなる天候を眺めながら、補習を受けなくてはいけなかった。


窓の外では、相変わらず風が暴れまくっている。

「きゃーっ」
「うわー!」

校庭からはそんな生徒達の悲鳴とともに、幾つものカラフルな「ビニール」が舞い上がっていた。
どうやら、ビニール傘が風で壊れてしまっているようだ。
雨が酷くても、これでは防ぎようがない。
それに加え、
ガシャガシャー!と、金属がぶつかりあう音がしたかと思うと、校庭の隅に設置されている自転車置き場の自転車が、吹きすさむ風によって片っ端からなぎ倒されていった。
更に、

ベリっ…ベリっ…

その自転車置き場のトタン屋根さえも、折からの風の力でめくり上げられ、バタンっ…バタンっ…と音を立てながら校庭を転がっていく。
「あーあー…すげえ風」
まるで、TVの台風特別報道番組で見るような光景に、俺は思わず目を見張る。
「…あー、早くおわんねえかなあ」
俺は溜め息をつきながら、思わずそんな事を呟いていた。

と、その時だった。

「ん?」
窓の外をぼんやりと眺めていた俺の目に、見慣れた女生徒の姿が映った。

…あかねだった。
とっくに帰ったものだと思っていたのに、あかねはまだ、この学校の中にいたようだ。しかも、風の吹きすさぶ校庭を歩きながら、何度も、何度もこの俺のいる教室の方を振り返っている。
「…」
もしかしたら、こんな天気だから補習も早く終わるのかも…とか何とか。
初めはさっさと教室を出て行ってしまったあかねも、そう思い直してしばらく待っていてくれたのかも、しれない。
でも、やっぱり補習はなかなか終わりそうもなさそうなので、諦めて帰ることにでもしたのか。


「…」
可愛い奴。


俺がそんな事を思ってあかねを見ていると、


ゴウ!
…ちょうどその時、一筋の強い風が校庭の真ん中を吹きぬけた。


「きゃー!」
「うわー!」

その風のせいで、校庭を歩いていた生徒達の傘が、ブワっ…と幾つも舞い上がる。
それと同時に、

「きゃっ…」

なんと、校庭を歩いていたあかねのスカートも、風によって勢い良くめくれあがってしまった。
あかねは慌ててスカートを手で抑えるも、ブワっ…と手で覆いきれない部分は容赦なく風でなびいていく。
遠めだというのにも関わらず、白くて細い形のいい足と、
見覚えのある下着…色までくっきりとわかるその情景に、


「おお!?」
…思わず俺は、声を上げて立ち上がってしまった。


もちろんそんなことをしていれば、

「こらっ早乙女!何を叫んでおる!補習中だろうがっ」
「あ」
「バツとして、お前には宿題をたっぷり出すからな」
「えー!」

…と、先生にも見つかって、余計なお土産までもらう始末。
挙げ句の果てに、補習後もやれ、
「普段から落ち着きがない」
だの
「集中力がない」
だの。こってりと油も絞られ、帰る時間はどんどんと遅くなる始末だ。
しかも、先ほど前では校舎の方を振り返りながら歩いていたあかねも、先ほどの突風の後は、一度も校舎の方を振り返らずにさっさと校門から出て行ってしまった。
どうやら、これからもっと酷くなる予定の台風を考えると、さっさと帰るほうが利口だと思ったのだろう。



結局、あかねも先に帰ってしまい、説教をされていたがゆえに帰る時間も更に遅くなり、遅くなればなるほど台風は酷くなって…
「…」
…俺が家に着いたときには、風だけでなく雨までも酷くなっていたせいで全身びしょ濡れ。しかも女の姿になって、みじめと言ったらこの上ない。
「こんな台風の日に、散々ねえ。でもね、乱馬。あかねちゃんみたいに普段からちゃんとお勉強をしていないからこうなるのよ?」
…ごもっともです。
玄関先でお袋にタオルを渡されながら、俺はうなだれるしかなかった。
無論この後、

「エッチ!スケベな事ばっかり考えているからそういう事になるのよ!」

何で人よりも宿題を多く貰ってきたのかを説明しながら、宿題を手伝ってもらう俺は、あかねから新たな雷も食らう羽目になるのだった…。




本日、強風注意報。尚ところにより、雷落下あり。

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