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ダブルオレンジ

「黄色だ!」
「赤よ!」

…ある日の夕方。
かすみおねえちゃんに買い物を頼まれたあたしたち。
その帰り道に、些細な事なんだけど…歩きながら言い争いをしていた。

「赤」か「黄色」か。
…要は、「暖かく感じる色はどっちだと思う?」っていうことなんだけど、

「赤よ、赤!赤って言ったら激しく燃えるってイメージあるでしょうが!」
「黄色だって言ってんだろ!?日の光だって黄色だろーがッ」
「何よ!」
「何だよ!」

…端から聞いてりゃ、「どっちだっていいじゃん、そんな色」。思わずそんな声が今にも聞こえてきそうなあたしと乱馬の喧嘩。
でも、当人達にとってはかなり真剣なものなわけで。

「何よ!あんただって赤いチャイナ服着てるじゃない!」
「なッ…これは関係ねーだろ!それを言ったらお前だって今日黄色いセーター着てるじゃねえかッ」
「こ、これは今日のラッキーカラーだったのよッ」

赤いチャイナ服を着ている乱馬が「黄色」を薦めて、黄色いセーターを着ているあたしが「赤」を推す。
…こっからしても、何だか妙ちくりんな喧嘩だ。
でも、そこはガンコで意地っ張りと自他共に認めるあたしたちは、

「赤よ!」
「黄色だ!」
お互いそう言い切ったきり一歩も引こうとはしない。

「なーに、あんた達は。またくだらないことで喧嘩してるわけ?」
なので。
…家に帰ってきても居間で依然としてそう言い争ってるあたしたちをみかねたなびきお姉ちゃんが、

「仕方ないわねー。ちょっと来なさい、あんた達」
そういって、いがみ合ってるあたしたちを連れて、何故か道場へとやってきた。

「おねえちゃん、なんで道場なの?」
「なんなんだよ、なびき」
あたしと乱馬が不満げな顔でなびきおねえちゃんに尋ねると、

「ほら、ふたりとも?よーく見てみなさい?」
なびきお姉ちゃんはそういって、まずは乱馬を、道場の壁にかかっている姿見の鏡の前へと突き飛ばした。

「な、何すんだよ!」
いきなり突き飛ばされた乱馬がひるんだ隙に、

「きゃッ…」
お姉ちゃんは、今度はあたしをそんな乱馬の前へと突き出す。

「何すんだよ!」
「何すんの!」
思わずお互いの体を支えあって立ち上がり、なびきお姉ちゃんに言い返すあたしたちに、

「…ほら。鏡、みてみなよ?」
なびきお姉ちゃんはそういって、ゆっくりと鏡の方を指差した。

「?」
あたしたちが不思議に思って鏡の方を見ると、

「ね?そうやって支えき合って立っている、今のあんた達。『赤』でも『黄色』でもなくて、仲良く二人折りあえ
ば…あら不思議。『赤』+『黄色』で『オレンジ』色。だったら、間を取って『オレンジ』色でいいじゃない。暖か
く感じる色だっけ?」

…くだらない事で喧嘩なんて止めて、いい加減仲直りしなさいよ。なびきお姉ちゃんはそういって、さっさと道場
から出て行ってしまった。

道場には、「赤」と「黄色」を織り交ぜるべく、お互いを支えあって立ち尽くしているあたし達だけが残った。

「…」
あたしたちはしばらくの間、
なびきお姉ちゃんには仲直りを勧められつつも、何だかどうしたら言いか分からないまま、そのままお互い支え
あってその場に立ち尽くしていた。
だけど時間がたつにつれてお互いが段々冷静になり、

「…」
一度顔を見合わせて、ちょっとだけ笑いあう。

そうなればもう仲直りまでそんな時間はかからなくて、なびきおねえちゃんが道場を出て五分もする頃には、あた
しと乱馬は、支えあう手をお互いの背中に回して今度はしっかりと抱き合っていた。

「…オレンジか」
「オレンジね」

なびきお姉ちゃんの気転というかその発想に、あたしたちは素直に感心して、思わずそう呟いていた。

「…俺、喧嘩してるよりやっぱこっちの方がいいや」
それに加え、あたしに回す手に力を入れながら乱馬がそう呟いた。

「…あたしも」
あたしもそれに答えるように呟いて、乱馬に抱きつく力を強くする。

「赤」か?それとも「黄色」か?。
二者選択のはずだったのに、あたし達が出した答えは、どうやら二つの色が折り合える「オレンジ」色に落ち着き

暖かい色。
あたしの「赤」と、乱馬の「黄色」。どっちが優れているっていうわけではなくて、
その両方が、上手く混ざり合うと、とっても鮮やかな「オレンジ」色になる。
乱馬の「赤いチャイナ服」とあたしの「黄色い」セーター。
そんな服を着ているあたし達が仲良く抱き合えば、心も温かくなるような「オレンジ」色が、出来上がる。
あたし達にとって、「オレンジ」色は、『赤』も『黄色』も、どちらのいい部分をとった鮮やかな色。
あたしたちの心が自然に解けて混ざり合う、優しい色。
そう、それは心を優しく包み込む、とってもあたたかな…みかん色に。


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