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教えてあげない

「それにしても、右京もたいへんね…。居候が一人、増えちゃったんだから」

…いつものように、学校帰り。右京のお店でお好み焼きを食べた後の帰り道で、あたしはぼそっ…とそんな事を呟いた。

「まあな。でも小夏の奴も、うっちゃんに惚れた弱みで目いっぱい”ただ働き”してるし…好きでやってんだからいいんじゃねえか?」
「そうだけど…」

…ひょんなことから「天才くのいち」の小夏さんと知り合ったあたしたち。
初めは、乱馬や早乙女のおじ様達への報復にやってきた小夏さんだったけど、右京に惚れて、今度はさらわれた右京を助けるためにがんばって…
「うちがやしなってやる!」
そんな右京の一声のおかげで、そして、イジワルなまま母達の手からもようやく開放された。
ようやく「幸せ」を手に入れた小夏さんは右京の元へと喜んでやって来たのだけれど…

「でも、くのいちって言ってもあいつ…」
「男だったのよね…」
・・・見た目は美人。でも、小夏さんは実は「男」だったのだ。

「ま、女っぽい小夏と、頼りになるたくましいうっちゃんなら、上手くやってけるんじゃねえか?」
乱馬は、そんなことを言って笑っていた。
…あたしは、そんな乱馬の態度が不思議で仕方なかった。

「乱馬…平気なの?」
なので、思わず不思議に思っていたことを、あたしは口に出した。

「平気って?」
乱馬はあたしのその質問に怪訝そうな顔をしている。

「だって…右京、たとえ相手が小夏さんと言えども、
他の男の人と一緒に暮してるんだよ。しかも、相手は右京のこと好きなのに」
「それで?」
「それでって…右京だって一応、乱馬の許婚…」
あたしがそういうと、その言葉を聞いた乱馬は、意外な反応を見せた。

「あー…そういえば」
「ちょ…」
あたしは、何だか拍子ぬけてしまった。
「そうだったって。そんな他人事みたいに」
なので、妙な話だけど、思わず右京を援護するようにあたしは乱馬を戒めると、
「うっちゃんの場合は親父が勝手に決めてきた事だから。それに幼馴染だし、許婚って言われても別に…」
そんなあたしに対し、乱馬は悪びれもせずにそう言ってのけた。

「…」
あたしは半ばそんな乱馬に呆れつつも、何だか少しおかしな所に気が付いてしまった。そして…
「ふふ…」
思わず、笑い出してしまった。

「な、何だよ。何笑ってんだよッ」
乱馬は、急にあたしが笑い出したので、慌てていた。
「別にー」
あたしが笑って誤魔かすと、

「ウソつけッ教えろよッ」
「やーよ!秘密よッ」
「気になるだろッ」
…乱馬はそんなあたしに躍起になって尋問をしてくるけれど、
「秘密よ、秘密!」
あたしはそんな乱馬を振り切って、家への道を走り出した。

「あーッ逃げるなんて卑怯だぞッ」
乱馬も、そんなあたしの後を必死で追いかけてくる。
「卑怯で結構よッ」
あたしは、そんな追いかけてくる乱馬に追いつかれないように必死で走りながら…また自然と笑顔になってしまった。

…ねえ?乱馬。
あんたさっき、『右京は親父が勝手に決めた許婚だから』って、言ったよね。
それってさ。それってさ…あたし達も一緒なんじゃないの?
あたし達だって、「親同士が勝手に決めた許婚」じゃない。
…これってさ、あたし達の事は、たとえ少しでも、「親同士が勝手に決めた」から「仕方なく」許婚をやってるわけじゃないって気持ちがあるんだって、思ってもいいってことかしら?
無意識で言っちゃったとしても、心の中ではそう思ってるって、ことでしょう?

…いいよね?
ちょっとはそう思ったって、いいよね?

「教えろよッ」
「秘密よッ」

…だから。
乱馬が、あたしに対してそういう気持ちを持ってくれてるんだって事、乱馬自身が改めてそれに気が付いて、そしてその口でちゃんと伝えてくれるまで。
あたしからは絶対に言ってあげない。あたしからは絶対に…


「教えてあげないッ」


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