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意外な特技

とある日の、夕食後。


「…あら?」
買ったばっかりのデジカメをいじっていたなびきお姉ちゃんが、そんな声を上げた。
「何よー、変な声だして」
あたしがお姉ちゃんのいじっていたデジカメを覗き込むと、そこには「あたし」が撮影されていた。

庭に水をまいているあたし。
何かを見て笑っている姿だった。

「へー、良く撮れているじゃない」
自我自賛するのは何だかちょっと気が引けるけれど、
お姉ちゃんのカメラファインダーを通した「あたし」は…自分で言うのもなんだけれど、結構可愛く写っていた。
「お姉ちゃん、カメラの腕いいのねえ」
なので、あたしがしきりにおねえちゃんを褒めると、
「何言ってんのよ。この写真撮ったの、乱馬君よ」
お姉ちゃんはそんなあたしにさらりと言い返した。
「え?乱馬?」
「そうよ。あたし、撮った覚えないもの」
「え、でも何で乱馬だって分かるのよ?」
あたしが首を傾げると、
「だって、ほら。この写真の隅。あたしが映ってるでしょ」
なびきお姉ちゃんはそういって、その写真の上隅を指差した。

そこは、なびきお姉ちゃんの部屋の窓。
中にはなにやら人影が。
確かに、お姉ちゃんは滅多に人を部屋に招き入れることもない。
家族が勝手に入るとは思えないし…そう考えると、お姉ちゃんの推理はきっと正しい。


「乱馬君に、ちょっとだけデジカメ持たせてやったことあったなあ、そういえば」
お姉ちゃんはそんな事を言いながら、一人で勝手に頷いていた。
そして、
「あかね、よかったじゃない。将来うちの道場が経営苦しくなっても、乱馬君のこの意外な特技が助けてくれるかもよ?」
「な、何言ってんのよ」
「写真ていうのは、被写体とカメラマンの関係によって、こんなにも変わるのねえ。名カメラマン、誕生ね。ま、でも…乱馬君はさしずめ、あかね専属のカメラマンだろうけど」
あら、羨ましい。なびきおねえちゃんは心にもない事をぼやきつつ、
「ファインダーを通しても、溢れんばかりの愛だわね」
でも、撮らせるのは服着ている時だけにしなさいよ…とかなんとか。そんな事を言って、にやりとあたしを見た。
「な、何言ってるのよッ」
あたしは、おねえちゃんのそんな言葉に妙に照れてしまった。

とそこに、

「あー、あちー…」
今まで姿を見せなかったのは風呂に入っていたからなのか。首にタオルを巻き、ランニングにラフなスエットを着たお風呂上り姿の乱馬が、フラリと居間へ入ってきた。

「やッ」

だけど。
あたしは何だか照れてしまって、そんな乱馬姿を見るなり居間を飛び出してしまった。
「え?な、何?」
…もちろん、やってきたばっかりの乱馬は、あたしのそんな意味不明な行動が理解できないようで、
「なんだ?あれ」
と、首に巻いていたタオルで汗を拭き拭き、首をかしげていたようだ。
「さあ?後で聞いてみたらどう?」
そんなあたし達の様子を見ながら、なびきお姉ちゃんは暢気に笑っているようだった。



「もう!お姉ちゃんたら…変な事言うから、意識しちゃったじゃない」
一方のあたしは、自分の部屋に飛び込んでドアを閉めるなり、ぶつくさと文句を言った。

…でも。

照れちゃう。
照れちゃうんだけど、でも…何だかちょっと嬉しい。
乱馬の目から見たあたしが、自分でも「よく撮れてるな」って思えるような笑顔に…あんな風に映るんだったら、あたしは何だかすごく嬉しい。
「へへ…」
あたしは何だか妙に嬉しくて、ベッドに身体を横たえながらも、知らず知らずと笑顔になる。
…こんな所を乱馬に見られたら、きっと、

「なに一人でにやついてんだ?気持ち悪い奴」

間違いなく、そんな事を言われそう。
でも、
「へへ…」
嬉しい気持ちは、どうしたって隠す事が出来なかった。
あたしはしばらくの間一人、ベッドの上で幸せな気分に浸っていたのだった。


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