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もう少し、あと少し

…もう少し、素直になれたら。
きっとこうやって歩いていても、どちらからともなく自然に手をつないで歩けるのに。


夕暮の、学校からの帰り道。
自分より一歩前を歩く乱馬の、ずっとぽっけに突っ込まれたままの手を見つめながら、あたしはそんな事をずっと思っていた。
呪泉洞での戦いで中国に行くまではそんな事特に思わなかったのに、ついこの間日本に帰ってきてからは、こうして並んで歩く度にそう思う…あたし。
きっと 照れてしまってるのに加えて、
「手を繋ぎたい」
あたしがそんな事いっても、
「何言ってんだ」
そんな風に乱馬に返されてしまうかもしれない。
(それが何だか恐くて、あたしはきっとその一言を素直に言い出せないんだろうな…)
…自分でも、それはわかっていた。


と、その時。
前を歩いていた乱馬が、急に立ち止まった。
「どうしたの?」
あたしが乱馬の方を見ると、
「…」
乱馬は、何だか妙に真っ赤な顔をしながら、黙ってぽっけの中に突っ込んでいた手をあたしの方へ差し出した。
「え?」
あたしが驚いて戸惑ってると、
「う、家に帰るまでだからなッ」
乱馬はそんな事を言いながら、戸惑ってるあたしの手をぎこちない手つきで掴み、再び歩きだした。
「…」
…どうやら乱馬の奴も、あたしと手を繋ぐタイミングを考えてたみたいだった。


お互いが手を繋ぎたいと思ってるのに言い出せないなんて。
笑っちゃうぐらい、ホントに素直じゃないあたしたち。

「今日だけしか繋いでくれないの?」
「べ、別におめーが嫌じゃなければ俺は…」
「…嫌じゃないもん」
そう言って赤くなったあたしと、
「お、俺だって別に…」
後ろ姿が明らかに照れてる、乱馬。

たった一言、
「いつでも手を繋ぎたい」
そんな簡単な言葉が言い出せないあたし達。
そのくせ一度手を繋いでしまったら、夕焼けで赤く照らされたアスファルトと同じくらい赤い顔をしてるくせに、しっかりとお互いの手を握りあって離さない。
何だかそのギャップがおかしくて、もどかしくて。
そして、今のあたし達をまさしく象徴しているように思えた。



もう少し…あと少し。
やっぱり素直になれない、あたし達。
あたし達二人が頭の中で思い描いているように、自然に手を繋いで歩けるようになるまで…もう少しだけ時間がかかるような気がした。
だから、もう少し…あと、少し。
「素直になりたいの」
あたしは、真っ赤になったままあたしの手を引いて歩く乱馬の背中に向ってそう呟いていた。

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