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ホッカイロ

「は…」
家の中にいるのに、思わず自分の手に息を吹きかけてしまう、あたし。
すりすり、と何度も自分の手をこすり合わせては、はあ…と息を吹きかける。
冷え性のあたしには、暖房が効ききる前の部屋の中ほど辛いものは、ない。
「何だよ、寒いのか?」
…それとは対照的に、暖房がついていようが無かろうが、あたしの部屋に来た時点で勝手にベッドの上でくつろいで寝転がる乱馬。
掛け布団をかけていなくても、全然寒そうな素振は見せない。
「冷え性なのっ。女の子は、寒さに弱いのよ」
「鍛え方がなってねえんだよ」
「余計なお世話よっ」
ぶるぶると身を震わせながら、ゴソゴソと机の引出しをあさりだすあたし。
そんなあたしに、
「何探してんの?」
寒さなんて全く感じてない乱馬が、のんびりと尋ねる。
「カイロっ。小さいホッカイロっ」
「なんで?」
「手だけでも、温めないとっ…・あ、あった」
そんな乱馬に、寒さでイライラとしながらあたしは叫ぶ。
そして、机の引出しに忍ばせていたみ開封の小さな携帯用ホッカイロを取り出して、シャカシャカと上下に振りはじめる。
けれど、
「…」
そんなあたしの様子をじっと見つめていた乱馬は、何を思ったのかあたしの手からそのホッカイロをヒョイッと取り上げてしまった。
「あ!なにすんのよっ」
あたしが慌てて乱馬からそのカイロを取り戻そうとすると、
「こんなカイロ無くても、俺が温めてやる」
乱馬はあたしの攻撃をヒョイッと交わすと、
「あ!」
自分に向って繰り出されているあたしのその手を両手で掴み、そのままぐいっと、あたしの身体を引き寄せた。
「あわわっ…」
急に手を引っ張られたあたしはバランスを失って、ベッドの上で寝転がっている乱馬の横へと、ドサっ…と転がってし まう。
そんなあたしに、
「よし、ついでに身体も温めてやろう」
乱馬は調子のいいことを言いながら、嬉しそうに抱きついてきた。
「ちょ、ちょっと!」
あたしがそんなの乱馬の身体を引き剥がそうとするも、
「寒いんだろ?ちょうどいーじゃねーか。人肌ヒトハダ」
乱馬は、あたしの抵抗なんてお構いなしに嬉々として抱きついたままだ。
「もー…」
もちろん、そうやって抱きついてくる乱馬を、そうは簡単に引き剥がす事なんて出来ないわけで。
あたしは結局は観念するは目になって、乱馬に「温めて」貰うわけだけれど。


でも、確かに。
ホッカイロを温めて握り締めていても温かいけれど、
大きな手で、ぎゅっと手を包まれている方が、温かいや。
何ていうのかな、物理的な温かさと、あとは…気持ち?
他の人がこうしてくれたらどのくらいの温かさと感じるかは分からないけれど、
乱馬に温めてもらうのは、本当に温かい。ううん、むしろ熱いくらいだわ。


「あったかい」
「だろ?なんなら、洋服も脱いで温めた方がもっと…」
「調子に乗んないの!」
ボコっ。
「いてっ…」
あたしに拳で顎を殴りあげられた乱馬は、「ちぇえっ」とか何とか言いながら、顔をしかめていた。


結局その日は、暖房が部屋中に利ききっても、あたしと乱馬はずっとくっついで部屋で過ごしていた。
寒がりなあたしには、エアコンだけではどうやら冬は、越せないらしい。

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