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言われてみたい

「なー、やっぱり夢だよなあ」
「男としては当然だな」
「一度くらいはなあ・・・乱馬は羨ましいよ」
・・・
ある日の放課後。教室で悪友のひろし・大介と話していた俺は、不意に二人の攻撃対象となった。
何でも、「複数の女から好きだと迫られたい」という話を勝手に飛躍させて、
「乱馬!」
「乱ちゃん!」
「乱馬様っ」
と、毎日のように例の三人娘に追い回されている俺をうらやみ始めたようだが、
「だったら、代ってくれ」
他の男からしてみれば確かに贅沢且つ羨ましい事なのかもしれないけど、
勿論俺としては、ただ単に困っているだけであって、それが本心だ。
それに、
「・・・」
・・・言われてみたい奴に言われなければ、「好き」なんて言葉は意味、ねえよ。
俺がそんな事を思っていると、
「あら?あんた達、まだいたの?」
ガラリ。
不意に教室のドアが開き、クラスメートのさゆりが入ってきた。
さゆりの後ろには、あかねがいる。
「全く、暇人ねえ。高校生の男の子なんだから、放課後くらいデートの一つや二つしてきたらどうなの?」
「余計なお世話だ!」
「さ、モテナイ男共は放っておいて、あたし達は帰ろう、あかね」
いつでも口が達者なさゆりは、俺達にそんな暴言を吐いてから、席においてあった鞄を取り、教室の外へと出て行く。
あかねも自分の席の鞄を取って外へと出ようとするけれど、
「きゃっ・・・」
ガタガタッ
鞄が机にぶつかって、ぶつかった机の中のものが床に散乱してしまった。
「あーあ、何やってんだよ」
俺が相変わらずドジなあかねにそんな言葉を掛けると、その横から、
「俺、拾ってやるよ」
「あ、俺も」
クラス、いや学校自体のアイドルのような存在のあかね。
頼みもしないのに、しゃしゃり出てきてあかねがぶちまけた荷物を拾ってやっていた。
「ありがとう、二人とも・・・優しいね」
文句だけ言って眺めていた俺を無視して、嬉しそうな笑顔を向けるあかね。
「まー、あかねには優しいのね」
さゆりがそんな悪態をつくも、
「まあまあ、さゆり。二人とも本当にありがとう」
あかねは、さゆりをなだめつつ二人に頭を下げた。
またその笑顔が妙に可愛くて、何だか俺は勝手にむしゃくしゃする。
俺がそっぽを向いていると、
「ま、優しくない男よりは優しい男の方が好きよね?あかねだって」
「え?あ、まあ・・・」
「ほんとだったら真っ先に動いてくれても良さそうなのにねえ」
「・・・」
さゆりとあかねは、そんな会話を交わした後、教室を出て行った。
去り際、俺とあかねは何故か目が合い、不自然に反らす。
・・・
「はー、やっぱり可愛いよなあ。あかねは」
「優しい男の方が好きだって。てことは俺の事を好きだという事か」
「ばか、それは俺の事だ」
そんなあかねの姿をふにゃり、とした笑顔で見送りながら、ひろしと大介がそんなことを言い合っていた。
二人には、俺とあかねが目を合わせた事とか、一応は俺達が「親同士が決めた」許婚であることなどは頭にないらしい。
「けッ」
・・・優しくない男で悪かったな。
勿論そんなあかねも、そしてあかねの言葉を勝手に良いように解釈をして喜んでいるひろし達のことも俺は気に食わないわけで。
「あーんながさつで色気もねえ女に好かれたところで迷惑なだけだぜ」
「お前の目は節穴か?あかねのどこが色気がねえんだよ」
「ホントホント、お前一体何を求めてるんだ?」
「うるせえなっとにかく俺は、あんな女はお断りだっ」
結局は心にもない事をさんざ口にして、ひろし達に悪態をついていた。

 

でも。

 

「・・・」
ホント言うなら、俺だって言われてみてえよ。
言われた言って思う相手に、「好き」だって。
・・・嘘でも良いからさ。
きっと男なんて単純だから、
それが嘘だって、調子のいい言葉だって分かっていたって、
言われたら言われたで、舞い上がっちまうに決まってるんだ。そう、さっきのひろし達のように。
だって、あのあかねが言うんだぜ?
俺に。
「乱馬のこと好きなの」って・・・素直に、俺だけに向かって。
そんなこと言われたら、俺・・・。
・・・
・・・・・・でも道は険しそうだな。
大体、嘘でもいいから「好きだ」って告げる状況を作るのが不可能に近いんだよ。
「・・・」
何で世の中ってのは上手く出来てねえんだ?
俺はそんな事を思いながら大きなため息をついていた。


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