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愛し君へ4

その翌日。
あかねは、留学の準備をしたい、という理由と体調があまり優れない、という理由で学校を休んだ。
とはいえ、 あかねの留学に関しては、一応出発するまで皆には黙っている事になっているようで、先生には「留学の準備が間に合わないから」、と体調不良のことだけは伏せておき、その他の生徒には、「体調不良のため」と、留学の事は伏せておいた。
何だか、ちょっと、ややこしい。
ただ、 一応あかねは、この学校のアイドルだ。

「何!あかね君が留学!?」

・・・九能先輩をはじめ、あかねの留学を知った熱烈な追っかけが、妙なことをしでかさないかと配慮した、学校側の指示があるゆえに、何としても留学の事は秘密にしておかなくてはいけないわけで。
よって、あかねの留学を知っているのは家族と教師、そして英語部の面々のみ。
おかげで、

「・・・」

廊下に張ってあった、英語部の留学生を募集するポスターも、今日は剥がされていた。
代わりに、チアリーディング部の部員募集のポスターが貼られている。
ポスターが入れ替わっている事に、廊下を通る他の生徒は誰一人、気がついていない。
俺だって、あかねが留学生になんてならなければ、きっと今日ここのポスターが入れ代わったなんて、全然気にも止めなかった。

・・・ここにあったポスターを見て、あかねは留学制度の事を知ったんだな。
そしたらちょうどそのタイミングで、教師があかねに声をかけてきて・・・。
ああ、少なくてもこんな所にあのポスターが無ければ、あかねだって、そんなに興味なんてなあ・・・。
もっと早く、チアリーディング部がこの場所にポスターを貼っていれば良かったのに・・・!

「・・・」

俺がそんなことを思いながら、チアリーディング部のポスターの前で立ち止まっていると、
「何よあんた、そんな暗い顔して。そんなにチアリーディング部に入りたいわけ?」
俺の背後で、そんな声をがした。
そんなわけねえだろ…俺がそんなことを思いながら振り返ると、そこにはなびきが立っていた。
「ま、何考えているかぐらいは分るけど」
なびきはそう言って、
「ここじゃ他の人に話を聞かれるから、場所、移動しましょうよ」
「・・・」
「何よ、来るの、来ないの?はっきりしなさいよ」
「・・・行くよ」
ぐでぐでとしている俺を連れて、誰もいない屋上へと俺を連れ出した。
そして、
「昨日、あかねがずーっと、泣いてたみたいなんだけど。今朝も、顔見たら目が真っ赤だったし」
「・・・」
「またあんた達、喧嘩したの?」
なびきは屋上につくなり、俺にそう質問した。
「・・・喧嘩なんてしてねえよ」
俺がぼそっと呟くと、
「快く送ってあげなさいよ。せっかくあかねが希望していた留学、出来るって言うのに」
なびきが、そんな俺に対し「全く子どもね」とため息をつく。

「あんたそんなに、あかねと片時も、離れたくないわけ?そんなに独占欲強くてどうするのよ」
「ち、違う!俺はただっ・・・」
「ただ、何よ」
「ただ・・・」

事が決定するまで俺に秘密にされてた事。
こうやって離れ離れになることが「たいした事ない」と、あかねが思っていたこと。
・・・それによって自分とあかねの心の距離を知ってしまったこと。
だから、なるべくあかねに負担をかけずに自分だけ盛り上がった気持ちを抑えようと、あかねを突き放そうとした事。
それによって、逆にあかねが深く傷ついた事。

・・・俺は、何でこんな事コイツに話しているんだろう?と自分で不思議に思う程、なびきに話していた。
するとなびきは、
「・・・ふーん。事情は何となくわかったわ。ま、今回の事はあかねも一つ悪いわね。というか、言葉が足りないのよ、あかねも。乱馬君と一緒で。おまけに二人とも、言われた事で頭が一杯になると、人の話なんてろくに聞かないから」
まずはそう言って、「ホント、似た物同士ねえ」とため息をついた。
「・・・うるせえよ」
俺がボソッとそう呟いてそっぽを向くと、
「でも、あんたも悪いわ」
「な、何で俺が・・・」
「素直に言えばよかったじゃないの。あかねに急に冷たくしたわけを。外面ばっかり気にしてるから、事がややこしくなるのよ。いいじゃない、カッコ悪くたって。どうせたいしたルックスでもなし。男前でも何でもないんだから」
「よ、余計なお世話だ!」
「あの子は勘が良い人間じゃないでしょ?それくらいあんただってわかるでしょうが。あんたの気持ちを全て汲み取ってやれるほど、出来た人間じゃないのよ。それに、留学の話をした途端に態度が変わって冷たくされて、『留学の準備で忙しいから』なんて言われたら、あかねで無くたって、留学していく事が気にいらないんだって、思うわよ」
なびきはそう言って、俺の顔をじろりと睨んだ。
俺がぐっと言葉を詰まらせると、
「それに。あんた、三つ誤解しているわ」
なびきはそう言って、俺に指を突きつけた。
「誤解?」
しかも三つ?・・・俺が首をかしげると、
「まず一つ。あかねがここ数日あんたを部屋に入れなかったのは、純粋に部屋が散らかっていたから。女の子はね、本当に部屋が散らかっているその姿を、好きな人には見られたくないのよ」
「で、でもいつもはそれでも・・・」
「いつものあの状態は、散らかってるうちに入らないわよ。留学に持ってく荷物で、ホントに足の踏み場も無かったのよ。あんた、あの部屋見た?」
「いや・・・」
入ろうとしたって入口で断られて、覗く事もさせてもらえなかった。
俺がボソッとそう呟くと、
「ベッドの上まで荷物で一杯よ。あかねはね、この一週間あたしの部屋で寝てたのよ」
「え?」
「自分の部屋でも寝れないような子が、あんたと一緒に寝れるわけ無いでしょ」
だいたい、あたしの部屋にあんたまで転がり込まれちゃ迷惑だわ・・・と、なびきは言った。
俺が驚いて言葉も出せずにいると、
「二つ目。あんた、あかねがあんたを避けて下校したりしてるって、言ったわね」
「あ、ああ」
「そりゃ、英語部に行って話を聞いたりとかはしてたみたいだけど、そんなの毎日じゃないし、聞いても三十分くらいだって、あたしの友達も言ってたわ」
なびきはそう言って、一息置いた。
そして、
「あんたは昨日の夕飯の時にいなかったからあれだけど、あかね、楽しそうに話してたわよ」
「何をだよ」
「お父さんが、出発の前の日に皆でご飯でも食べに行こうか・・・って提案しても、あかねは断ったのよ。あんたと出かける予定だからって」
「・・・」
「学校帰りに、その場所に関してのパンフレットとか載っている雑誌とか見て、一人で色々と計画立ててるんだって。あんたがそう言うの考えるの苦手だって知ってるし、一緒に部屋で見ることが出来ないから、そのお詫びにあたしが立てなきゃ、って。その話し聞いて、お父さんがあまりにもしょんぼりするから、急遽十三日に、皆でご飯を食べに行く事になったんだけどね」
なびきはそう言って、黙っている俺の顔をじろりと睨む。
「・・・学校側は、本当は日曜日の三月十四日に出発をさせたかったみたいよ?休日だし、その方が皆であかねの見送りにいけるからって。でもあかねが断ったんですって。十四日は大事な用事があるからって」
「・・・」
なびきの言葉に、俺はハッと息を飲む。


・・・確かに昨日、あかねは俺と言争いをしている時に言ったっけ。
『一緒に出かけて遊ぶつもりで、色々情報だって集めたのに・・・』
って。
あの時俺は、それを聞き流してしまっていたけど・・・あれは真実だったのか。
それを気がついてやれなかった自分に、俺はやり場の無い怒りを覚える。
「そうまでして楽しみにしてたのにねえ。あんた、何やってんの?」
なびきが、鋭い声で俺に問う。
「・・・」
ホントに、俺、何やってんだろう・・・短い質問なのにあまりにも鋭く、そしてあまりにも的確な質問に、俺は答えることが出来ない。
「・・・」
俺がそんなことを考えながら黙り込んでいると、
「あともう一つ、あんた誤解している事があるわ」
「何だよ・・・」
いよいよ三つめの誤解。俺がなびきからそれを聞きだそうとすると、
「・・・人の話を良く聞かないから、こんなややこしい事になるのよ」
「・・・」
「最後の一つは、あんたが直接、あかねから聞きなさい」
「えっ・・・」
なびきは急に突き放したような口調になり、俺にそう言い放ち、屋上から出て行ってしまった。
俺が、あかねに直接聞くのか?
そんなの・・・できるわけねえじゃねえか、こんな状態で!
俺は、急に俺を突き放したなびきを心底恨んでみるも、

『人の話を良く聞かないから、こんなややこしい事になるのよ』

突き放す直前になびきに言われたその言葉が、気になってしょうがない。
・・・確かに俺は、あかねの話を聞かなかった。
あかねが何か弁解をした時だって、頭の中が別の事で一杯で、全然頭にも入ってこなかった。
記憶を遡ろうとしても、耳に届かなかったものが勿論記憶として残っているわけも無い。

「・・・」

俺のしている、誤解。
何だろうか・・・確かめたい。でも、確かめる勇気が無い。

「・・・」

でも・・・このままあかねとこんな状態のままで、あかねと長い間離れ離れになんて、なりたくねえな・・・。
両極端の気持ちが、胸の中で交差する。
「・・・どうすっかなー・・・」
俺は、屋上の柵に身を委ねて空を仰ぎながら、いつまでもそんなことを考えていた。





その日の、夜。
体調が優れない、というあかねは部屋で食事を取るらしく、他の家族の食事が終わった後、かすみさんとお袋が、
台所で色々と準備をしていた。
「海外に行くんですもの、体調は万全にしておかないとね」
「あかねちゃん、大丈夫かしら・・・」
「ねえ・・・。女の子だし、心配だわ・・・」
二人が、そんなことを言いながら食事の準備をしている。
「・・・」
俺がそんな二人の様子を居間でボーっと見ていると、

「んんっ・・・ん!」
・・・妙にわざとらしい咳払いが、俺の背後から聞こえてきた。

何事だ、と振り返ると、夕刊をテーブルの上に広げて読みながら、なびきが声を出していた。
『あんた何、ぼーっとしてんの。あんたがあの食事、あかねの所に持ってきなさいよ。』
なびきの、妙にとげとげしい咳払い。俺にそんな無言の圧力を与えている。
「・・・」
で、でも・・・。俺がそんな風に戸惑っていると、
「んんっ・・・」
なびきが、更にもう一度咳払いをする。
「くっ・・・わ、分かったよ」
俺は、ノロノロと居間から立ち上がり、お袋達のいる台所へと向かおうとした。
と、その時だった。

・・・ぎゃろん!

妙に空気を切るような音と地面がこすれる音が聞こえたかと思うと、
「ニイハオ、乱馬!」
ピシャ!っと元気良く廊下のガラス戸が開き、庭からシャンプーが入ってきた。
「乱馬、会いたかったぞ!」
シャンプーはズカズカと家の中にあがってきて、遠慮なしに俺に抱きつく。
「ちょっ・・・離せってば!」
俺が他の家族の目を気にして慌ててシャンプーを引き離すと、
「日曜日のチケット、持ってきたある!」
シャンプーは笑顔でそう言いながら、肩からたすき掛けにしているポシェットから、長方形の紙を取り出した。
そして、俺の手に無理やりそれを握らせると、
「約束、楽しみにしてるあるぞ!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!シャンプー、俺やっぱり・・・」
「約束は約束ある!それでは、待ち合わせ場所で当日!」
俺の話を聞かずに一方的にそう叫び、シャンプーは去ってしまった。
俺の手の中には、シャンプーが客に貰ったという映画のチケットが、しっかりと握り締められている。
「・・・へー?」
そんな俺を、なびきがちらっと見上げてから、
「随分といいご身分ねえ」
すぐに新聞に目を移し、小さいけれど鋭い声で呟く。

「こ、これは誤解でっ・・・」

・・・そう、俺があかねの留学を始めて聞いた時、あまりにも頭の中が混乱して、シャンプーが持ちかけたデート話に上の空で返事をした。
そしてそのまま・・・そう、自分の気持ちを落ち着かせるためにも、あかねと一緒に過ごさない方がいいだろうって勝手に思い込んで、決めたデートだった。
「ふーん」
もちろんそんなこと、俺が今更なびきに説明しても、言い訳ぐらいにしかとられないわけで。
ただただ、視線が痛いだけだ。
「ちょっと、俺、このチケット返してくる!」
とりあえず他の家族がこれに気がつく前に、俺はシャンプーが持ってきたチケットを返しに行こうと、玄関に行くべく居間から出て行こうとしたが、
「あ!」
居間から出ようと廊下に出た瞬間、思わずぎょっと、後ずさった。

・・・起きて欲しくない事というのは、どうしてこんなに良いタイミングで起きてしまうのだろうか。

「あ・・・あかね。お前、部屋で寝てたんじゃ・・・」
居間の中からは気がつかなかったけど、居間から出てすぐの廊下にあかねが、立っていた。
何となく顔色が悪い。
もちろんその顔色の悪さが、体調不良のせいだけでは無いことぐらい、俺にもすぐにわかった。
「・・・日曜日の用事・・・」
「え・・・」
「・・・すごく、大事な用事だって言ったよね?」
顔色の悪いあかねが、震えるような小さな声で、そう呟いた。
「ち、違う!今のは・・・!」
俺が慌てて事の経緯を弁解しようとするも、
「・・・わかった」
あかねは俺の言葉を遮るようにそう言い捨てると、そのまま廊下を引き返して二階への階段を駆け上がっていってしまった。
「あ、ま、待って!」

まずい。
自分のせいでややこしくなってしまったのもあるけれど、とりあえずこの件に関して誤解をとかないと。
俺は慌てて階段を駆け上るも、今日も今日とてなびきの部屋で寝ていたらしいあかねに、部屋の中まで会いに行く勇気がない。

「・・・」
コン、コン。
部屋のドアを、外から何度もノックする。
でも、あかねがドアを開けることは無い。
「あ、あかね・・・違うんだよ、あれは誤解で・・・。俺、今から断ってこようと思って・・!」
仕方なくドアの外で叫んでみるも、それが中のあかねにちゃんと届いたかどうかは分らない。
と。
「ちょっと退いてくれる?そこ、あたしの部屋の前だから」
トントントン、とゆっくりと足音を立てながら、なびきが階段を上がってきた。
「なびき!あかねは・・・」
「あかねは中でしょ?そんなの分ってる事でしょうが」
「そ、そうじゃなくて!俺、あかねに誤解させちまって・・・」
「誤解って言うか、元はといえばあんたが安易にデートなんて決めてくるからそうなったんでしょ」
なびきは、ドアの前でクマのようにウロウロしながら動き回っている俺に、ピシャリとそう言い捨てる。
「そ、それはそうだけど・・・」
俺がなびきの言葉を受けて、がっくりと肩を落とすと、
「とにかく。今はあんた、下に行きなさいよ」
「で、でも!」
「今あんたが部屋の中に入って何か話そうとしたって、あんたが混乱してた時にあかねの話を聞かなかったように、あかねだってあんたの話なんか聞いてないわよ」
なびきは更に追い討ちを掛けるようにそう、言い切った。
俺が更に肩をがっくりと落とすと、
「・・・ま、このままあかねが酷く傷ついて留学して、妙な男に引っ掛かっても困るし?」
「な、何だよそれ」
「事と次第によっちゃあ、あたしが少しだけ協力してやってもいいわよ?」
なびきは、そんな俺の目の前にすっと手を差し出した。
「・・・なんだそれは」
「何って、見てわかんないの?先立つ物は、お金でしょ?協力料で五千円」
「金とるのかよ!」
「当たり前でしょ。可愛い妹を傷つけられてんだから。慰謝料もプラスで取られないだけいいと思いなさいよ」
「くっ・・・!お前、俺の味方じゃねえのかよ!」
「何回言わせるの?あたしはお金の味方よ」
「・・・」
こんな状況になっても、容赦なく俺から金を取るのかよ。・・・俺はなびきの真の恐ろしさというか、本心がわからなくてげっそりとするも、
自分ではどうにもできないこの状況では、背に腹は変えられない。
「・・・いつもより高いじゃねえか」
なけなしの金を、しぶしぶとなびきに俺が差し出すと、
「それだけ事態が急を要するって事でしょ」
あ、内税だから。感謝しなさいよ・・・と、更にそう付け加えて、なびきはあかねのいる部屋に入っていった。

「・・・」

俺は、少し寂しくなった財布をポケットに戻しつつ、しばらくはなびきの動向を覗おうと部屋の前でウロウロしていたけれど、いつまでも事態が変わる見込みが無いのか、なびきが外に出てくる兆候が全く見られない。
「・・・」
とりあえず俺は、なびきの指示どおりに居間へと下りて、
「あら、なびきちゃんは?もう寝たの?」
「あ、そ、そうみたいだけど・・・」
「あかねちゃんも、お夕食いらないみたいだからって、さっきなびきちゃんが言ってたけど・・・二人とも、どうしたのかしら」
「さ、さあ・・・」
他の家族の追求を誤魔化しながら、新聞を読むフリをしたりしながら時間をやり過ごした。

テレビの音も耳に入ってこない。
新聞なんて、気がついたら逆さまだった。しかも、昨日の日付だし。
ソワソワと、何度も居間の中でも場所を変えて座ってみるも、心はまるで落ち着かない。
その内、俺はなびきの部屋の前まで様子を覗いに行く事にするも、やはり何かが動く気配を感じる事は無く、ため息をつく。

そんな俺はふと、今は誰もいないあかねの部屋のドアを、開けてみようと思った。
ガチャ・・・ゆっくりとドアノブを回し、俺は中を覗いてみる。
すると、いつもは両足を伸ばして座れるほど悠々としたスペースのある床に、所狭しと荷物が散乱していた。
雑誌に、小物に・・・まだ荷物の入れ途中なのか、蓋が開きっぱなしのトランク。
自分の荷物の他に、色々な書類や英語の辞書とか。そんなものも置いてある。
ベッドの上には、持っていく予定の服や制服の替えなんかが綺麗に置かれていた。
そしてその横に・・・あかねが俺と遊びにいこうと集めていたという、プレイスポットのパンフレットが置かれていた。



「・・・」



ああ・・・。
俺は思わず目を閉じる。
あかねに対して妙な疑念を抱いていた自分に対し、絶望的な怒りと虚しさを感じた。



・・・確かに、これじゃあ俺どころかあかねでさえものんびりと過ごす事が出来ないだろう。
・・・
「・・・」
俺は、何ともいえない気持ちを胸に、そっと部屋のドアを閉じた。
そして、何だか言い知れぬ罪悪感に苛まれつつ、再びなびきの報告を待つべく、階段を降りて居間へと戻った。
俺はなびきの報告を随分と夜遅くまで居間で待っていた。







・・・でも。
その日なびきが、事態が丸く収まりそうだと、俺のところに報告に来る事は無かった。

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