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who?

自分の気持ちが届かないことも、そして思っていても絶対に適わないことも判っている。
・・・なのにどうして、諦めることが出来ないんだろう?

 

いつものように、学校帰りに東風先生のところへ寄ったあたしは、後から用事があってやってきたかすみお姉ちゃんと、先生の姿を見て一人そこを出た。
そして家に帰ってきて道場でがむしゃらに稽古をするも、もやもやした気持ちはどうしても拭い取ることが出来ずにいた。


二人は、お似合い。
二人は・・・かすみお姉ちゃんはどうなのか分からないけど、少なくても東風先生はお姉ちゃんの事が大好き。


町内中のみんなが、そんなこと知っている。
だから、あたしには間に割って入ることは出来ない。
それは、誰もが知っている恋愛相関図。
それに加えてあたしは、先生もお姉ちゃんも好き。だから、二人が幸せになってくれればそれでいい。
・・・
・・・
・・・・・・でも、自分がそんな風に思うことが実は「綺麗ごと」だってこと。
あたしは心のどこかできっと・・・知っている。
・・・
「・・・」
ヤナ、子。あたし、すごく嫌な子。
二人の幸せも祈っていて、でもそれを上手く受け止めることが出来ない自分の存在もわかっていて・・・
何だか、どうしたらいいのか全然分からない。
一体どうしたら、この気持ちはこの胸から消えてくれるんだろう?
・・・


ああ、胸のサイズは小さいのに、どうして大きなモヤは普通に収納されてしまうの?
世の中って理不尽だ。


「・・・」
あたしはそんな事を考えながらゴロン、と道場の床に寝転んだ。
心が疲れると身体も疲れるのだろうか?
いつもの稽古量の半分もこなしていないと言うのに、あたしは何だか動く事ができなくなっ
ていた。そしてそのまま・・・眠り込んでしまっていたようだった。

 

・・・
どれくらい時間が経っただろうか?
・・・そんなあたしは、なにやら夢のような幻のような・・・ぼんやりとした感覚を帯びていた。
自分でも、起きているのか眠っているのか分からない。
でも、目を閉じているのだから眠っているんだろうな。自分でそんな風に思う。


と。


とても暖かい何かが、あたしの頭に触れ始めたような気がしてきた。
ふんわりとしてずっしりとして、でも柔らかくて・・・これは、もしかして手?
あ、もしかしたら誰かが頭を撫でてくれているのかな?
あたしはそう思った。
大きくて、とっても暖かい手。
一瞬お母さんかな?と思ったけど、どうも女性の手ではない。男の人の手だ。
「・・・」
目を開ければ、きっと誰なのか確認でいるはずなのに、何だか目が重たくて開けること出来ない。
でもとても柔らかくて気持ちよくて、すごく、すごく優しい手・・・あたしは居心地の良いその感触をしばしじっと感じていた。
とその内。その手が離れてしまった。
「あっ・・・」
あたしは、思わず声を上げた。何だか今なら目も開きそうな予感がする。
呼び止めたい。もっと、撫でて欲しいって・・・呼び止めたい。
・・・
「っ・・・」
・・・そこで、あたしは現実の世界に引き戻されたようだった。
あたしは慌てて目を開けるも、
そんなあたしの目に映ったのは、肩下くらいまで降りたまっすぐの髪をした男の人の後ろ姿だけだった。
あの、頭を撫でられていた感覚は、夢とか幻じゃなく実際に撫でられていたって事?
しかもチラリと見えた後ろ姿は男の人だった。
我が家で、 ジンベエみたいな着物を着て過ごしている人といえばただ一人。
もしかして今の、


「・・・お父さん?」


そう、お父さんだったのかな。
そうか、だから優しい手だったんだな。そうだよね、娘の頭を撫でるんだもん、優しいよ。
心が疲れているときに、家族のこういう風な温かさを感じるって、何だか嬉しいな・・・男の人でも、お父さんみたいに優しくて暖かい手があるんだよな・・・。
「・・・」
あたしは、さっきまで撫でられていた頭へとそっと手を当てた。
今でも思い出す、すごく居心地の良い手、だった。
どうしてお父さんがふらりと道場に来て、寝ているあたしの頭を撫でたのかは分からないけど、
あの優しい手のおかげで、あたしの中にあったモヤが、少し払拭されたような気がする。
「・・・ありがとう」
根本的な問題は何も解決していないけど、それでも今のあたしにはマリア様より観音様より
救いの神だったような気がする。
あたしはもう見えなくなったお父さんの後ろ姿に向かって小さく御礼をいい、再び気を取り
直して稽古を再開した。

 

そんなあたしは、


「あら、乱馬君。何そのカッコ?ジンベエ?」
「あー、これか。何か服が全部洗濯中みたいだからって、おじさんが貸してくれた」
「髪も何、それ・・・あんた、何で髪長いのにカツラなんか被ってんの」
「パンダオヤジがどこからか調達してきたのを、アイツに似合わないから俺が奪ってやった
の。道場に姿見の鏡があるから、俺が被ったらどんな風かなと思って見に行ったんだけど」
「で?見たの?」
「・・・いや」
「ふーん。ま、でもあんたカツラつけてもあんまり変わらないわよ。パンダよりは」
「当たり前だろ」


・・・道場から出た渡り廊下のところで、なびきお姉ちゃんと乱馬がそんな会話を交わしていたことなど知る由も無い。


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