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銀色の月5

「厄介って?ばあさん、どういうことだよ?」

 

戻ってくるなりそう言ったコロンの不可解な一言に、乱馬はすぐに反応し、コロンに食って掛かった。
「まあ、落ち着け婿殿。まずはこれをみるんじゃ」
コロンはそんな乱馬を再びなだめ、そして乱馬の目の前に1冊の本を置いた。
その本は表紙も縁もボロボロで、ページを構成している中身の紙も「白」というよりは「黄色」に変色していた。
それに加えて、妙に厚みだけはある、本。いや、本というよりは辞典、と表現した方が正しいかもしれない。
「なんだ?その本」
乱馬が率直にそう尋ねると、
「これはな、この地方一帯の歴史を記してある本なんじゃよ。遥か東の方にある国にも、こうやって、自分達の国の歴史を一冊の本に詳細に記しているところもあるみたいじゃ ぞ?まあ、それと同じことだと考えてよかろう」
ちなみに東洋の本は、「日本書紀」というそうじゃ。コロンはそんなことを乱馬に説明しながら、パラパラパラ…とその 古びた本をめくると、
「ほら、婿殿。このページのこの紋章…見覚えあるじゃろ?」
コロンが、本のとあるページで手を止めて、そのページの一部分を指差した。
コロンが指差した部分には、乱馬の瞳にしっかりと焼きついている、ナイフ男から千切りとった布に描かれていたあの「紋章」が描かれていた。
「これ!」
乱馬は慌てて、自分がしっかりと握りしめていた、布の切れ端と再び見比べる。
「これ…同じ紋章じゃねえか!どこの紋章なんだよ!?これッ…」
乱馬がすっかり興奮してコロンにそう叫ぶと、
「婿殿もきいたことはあるはずじゃぞ、この地方に伝わる、古くからの言い伝えを。…雷の夜の、魔女達の話を」
コロンはそういって、乱馬にその言い伝えを確認させるべく、話しだした。

 

…その昔。
雷が天から幾筋も降り注がれるそんな夜は決まって、古よりこの世界のどこかに隠れているという「魔法の力」を持った不思議なものたちが怒り、そして嘆き悲しむのだと いわれている。
それは、不思議な事にどこの国でも言い伝えられている、昔話。

「今の、この剣が横行している時代では、昔のように完全に「魔法使い」と呼びきることの出来るものはあまり見かけ なくなったとは思わんか?戦いの一環として、魔法という力を用いるものはかろうじておるが…」
「そういえばそうだな」
「古に、魔法使いと呼ばれたものたちは、実はその種を絶やしたのではなく、ただ単にある場所にその姿を隠してい るだけなんじゃよ」
「ある場所?」
「そうじゃ」
コロンはそこで一息置き、そしてまた再び話し出した。
「彼らはな、婿殿。亜空間に自分達の城を築いて、そこでひっそりと生活をしているのじゃよ。時がたつにつれて、彼らはワシらと同じ世界では済む事が出来なくなってしまったんじゃ…。亜空の城で無いと生 きることが出来ないんじゃよ」
「亜空間…?」
「まあ、要は、わしらがこうやって生活している現実の世界と、完全なる魔法使い達が作り出した魔法の世界と の狭間の場所じゃ。そして…婿殿が見たそのナイフ男は、その紋章をがついたマントのようなもので全身を覆っていたのじゃろ?」
「ああ」
乱馬が、あかねを連れ去られた時のことを思い出しながらギッと歯を食いしばり答えると、
「ならば…その相手は、その亜空の城に住む、魔法使いたちを統べる…王。もしくは、王に匹敵するくらい強い力を持った、王の一族の一人じゃろうな」
コロンは、そんな乱馬に乱馬が想像していた以上の相手の「真の正体」を述べた。
「…なんで、そんな王様がわざわざあかねを探してたんだよ?しかも連れ去りやがって…」
しかし、どうしてそんな身分のものが、わざわざ現実世界に済むあかねを探していた上に、連れ去ったのか。
乱馬は、まだ納得できていなかった。
もちろん、その「理由」に関してはコロンもそういえるので、
「さあ…わしに分かるのは、奴らの正体くらいじゃな。何でその王があかねを探していたかというのは、本で調べるよりも、まずはあかねの家族に聞いた方がいいの ではないか?連れ去られたあかね本人には心当たりががなくとも、子供の時の事とか…国王一族なら、もしかしたら亜空間の ものたちと接触する機会があってもおかしくないからのう」
コロンはそういって、乱馬に例の分厚い本を渡した。
「おう。ありがとな、ばあさん」
「ま、とりあえずはその本をよく読んでみるのじゃな。それと…婿殿」
乱馬がお礼を言って、コロンの元から城へと帰ろうとしたちょうどその時。
コロンが再び、乱馬を呼び止めた。
「なんだよ、ばあさん」
乱馬がコロンの方を振り返ると、
「うむ。その紋章を持つ魔法使いの一族はな、遥か昔より、非常にプライドが高くて、気高いもの達だとわしは聞いておる。
それはまあ、本を読んでいけばわかるんじゃが…その一族の王ほどの身分を持つものが、どんな理由があったにせよ、身にまとっている衣服をちぎり取られたとなると…プライドを傷つけられたそ奴は、必ずや婿殿にその「落とし前」を つけようとしてくるはずじゃ。…気をつけるのじゃよ」
「…ああ。ありがとな、ばあさん」
乱馬は心配そうに呟くコロンの忠告をありがたく胸に留め、店を後にした。

 

…乱馬が城に戻ると、既になびきから報告を受けていた早雲をはじめ、城中は騒然としていた。
「うわーん、あかねーッ」
早雲は大泣きしながらおろおろ、そわそわしているし、
「あかね、大丈夫かしら…」
かすみも、いつもの穏やかで柔らかい表情など感じさせないぐらい、不安げにその顔は歪んでいた。
「こら、乱馬!貴様がついていながら、何であかね君がさらわれなくてはいかんのじゃ!」
戻ってきた乱馬の姿を見るなり、玄馬が乱馬の胸倉を掴み上げる。
「…」
乱馬は、尤もな事を言われ何も言い返すすべがなく、ただただ、自分の胸倉を掴みあげている玄馬を睨み返すしかできなかった。
「それよりも乱馬くん、今まで何してたのよ?まさかずっとうっちゃんに怪我の手当をしてもらってたわけじゃないでし ょ?それにその本…」
何も答えない乱馬に、なびきが話し掛けた。
「貴様!こんな時に別の許婚のところにいたのか!」
そんななびきの質問を聞いて更に怒る玄馬に、
「そんなわけねーだろ!」
乱馬は玄馬の腕を振り切りながらそう叫ぶと、
「これ,見てくれ」
乱馬は、コロンから借りた分厚い本を一同の前に差し出したそして、
「実は…」
先ほどコロンから聞いた話、をそっくりそのまま一同に話して聞かせた。

「亜空間に住む、魔法使い一族…。お父さん、そんな人たちと知り合いなの?」
…話を聞き終わったかすみが、いまだ泣き続けている早雲にさっそく尋ねるが、
「知らないよー…あかね…ああ、あかねーッ…」
早雲は、「心当たりなんてないもんッ」と、まるで駄々っ子のように首を振る。
「私達もないわよね。魔法使いさん達なんて…」
「もちろんよ。魔法使いだかなんだか知らないけど、血を舐めたりナイフ出したり人を誘拐するような男、知るわけない わ」
結局、早雲を始め、かすみもなびきもそんな魔法使い一族については、全く心当たりがないようだ。
(くそ…何で何だ?何であかねだけが連れ去られたんだ!?)
根本的な手がかりがつかめないまま、乱馬は一人苛立っていた。
そんな乱馬が、どうにも手掛かりを得られぬまま騎士団控え室に向かうと、
「ぬおおおーッ」
いきなり、九能が雄たけびを上げながらランスを振りかざし、切りかかってきた。
「うわ!あぶねえだろーがッ」
乱馬が、慌ててそんな九能の攻撃をよけると、
「貴様!やすやすとあかね君をさらわれたそうではないか!貴様それでも王国騎士団の一員か!」
もともと乱馬をあかねの許婚と認めてない上に今回の出来事があり、
九能は烈火のごとく乱馬を攻め立てるが、
「うるせえな!てめえに言われなくてもわかってらあ!」
あかねをさらわれた事に関しては誠に尤もな事で言い返すことも出来ず、乱馬は苛立ちをそのまま九能へとぶつけてしまう。
「今は言い争ってる場合じゃねえんだよッ」
乱馬はそんな九能を一瞬怯ませるような刺すような視線で睨みつけると、部屋に集まっている騎士を集め、
「みんな聞いてくれ。実は…」
と、あかねがさらわれた経緯と、そしてあかねをさらっていったあのナイフ男の特徴を話した。
そして、
「…今話した魔法使い一族と、あかねとの接点、何か心当たりがある奴いないか!?どんな些細なことでもいいんだッ…」

…格好悪いなんてことは分かっている。
だけど、今の乱馬にはもうそうするより他に方法がなかった。
乱馬は、王国の第一騎士団長とは思えない程素直に、そして低く、低く…頭を下げた。
「…」
この乱馬の様子には、九能も、そして部屋に待機していたムースも驚いたようで、言葉を発しはしなかった。
それに加え、
「そ、そんなッ…頭を上げてください、団長!」
その乱馬の低姿勢に、乱馬の下に仕える騎士達も恐縮していただようだった。
しかしそうすることにより、いかに乱馬があかねをさらわれてしまった事を悔い、そして彼女を想っているかが伝わった のか、部屋にいる騎士達は、皆で自分達の記憶を手繰る努力をしてくれていた。

 

…と、その時。
「申し上げます!」
騎士たちの輪の中にいた一人が、そういって、乱馬の前へと歩み出た。
「お前は確か…」
乱馬は、その歩みでた兵士の顔に見覚えが合った。
…それは、以前にあかねが別の国の皇子にさらわれた時にも乱馬に協力してくれた兵士で、
「たしかお前、朝凪・・」
「ハ!私の名を覚えていてくださったのですか!?光栄ですッ」
なびきの店でも常連客として名を連ねていた男。兵士・朝凪はそういって、乱馬に一度、敬礼をした。
そして、
「手がかりかどうかは分からないのですが。…・団長のプライドの高い一族で…という言葉、少し思い当たる事 があるのです」
朝凪がそう乱馬に話し出すと、
「じ、実はわたくしも…」
「私も…」
すると何人かの騎士がそういいながら、朝凪と同じように乱馬の前へと歩み出た。
「実は…」
朝凪と、その名乗り出た騎士達は、自分達が知っている限り、そして思い当たる節を乱馬に話してくれた。

…何でも、それは一月ほど前の出来事。
深夜、城の近くの道で、警邏中の兵がマントに身を包んだ何者かに襲われる事件がおきたそうだ。
突然襲い掛かられた兵士は、深手を負った。
襲った男は深手を負った兵にさらに剣で切りかかると、兵が持っていた武器を持ち去ろうとしたようだ。
が、
「ランスは騎士の命よりも大切な証!」
その兵士は深手を負いつつも自分の与えられた武器を守ろうとしたようで、
「…」
その兵士を蹴散らす為に、襲い掛かった男は更に剣先を兵士に向けて振り下ろそうとしていた。
「おい!貴様、何をしている!?」
そんな兵士と、男のやり取りに、たまたま非番で夜、城下に遊びに来ていた朝凪たちが気が付いた。
非番の為に武器も持たずに丸腰であったが、朝凪たちが深手を負った兵の下へと駆け寄ろうとすると…
「やめなさい!」
…その時。
深夜だというにも関わらず、朝凪たちがいるその場所へ、変装をして目立たない格好をしたあかねがとおりがかった。
一般の娘と変らないようなラフな格好で、そして買い物帰りなのか、茶色い紙袋を抱えていた。
「あ、あかね様?」
朝凪たちは、それが一目であかねだとわかったのだけれど、
「娘さん、退くのです…危ない…」
その娘の正体があかねだと気が付かない深手をおった兵士は、あかねに向ってそう忠告するが、
「怪我をしている人が何を言っているの!?あなたこそ、私の後ろに隠れていなさい!」
毅然とした態度のあかねは、怪我している兵をかばうように前へと立った。
「…小娘のくせに、邪魔だ」
そして、襲い掛かった男も、まさか自分に毅然とした態度で立ち向かおうとしているのがこの国の姫君だとは思わなかったのか、
「死ね!」
男はいきなり、自分の前に立ちはだかったあかねに切りかかってきたが、
「は!」
あかねは簡単にその男の攻撃を避けると、逆に、地面に落ちていた木の枝を使って、男の剣を持つ手を力いっぱい突いた。
「!」
男は不意を突かれ驚いたようで、
「くそッ…」
剣を地面に落とし一瞬怯んだものの、慌てて自分の手を突き刺したその木の枝を足で蹴飛ばした。
「!」
木の枝を握っていたあかねは、逆にその蹴り飛ばされた木の枝で自分の手を切ってしまった。
「ツッ…」
あかねは少しだけ切れた手を抑え、一瞬だけ顔をしかめた。
けれど、すぐに表情を改め、自分に怪我をさせた男と対峙する。
「…」
男は、蹴り飛ばした木の枝をわざわざ拾い、そして、偶然自分の頬に飛び散ったあかねの血を拭い、ペロっと舐め た。
あかねと男はしばらくの間、互いに一歩も引かずににらみ合っていた。
が、しばらくして、
「これくらいにしておきなさい。私の後ろで怪我を負っているこの者は、あなたよりも格段剣の腕が劣る。それはあな たも一度剣を交えれば分かるでしょう?」
あかねが静かな口調でそう言って、地面に落ちた男の剣を拾った。
そして、
「あなたが私よりも強い事も…私にはわかりました。そんなあなたが、私が手を怪我して怯んだ時にトドメをさそうとしなかった。少なくても、手負いの女にはトドメをささないっていうプライドがあるみたいですね」
あかねはそのまま、拾った剣を男に渡してしまった。
「…」
男は、素直に剣を受け取りつつも、そう言って毅然とした態度をとりつづけるあかねをじっと見入っていた。
「そのような高いプライドを持っているのならば、これ以上みっともなく弱いものいじめ等するのはやめて早々と立ち去 りなさいッ」
あかねは、男にそれだけ言って、ふっ…と朝凪達のほうを振り返った。
「…何してるの?早くこの兵を東風先生の所へ運んでッ」
「は、はい!」
そして、朝凪たちに、深手を負った兵を城の医務室まで運ばせた。
あかねも、朝凪たちとともに城へと向う。
「…」
男は、そんなあかね達の様子を何も言わずただじっと…睨んでいた。
そしてあかね達の姿が肉眼で捉えられなくなると、それを機会にフッ…とその場から姿を消した…

「…それかもしれんな。しかしだとすると…あかね君は、非常に危険な状況なのではないか!?」
兵士達の話を聞き終えた九能が、突如叫んだ。
それは、乱馬も感じていた。
「朝凪。お前ら、今の話を親父やおじさ・・いや、国王の所ででもう一回してきてくれねえか?」
なので、乱馬が再びそうやって朝凪たちに頭を下げると、
「かしこまりました」
朝凪たちは快くそれに応じてくれた。更に、
「ムース。悪いがばあさんに今の話を伝えてきてくれねえか?」
「仕方ないな」
「頼んだぞ」
乱馬はムースにもそう強力を仰いだ。
ムースは「やれやれ」という顔をしながらも、足早に騎士団控え室から飛び出してゆく。
「…」
そして、乱馬も、わめいている九能を置いてこっそりと騎士団控え室から出た。
そんな乱馬には、どうしても気になることが一つだけあって、それが不思議に思えて仕方なかったのだ。
それは、

(…あかねの奴。一月前も、今日も…何だって、そんな夜中に一人で外に出てたりしたんだ?)

あかねが夜中に外出した「理由」だった。
…朝凪たちと出会ったときは、「茶色い紙袋をもって」。
今日は、なびきの店で。いずれも見かけられたのは、「買い物」に関わるあかねの姿だ。
(あかねは、夜中に買い物するのが趣味だったのか…?)
…乱馬がそんなことを思いながら廊下を歩いていると、
「乱馬くん、ちょっと」
ボーっと歩いていた乱馬を、急になびきが呼び止めた。
「何だよ」
乱馬が暗い顔のままなびきに聞き返すと、
「あかねがどうして夜中に買い物に外に出ていたのか…あたしが教えてあげましょうか?」
なびきはそういって、乱馬を廊下の突き当たりに位置するあかねの部屋の中へと招きいれた。
「なッ…なんで俺がそれ考えてるの分かったんだよ!?」
いきなり自分の心の中を読まれたかのようで驚いた乱馬がなびきをみると、
「あんた自分では気がついてないかもしれないけど、全部声に出てたわよ。思ってること」
なびきはあきれたようにそういって、そして、あかねの部屋の隅にある引き出しを開けた。
「おい、勝手にそんなトコ開けると…」
乱馬が少し慌てると、
「いいのよ。どうせ、これ…あんたのところに行くはずだったんだから」
なびきはそういって、引き出しの中からなにやら小さな「赤いもの」をとりだした。
「こ、これは…?」
一目それをみたところで、ちっともそれが何か分からない、「ひも状のもの」。
乱馬が怪訝な顔をすると、
「…城下では今、ミサンガって言って…ま、オマジナイの腕輪みたいなものが流行ってるのよ」
「ミサンガって言うのは、地引網なのか…?」
「まさか。小さなビーズを編みこんでブレスレットの下地をつくって、最後に願いのビーズっていう大きなビーズで繋 いでそのヒモを一本の輪に結ぶのよ。で、願いのビーズに願いを込めたその腕をいつも身に付けて、それが自然と腕から解けた時に…願いが叶うんだって」
「ふーん」
乱馬は、もう一度その赤い「ひも状」のものを見た。
…確かに、材料はビーズで出来ていると思われる。
でも、ブレスレットというか…やっぱ地引網というか…。
どうしても、ブレスレットには見えない。
「…あかねのやつも、この地引網みたいのに願いのビーズをつけようとしてたのか?」
「そうよ。その願いのビーズを、今晩買いに来たのよあかねは…。一月前は、ブレスレットの下地の材料を買いに来たのよ。あんたに渡すのに、あんたと一緒に材料を買い物するわ けいかないじゃない?」
「…」
「それに…今日に限っては、それだけじゃなかったみたいだけど?」
「え?」
「今日は、いつもよりももっと遅い時間に外に出る事になりそうだからって…あかね、ブレスレット作ってるのがばれ てしまう覚悟で、あんたのについてきてもらおうと思って騎士団の控え室に行ったそうよ。そしたら他の騎士から、あんたがうっちゃんの仇打ちする為に血相変えてに飛び出して言ったって聞いたって言って たわ」
なびきはそういって、乱馬にその「ひも状のもの」を渡した。
「なッ…別に俺はそんな…!だいたい、初めは良牙もいたし、それに…」
乱馬が必死でなびきに弁解しようとすると、
「…あたしは詳しい事は分からないけど」
なびきは弁解しようとする乱馬を遮り、乱馬に小さな紙袋を渡した。
「なんだよ、これ?」
乱馬が紙袋を受け取りながらなびきに尋ねると、
「その中にはね、今夜、あかねが本当は買って帰るはずだったビーズが一個、はいってるわ」

…「青」は友情を深めたい時に。
「黄」は運動能力を高めたい時に。
「緑」は心を癒されたい時に。
そして「赤」は…愛情を深めたい時に。

「あかねは乱馬君に、どんなミサンガを渡したかったのかしらね?」
なびきは乱馬にそう言って、部屋を出て行った。
「…」
乱馬は、なびきが部屋を出ていたあとそっと、その紙袋を開けてみた。
するとその紙袋の中には、真っ赤なビーズが一粒だけ入っていた。


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