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銀色の月2


「最近な、城下では『三日月のナイフ男』っちゅーのが出没してるんよ」
…右京が、お好み焼きをペペンッとコテでひっくり返しながら、乱馬と、その横でお好み焼きをほおばっている兵士 に説明してくれた。

城下ではここ連日、「三日月のナイフ男」というのが出没するようだ。
夜の闇に隠れて、薄暗い路地に身を潜める「ナイフ男」。
そこで出会った「女性」のみに襲い掛かり、持っている「三日月」の形をしたナイフで女性に「腕」に切りかかる。
…ここまでだとただの「通り魔」事件で済むのだが、問題はそのあとだった。
「ナイフ男」は、女性の「腕」からナイフへと飛び散った「血」を、女性の目の前で舐めあげるそうだ。
そして、
「…お前は違う」
そう呟いて、再び闇の中へと消えていくらしい。

「『お前は違う』?男はそう言ったのか?」
乱馬は、右京の説明の中でその部分がやけに気になり聞き返したが、
「そうや。これはうちだけが言われたんやない。うち以外に襲われた子も言われたって言ってたで」
「うーん…一体何が違うのかな…」
「さあ。血液型ッちゅー訳でもなさそうやしな」
右京は「奇妙やろ?」と乱馬に同意を求めた。
「そうだな…」
乱馬は、今はそう答えるしか出来なかった。
「乱ちゃん、うち怖いわあ。許婚なんだから、ちゃんとうちのこと守ってや」
右京は、いろいろと考える乱馬にそう甘えた口調でそう言うと、
「だからな、しばらくは店も閉めて…怪我もなおさなあかんし」
「大変だな」
「うちが受けたこの『心の傷』を癒すためにも、乱ちゃんも今まで以上にうちに会いに来てな」
そういって、乱馬の顔をじっと見つめた。
「は、はは…」
乱馬は愛想笑いを浮かべる。
「約束やで!」
右京はそんな乱馬の手を強引に握ってそう叫ぶと、
「ああ…うちは幸せものやねッ乱ちゃんにこない心配されて…」
と、乱馬と兵士そっちのけで盛り上がっている。
「うっちゃん、俺らそろそろ…」
乱馬と兵士は、右京が盛り上がっている隙を見てコソコソと店の外へと出た。
「…しかし、奇妙な事件ですね。早速お城で報告せねば」
「だな」

そして、急いでお城へと戻ると早速右京から聞いた「三日月のナイフ男」事件を報告した。
「奇妙な事件だな。しかし…このような事件が起こるのであれば、しばらくは夜警も強化せねばなるまい」
…乱馬が報告を終えて、騎士達がよく集まっている「騎士団詰め所」へと向うと、
姿はパンダのままなのに、プラカードだけはしっかりと偉そうな事を書いた玄馬が椅子に座ってお茶を飲んでいた。
「人間の言葉をしゃべれ」
乱馬はそんな玄馬に有無を言わさずお湯を引っ掛けると、
「とにかく、女子供は夜間の外出を控えて方がよさそうだぜ。うっちゃんだって、全く武道に心得がないわけじゃねえ んだ。そのうっちゃんが襲われたってことは、だ。それなりに武道の心得がある人間だと思うんだよな」
そう言って、玄馬の向かい側の席へと座った。
「しかし…妙な話だよな。切り付けた血を舐めるなんてよ」
と。
乱馬達の話を聞いていたのか、同じ控え室で先程から手紙をせっせと書いていた良牙が話に入ってきた。
「良牙。三日ぶりだな」
乱馬がぼそっというと、
「ふっ…ちょっとポストが遠くてな」
良牙は少し遠い目をしていた。
「…・」
…良牙は言わずと知れた、方向音痴である。
国の第二騎士団長ではあるが、 派遣された先々や、あまつさえ城の中でも迷子になるので、 第二騎士団員達からは、「さすらい殿」 とこっそり呼ばれていた。
今回も、 姿を何日か見かけないと思ったら…他国の文通相手兼彼女に手紙を出しにいったこの城内で迷子になっていたよう だ。
「どこをどうやったら、この城の中を三日も迷ってられるんだ」
「貴様あ!俺がこの三日、どれだけ苦労したとおもっとるんだ!」
良牙はそういって乱馬の胸倉を掴むが、
「そんな怒るんじゃねぇよ、Pちゃん」
乱馬はそんな良牙にテーブルの上の花瓶に入っていた水をかけると、
「まあ良かったじゃねえか。とりあえずここに帰って来れてよ」
そういって、子豚になった良牙を指でつっつきテーブルの上で転ばせた。
「ぶきー!」
良牙は「なにしやがる!」とばかりに乱馬に向かってきたが、
「おッやるか?」
…しょせんは人間対豚。
叶うはずもなく、
「ぶきーッ」
バシ!
立ち向かうも、乱馬の手のひらで押しつぶされてからかわれる。
「こらこら。おまえらいい加減にせんか!」
そんな様子をみていた玄馬が、 いつまでたっても争いをやめない二人に、花瓶に残っていた水をぶちまけた。
「冷てえ!何しやがる!」
女になってしまったらんまが、したたり落ちる水を拭いながら玄馬にむかって声を荒げた。
「悠長に喧嘩なんかしとる場合か!女しか襲わないナイフ男なら、おまえが囮になればよかろうッ」
「あ、そっか」
「メイドにでも服を借りて、さっさとそんな輩、退治してこい!」
…ドカ!
らんまはあっというまに騎士団控え室から叩きだされてしまった。
もちろん、子豚の良牙と一緒に。
「いてて…オヤジの奴、覚えてやがれよッ」
思いっきり叩きつけた腰を押さえながら、 らんまはしぶしぶとメイド達の集まる部屋へと向かい服を借りて…城下へと再び赴いた。


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