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FBC 4

「話し合いが上手くまとまってよかったね」
「はい!」

…放課後に、東風先生と先生の知り合いのバスケットボールチームの監督さんの所へと練習試合の相談にやってきたあたし。
もちろん難しい話は先生にまかせてしまったんだけど。
ひとまず試合の日程も決まったことだし…と一安心しながら、あたしと先生は商店街の喫茶店で一休みしていた。
「女子バスケ部が出来て、いよいよ2ヶ月。初の試合だね」
にこやかにそう話す先生に、
「はい!きっとみんなも喜ぶと思いますッ」
何よりあたしが喜んでます、とあたしは元気良く応える。
「朝練の件も、男バスの顧問ともう一度話し合わないといけないね。
それに…そうだ、試合までにユニフォームも作らなくちゃいけないね」
「ユニフォーム!?やったーッ」
「男子が赤だから、うちも赤にしようか。赤なら元気があって、あかねちゃんにも似合うと思うんだけどどうかな?」
東風先生はそう言ってあたしの顔を覗き込んだけど、
「あ…でも皆にも相談してみます」
あたしは、その場での即答を避けた。
…それはもちろん、本当に皆で相談したかったのもあるんだけど、
「あかねちゃんにも似合う」といわれたことに何故か心が痛かった。
あたしは、青が好き。
それは、小さい頃から言ってることだし、自分でも好んで青いものを身につけたりもしていた。
先生にもそう思って欲しくて、
そう気がついて欲しくていつもそれとなく言ってるのに。
…やっぱり、先生はあまり気がついてくれてないみたいだ。

と。
「そうそう、あかねちゃんが試合をしたくてうずうずしてるみたいだって。
かすみさんも言ってたからね。そろそろ『勉強』も兼ねて、いい相手はいないかなって思ってたんだよ」
「え…・かすみお姉ちゃんが?そんなこと言ってたんですか?」
「そうだよ」
あたしがそんな事を考えている内に、
ふと思い出したのか、東風先生がそういって、注文してテーブルで少し冷めてきたコーヒーを一口飲んだ。
「お姉ちゃんも心配してくれてたんだ」
…何だか分からないけれど、ズキッ、とした感覚に胸を襲われたあたしがそう呟くと、
「・・・お母さんが亡くなられた分、かすみさんはあかねちゃんのことを、自分がお母さん代わりになって育てようとしてるみたいだから。まだ彼女だって若いのにね。
かすみさんは、あかねちゃんの事が本当に大好きなんだよ」
先生はそういって、とても優しい笑顔で笑った。
…多分その笑顔は、あたしに対して…というのではなく、
あたしを想う、かすみお姉ちゃんに対して向けているものなんだろう。
先生は、もしかしたら…あたし達のため、というよりもかすみお姉ちゃんを喜ばす為に今回の試合の話を持ってきてくれたのかもしれないな。
…それに気がついてしまったあたしは、さっきよりももっと強く、胸の中がざわついた。
「…後で、お礼言わないと」
あたしはそんな先生からわざと目をそらすようなフリをして、テーブルの上のあたし用に注文したアイスティーを飲み干した。
「そうだね」
先生は、あたしのそんな心境の変化など全く気がつかない様子で、笑顔のままコーヒーを飲み干した。


「じゃあ、あかねちゃん、家前送っていくよ」
「えッい、いいですよッ」
「まあまあ。もう日も暮れてるし。女の子を一人で家に帰すわけにはいかないよ。かすみさんにも怒られちゃうよ」
「そ、そうですか…」
…しばらくして。
それではそろそろ帰ろうか、…とあたしが東風先生とそんな会話を交わしながら喫茶店から出ると、
「あれ?」
「あ」
「…」
ちょうど喫茶店から出た所で、部活帰りなのか、大きな荷物を肩から担いだ乱馬と、あたしと先生は遭遇した。
「やあ、乱馬くん、」
東風先生がそんな乱馬ににこやかに声をかけるも、
「…」
乱馬の奴は、何だかブスッとしたような顔で軽く会釈をするだけだ。
「乱馬、先生に対して失礼よ」
あたしがそんな乱馬に慌ててとりなすも、
「…」
乱馬は今度はそっぽを向いている。
「なによ、あんた何か嫌な事でもあったわけ?」
機嫌が悪いなんて珍しい…と、あたしが更に乱馬に話かけるも、
「…これから先生とどっかいくのか?」
乱馬はあたしのそんな質問には一切何も答えず、あげく全然別の質問をしてきた。
「え?先生に送っていただいて、これから自分の家に帰ろうと思ってるんだけど…」
あたしがそう答えると、
「ふーん」
乱馬は、あたしを今度は無視して何故か先生の方を見た。
そして、
「…俺がコイツを送りますから。家、隣だし」
そう言うや否や、
乱馬はあたしの腕を強引に掴むと、さっさと家の方向へと歩き出してしまった。
「そうかい、じゃあお願いするよ、乱馬くん」
東風先生は、そんなあたし達をにこやかに見送ってくれたけど、
「ちょ、ちょっと!乱馬ってば!先生に失礼でしょッ」
あたしは、そんな乱馬の様子に首を傾げつつも、
「先生ッ…それじゃまた明日ッ…」
と一応東風先生には御礼を言って、乱馬に腕を引っ張られたまま歩きだした。
「…だからね、その練習試合の相談に行く為に、あたしは先生と出かけたわけよ」
「ふーん」
…そして。
しばらくそのまま歩いた頃だろうか。
ようやく乱馬があたしの腕を離してくれたので、あたしはそんな乱馬に今日の経緯を説明した。
「…だからって、先生とあんな所でお茶してなくてもいーだろ」
「そ、そんなのあたしの勝手でしょ」
…まるで、父親が娘の素行を調べるかのような質問する乱馬に、あたしが興奮気味にそう叫んだ。
「で?わざわざ喫茶店に入って何話してたんだよ」
「え?あ、だから…ほら、試合も決まった事だし、ユニフォームも作ろうかって!
あたし達、ようやくユニフォームを作ってもらえるのよッ」
そして、あたしが思い出したかのように嬉しそうな表情でそう言うと、
「男バスは赤だから…女バスは青にでもしたら?」
「え?」
…乱馬が急に、そう呟いた。
東風先生とはまるっきり逆の色を口に出した乱馬に、
「何で同じ赤じゃいけないのよ」
あたしがわざとそういう風にけしかけてみると、
「いけねえわけじゃねえけど、わかりやすいだろ。男女違う方が」
「そりゃそうだけど」
「それに…おめーは、赤より青の方が似合う」
乱馬はきっぱりとそう言って、あたしの方をちらっと見た。
「あ、そ。まあ参考程度に聞いておくわ」
…口ではそんなことを言っても。
あたしも、自分には青が似合うと思うし、
それに何だか爽やかな感じがして、青は大好きな色。
東風先生には気がついてもらえないのが少し残念だけど、
乱馬がそれに気がついてたのはちょっと驚いたけど、
…何だかちょっと、いい気分だった。
「青、か。うん、青ね。明日皆に聞いてみる」
あたしは、乱馬の言葉を素直に受け止め、「ありがと」と機嫌よく答えた。
…そして、
たまたま道の脇に自販機を見つけたので、
「ね、ね。今日は練習試合も決まって何だか景気もいいし、あたしがおごってあげるわよ」
あたしは乱馬の袖をひっぱってそう提案した。
「おごってあげるって…百円の缶ジュースじゃねえか」
偉そうに、とぼやく乱馬を無視して、
「何がいい?いつものジュースでいいよね」
あたしが、乱馬がいつも飲んでるジュースのボタンを押そうとすると、
「待った」
乱馬が不意に、そんなあたしの手を止めた。
「なによ」
「…おめー、さっきの喫茶店で何飲んだ?」
「は?あたしはいつもどおりのアイスティーだけど…」
「先生は?」
「コーヒーよ。ブラックの」
「ふーん」
…すると乱馬は、
「…」
なぜか黙って、缶コーヒーのボタンを押した。
「…あんた、コーヒーなんて飲めたっけ?しかもそれ、無糖・ビターなほろ苦さは業界ナンバーワンって書いてあるけど」
麦茶にも砂糖を入れるくせに…、とあたしが怪訝な顔をすると、
「うるせーッ」
乱馬は取り出し口から缶コーヒーを取り出し、
一気にそのコーヒーを飲み干しては、「ぐわッ」とか何とかもがき苦しんでいた。
「変な奴」
あたしはそんな乱馬の姿をけたけたと笑いながらも、
ようやく決まった練習試合、
そしてユニフォームの事、朝練の事 …これからいろいろ考えなくちゃ、と、色々と胸を膨らませていた。

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