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永遠の記憶9

…ダン!


乱馬があかねを腕に抱いて時計台の元へ降り立つと同時に、
「逃がしはせぬ!」
瑪瑙も乱馬に追いつくように、時計台へと降り立った。
「この、下郎が…私とあかねの婚礼の儀を邪魔したという事がどういうことか分かっているのだろうな…」
勤めて冷静そうに装っている瑪瑙だったが、
乱馬に向ってそう叫んでいる声とは裏腹に、その瞳はギラギラと光を帯びて、そして血走っていた。
「何が、”私とあかね”だ!なれなれしくあかねの事を呼ぶんじゃねえよ!」
乱馬は、あかねを腕から降ろし自分の背中へと隠す様に立つと、負けずと瑪瑙に言い返す。
「…あかねは私のものだ!貴様なんぞに渡してなるものか!」
瑪瑙は、そんな乱馬に向って急に自分の左手をかざすと、「光の塊」を抽出して、乱馬に向って放った。


 


ドオン!


 


「光の塊」は、乱馬に向って勢いよく飛んできたが、乱馬はそれを軽く交わし、まずはあかねを自分たちから少しはな れた場所へと避難させた。
そして、突然瑪瑙の懐へ飛び込むや否や、瑪瑙の頬に向って殴りかかった。
「うわ!」
不意を討たれた瑪瑙だったが、寸でのところで乱馬の拳の直撃は避けたようだった。
半分の威力ではあったが、瑪瑙は地面に殴り倒された。
「…貴様!」
瑪瑙が、その衝撃で切れてしまった口の血を拭いながら乱馬に向って叫ぶと、
「おい!」
乱馬はそんな瑪瑙をひるむことなく睨みつけたまま、しっかりとした声で叫んだ。
「あかねは俺の許婚だ!あかねも、あかねの記憶も、返してもらう!…テメエなんかに渡さねえ!!!」


…すると。
「くくく…許婚。脆い絆だ。たとえそれが真実であろうとも、私もあかねをお前の元へと返すつもりは無い!
…勝負だ!」
瑪瑙はそういうが早いか、乱馬に向って襲い掛かった。
「…望むところだ!!」
乱馬も、そんな瑪瑙の攻撃を受けるべく、再び瑪瑙に向って飛び掛る。


2人は、月明かり鮮やかな時計台の元で、激しい戦いを始めた。


 


…一方。
(何なの…?あの男の子は、何を言ってるの…?)
今のニ人の会話を聞いていたあかねは、少々混乱していた。
…あかねは本当はあの「おさげの男の子」の許婚?
…あかねは記憶を「奪われ」た?
…あかねと瑪瑙は、本来は何の関係もない?
ニ人の会話を総合すると、そういう展開になる。
あかねにとっては、はっきり言って信じられない事だった。しかし。それならば納得がいくことが多い。
記憶の中では、あかねは瑪瑙に愛され、そして愛していた。
記憶の中では、瑪瑙の側にいるだけで幸せだった。
しかし。実際の瑪瑙を目の前にすると、あるのは「拒絶」感と「嫌悪」感だけだった。
そして、意味も分からずちらついていた、「おさげの男の子」の残像…。
おさげ髪のあのメイド「乱子」が気になって仕方なかったのは、「おさげの男の子」に似ていたからだったのだろうか。
(でもきっと、それは…)
…それは、
どんなに記憶を「奪われ」ても。
どんな記憶に「すり返られ」ても。
あかねの心の奥底に、どんな魔法やどんな術でも取り除く事の出来ないほど強い「想い」があったからだと、あかね は感じた。
名前さえも思い出すことが出来ず、顔だって、残像程度にちらちらと浮かぶ程度だった。
しかし、あかねを助けに入った、あの瞬間。
「一緒に逃げよう」と手を差し伸べてくれた、あの瞬間。
「はい」と返事をしたあかねを、一度だけ強く抱きしめてくれた、あの瞬間。
…その瞬間に感じた「幸せ」が、そのあかねの心の奥底にある「強い想い」の存在の証明だと、あかねは感じた。
(…早く、思い出してあげたい…)
あかねは、瑪瑙と戦う乱馬の後姿を見守りながら、
何度もそう心の中で呟いていた。


 


ドオン!…
バキッ!ドカ!…
…月明かりの下で戦うニ人の攻防は、激しさを増す
一方だった。
瑪瑙が乱馬に一発入れれば、それに負けじと乱馬も瑪に一発入れる。そんな一進一退の攻防の繰り返しだったが、


 


「…せやあ!」


 


その内、瑪瑙が一瞬の隙を見て乱馬を地面へと殴り倒すと、そんな乱馬に向って、手のひらをかざした。
その手からは、見る見るうちに、あの忌まわしい「黒い霧」がでてくる。
が、乱馬はその「黒い霧」を両手で掻き分けるようにして立ち上がると、
「…俺にはもうその霧は通用しねえ!」
そういって、地面を蹴り上げて飛び上がった。
乱馬は、あっという間に時計台の上へと飛び乗った。
そこは、この麝香城の中で一番高い場所であり、
それと同時に、この麝香城の中で、「月」に一番近い場所でもあった。
乱馬は腰に下げていた皮袋の中に手を入れ、地下庭園で摘んだあの「白い花」を取り出した。
そして、その「白い花」を、月に向ってかざした。
「白い花」は、たっぷりの月の光を浴び、妖しいぐらいに、キラリ、キラリ…と輝いている。
真っ白だった花びらが、薄いブルーに変色して見えるほどの、輝きを帯びて。
「フッ…バカが!そんなことをして何の意味がある!」
瑪瑙は、そんな乱馬の様子を鼻で笑うと、花を月にかざしたまま動かない乱馬に向って、両手をかざした。
ゴオオオオ…
そんな瑪瑙の両手からは、先ほど瑪瑙が乱馬に放った「光の塊」の大きさとは比にならないくらいの大きな「塊」が生 まれていた。
「…さらばだ、下郎!!!」
瑪瑙はそう叫ぶと同時に、自分の両手に集まった「光の渦」を、時計台の上にいる乱馬に向って解き放った。


ゴオオオオ!
瑪瑙の放った「光の渦」は、まるで光の竜巻でも起こっているかのように、渦を巻きながら、闇を切り裂くスピードで乱 馬に向っていく。
「に、逃げて!」
…その様子をみていたあかねが思わず戦いの場へと飛び出して叫ぶが、乱馬は花を月にかざしたまま一向に動く 気配が無い。
「くくくく…」
瑪瑙は、そんな乱馬の様子がおかしいのか、大声で笑っていた。
「お願い、逃げて…逃げて…」
あかねは、そんな瑪瑙の事を無視して乱馬に向って叫ぶが、乱馬は動く気配が無い。
「逃げてええ!」
あかねは、声の出る限りを尽くして乱馬に向って叫んだ。
ゴオオオ!
…乱馬に向って放たれた「光の渦」は、無常にも彼のもとへとどんどんと近づいていく。
(ああ、もうだめだわ!)
あかねはその光景にいてもたってもいられず…両手で顔を覆ってしまった。
「ハハハハハ!」
瑪瑙は、そんなあかねの様子も、一向に動かない乱馬の様子も両方を見ながら、大声で笑っていた。
そんな瑪瑙は、まるで獲物を追い詰めたライオンのような、そんな風格さえ感じられた。
(ああ…せっかく逢えたというのに…・)
あかねが両手で覆い隠している顔と手の隙間から、幾筋もの涙が零れ落ちた。
あかねが泣いたところで乱馬が動いてくれるわけではないが…それでもあかねは、悲痛な思いに耐え切れず、涙を流した。


 


…と、その時だった。


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