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永遠の記憶5

…黒い霧に囲まれて床に倒れている乱馬を足蹴にしながら、瑪瑙はほくそえんでいた。
やがて、霧が晴れて、乱馬の姿が瑪瑙の目にもはっきりと映し出される。
「さあ、お前の許婚とやらはお前らの町で待っている。さっさとここから立ち去れ!」
瑪瑙がそういって、乱馬の元から去ろうとした、ちょうどそのときだった。
ビユッ!
瑪瑙の方めがけて、乱馬の蹴りが飛んできた。
「うわ!」
不意打ちを食らった瑪瑙が寸前のところで交わして体制を立て直すと、
「てめえ!話はまだ終わってねえぞ!あかねを返せよ!」
『黒い霧』を食らったにもかかわらず、乱馬がそういって再び立ち上がった。
これにはさすがの瑪瑙も驚く。
「な…貴様!あの黒い霧を食らったのに、なぜ…!」
「!」
瑪瑙に指摘されてようやくその事に気が付いた乱馬自身も、ちょっと驚いている。
(そ、そういえば…なんで俺,平気なんだ…!?)
『黒い霧』を食らった瞬間は全身の力を奪われ、体を押しつぶされそうな重圧を感じたが、しかし、他のもの達と同じ
ように、記憶まで奪われる事はなかった。
(何で…!?)
「クッ…ここはひとまず退散しよう!」
と。
乱馬がそんな事を考えている内に、瑪瑙が突然姿を消してしまった。
「あ!待ちやがれ、てめえ!」
乱馬は慌てて瑪瑙に飛び掛ろうとしたが、既に姿を消してしまった後だった。
「ちくしょう!!」
乱馬は、瑪瑙が消えた床の上を、ダン!と力いっぱい拳で叩き付けた。

「何と!お前はあの『黒い霧』を食らっても平気だっと申すか!」
…一度自分の国へと戻った乱馬は、そこでの出来事を玄馬や、先に戻ってきてしまっていた良牙・九能・ムース達にも報告をした。
「俺達と乱馬と、何が違うって言うんだ!?しかも、俺の方が乱馬よりもあかねさんのことを大事に思ってるのに!」
納得いかないのか、良牙がそんな事を口走っている。
「こりゃ、乱馬!貴様は小ざかしい事では右に出るものはおらんから、また何か姑息な手を使ったのじゃろう?!」
ムースがそういいながら、乱馬…の横に置いてある招き猫の置物を指差して叫ぶ。
「…眼鏡をかけろ、ド近眼」
乱馬は良牙やムースに言い返しながらも、必死で考える。
(一体、何だ?こいつらがしていなくて、俺がしている事。俺がしていて、あかねがしていなかった事…)
それが、あの『黒い霧』の謎を打ち破る大きな鍵になるはずだ。
(俺がしていて、コイツらがしていない事…)
…乱馬がそんな事を考えていた、ちょうどその時。
「大変よ!ちょっと!」
乱馬達がいる騎士控え室に、なびきが飛び込んできた。
「おお、なびき君」
「おじさま、それどころじゃないわよ!見てこれ!」
なびきはそういって、テーブルの真中に一枚の紙を広げた。


『招待状
今宵、あかね殿との結婚の儀を執り行う。出席される場合は、満月が麝香城の頂上に位置する前に 麝香城内の会場までたどり着く事』


「ふ、ふざけやがって!」
その手紙を読んだ良牙が、ぐしゃっと手紙を握りつぶす。
「もはや、一刻の猶予もない!皆急いで麝香城まで向うんじゃ!」
…玄馬の指示で、九能もムースも良牙も再び兵とともに出発したが、乱馬には解決しなくてはいけない問題があった。
(このまま皆で攻めていっても、きっと瑪瑙の『黒い霧』のせいで追い返されるのがオチだ)
何故、自分にはあの『黒い霧』が効かなかったのか。
コレを解決しない事には、全てが解決しないのだ。
乱馬がそんな事を考えていると。
「あれ、乱馬君まだいたの?」
なびきが、何やら荷物をもって廊下を歩いているところに遭遇した。
どうやら、また出兵する兵たちに荷物を売りつけていたらしい。
相変わらずなヤツ、と乱馬が思っていると、なびきは、
「そういえばさあ、ほら、あの朝凪って人」
「朝凪?…ああ、俺以外で『黒い霧』を食らっても倒れなかったやつ」
「そう。その人。思い出したのよ、どこかで見たことがあったから…」
なびきはそういって、腕を組んだ。
「あの人。うちのお店の常連さんだったの。毎日のようにうちの売上に貢献してくれてたのね〜」
「なんだそりゃ」
「ずっと気になってたのよ。どこかで見たことがあるなあって。あー、でもコレですっきり。じゃあね」
なびきは爽やかな顔をして行ってしまった。
(だからなんだって−んだよ、ったく)
乱馬はこの切羽詰った状況でもマイペースを崩さないなびきにふとあきれたが、ハッとその息を飲んだ。
「店の常連…?てことは、昨日もなびきの店にアイツは行っているって事か?」
朝凪は、昨日の昼間、なびきの店に行った。
乱馬も昨日、警邏の途中でなびきの店に立ち寄っている。
(あった!俺と朝凪の共通点!)
乱馬は、はやる心を抑えて必死で考えた。
良牙や九能・ムースは、なびきの店に立ち寄るような人物ではない。
あかねだって、わざわざ城下町に出てまでなびきの店に立ち寄る事はない。
(でも、立ち寄ったってだけじゃダメだ…。城の兵だって立ち寄った奴らはたくさんいるはず。だけど、朝凪と俺だけ
は無事だったんだ…)
乱馬と朝凪がして、他の人物がしなかった事…。
乱馬はそんな事を考えながら、朝凪の姿を探した。

「え?なびき様のお店、ですか?」
「そうだ!なびきの店に寄ったとき、お前、何をした?」
出兵の準備をしている朝凪を見つけた乱馬は、朝凪の肩をがっしりと掴んで叫んだ。
「何、といわれましても…ただ普通に買い物をしただけ…」
写真と、ハンカチと…と、朝凪は自分の買ったものを指折り数えている。
「あとは…飴と、チョコレートと」
朝凪はそういって、自分の腰に吊るしている麻袋から、そのときにかったものを取り出した。
「!」
…と。
その中に一つだけ、乱馬の見覚えのあるものがあった。
それは、乱馬がなびきから強引に食べさせられた、あのまずい「飴」だった。
「朝凪!お前、この飴食べたのか!?」
乱馬がその飴を指差して叫ぶと、
「あ、は、はい…でもちょっと口に合わなかったので、一つだけ食べてあとはこうしてしまい込んでました」
「これ、貰っていいか!?」
「あ、どうぞ」
朝凪は快く、その飴を乱馬に譲ってくれた。
乱馬はその飴を受け取ると、今度はなびきの元へと走った。
「何よ?血相変えて」
かすみや早雲達のいる部屋でお茶を飲んでたなびきが、不思議そうに乱馬に聞く。
「なびき!お前、この飴『外国からの輸入品』って言ってたよな!?」
乱馬はそういって、朝凪から譲り受けた飴の袋をなびきの目の前に突きつけた。
「そうよ。でも、全然不評でさあ。三つしか輸入しなくて、一つ売れ残ったから、昼間乱馬君にもあげたやつでしょ?」
なびきは淡々とした口調でそう答える。
「これ、何処の国から輸入したんだ!?」
「これ?えーとね、確か…あ!」
なびきは、ぽんっと机を叩いた。
「いやだそれ、麝香王国から輸入したやつよ。あそこ、結構珍しいものを取り扱っている市場があるから…」
「!」
(やっぱりそうか!)
「…でも、それがどうしたの?」
「なびき、サンキューな!」
乱馬は、何が何だかわからない表情をしている一同を置いて、城を飛び出した。
…なびきに昼間この飴を貰ったとき、『珍しい何かの花を練りこんで…』といっていた。
麝香王朝の、『何か珍しい花』。
きっとそれは、あの『黒い霧』を無効にする、切り札なのだろう。
(よし!『黒い霧』さえ防げればこっちのもんだぜ!あとは、『魔界で一番美しいもの』を探すのみ!)
乱馬は、朝凪から貰った飴を良牙や九能・ムース達にも食べさせた。
そして、
(あかね、絶対に助けてやるからな!!)
と、再び決意を胸に麝香城へと走り出した乱馬であった。


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