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永遠の記憶3

らんまが乗り込んでいった時、麝香城はやはりざわついていた。
いつあかね奪回の兵が飛び込んできてもいいようにと、警戒態勢がしかれているのだろう。
殺伐とした城の造りや、黒で統一された調度品。
常に光と花が溢れているらんま達の城とは、大分雰囲気が違う。
同じ城でも、居住している人層で全く違うものなのか。らんまはそんな事を思いながら、城の中を進んでいく。
そして、
「あのう、私、瑪瑙様の命令でぇ、連れてこられたばっかりのお姫様の側でお世話をするようにって言われてるんですけどぉ。お姫様って、どこにいらっしゃるんですかあ?」
そんな警戒態勢の騎士達の間をすり抜けて、らんまは、ようやく城の中を歩いている暇そうなメイドを一人、発見し声をかけた。
男のときは、男らしくがモットーだが、女になれば、可愛く・媚びる・色気出すがモットーのらんまである。
「あら、あなた見かけない顔ね」
そのメイドは、見慣れない顔のらんまに警戒している様子だったが、
「あ、あの、あたし今日からお世話になることになったんですう。よろしくお願いしまあす」
その警戒を解くために、らんまは目一杯媚びて見せた。長年で手に入れたスキルの一つだ。
「あ、そうなの。それじゃ見かけないわけね」
それでも一瞬騙せるかどうか不安ではあったが、どうやら話し掛けたこのメイドは、元々素直な性格なのだろう。
「あのお姫様なら、三階の瑪瑙様のお部屋で休んでらっしゃるはずだけど…」
メイドはすんなりとらんまにあかねの居所を教え、去っていった。
「ありがとうございますぅ!」
らんまは去っていったメイドにペコリとお辞儀をすると、しゃなりしゃなりと廊下を進んでいったが、少し廊下を進んだ後、
「…」
周りに人が居なくなるのを待ち、それを確認すると、まるで弾丸にでもなったかのように走り出した。
逸る心を抑え、らんまが教えてもらった通り三階たどり着くと、
「えっと…」
  三階、と言えども、普通の民家の「三階」と城の「三階」は訳が違う。恐らく何らかの部屋だろうと思われるドアが、多々あるのだ。
ただ、あかねがいる場所は「瑪瑙」の部屋だという。だとしたら、それ相応の警備はされているはずだ。らんまはそうあたりをつけて三階のフロアを歩いて行った。そして、ぐるりとフロアを歩き回った一番奥。異常に兵がつけられている部屋を発見した。
入り口の外に、兵が四人。中にもまだいるかもしれないけれど、一つの部屋の前に四人も兵がいるのは稀な事だ。
きっとあかねはあそこにいる。らんまは直感した。
「お疲れ様ですう」
だったらまずは、そこを突破しなくてはいけない。
らんまは、その兵達に怪しまれないように愛想良く挨拶し、まずは入り口を突破する。
次にドアを開けて部屋の中を見ると、部屋の中にはメイドが二人。
「あら?あなた、何?」
突然やってきた見ず知らずのメイドを見て、中にいたメイドたちは、らんまに明らかな警戒の視線を投げかけた。
しかし、らんまとてここまで来て怯むわけには行かない。
「あの、あたし、瑪瑙様の命令で、あかね様の面倒を見るように言われてきたんですう」
極力、怪しまれないように。らんまは、持っている限りの媚びるスキルを使いながら、先輩メイド達に挨拶をする。
「見かけない顔だけど…」
「今日からお世話になることになったんですう」
「そうなの?そんな話、初耳だけど…」
先輩メイド達は、まだ少し警戒しているようだが、それでも粘り強くらんまは続ける。
「お姫様を守る為には人っていっぱい居た方がいいからって、瑪瑙様に言われたんですぅ」
らんまがわざとうるうると瞳をさせると、
「そういうことなの。そうね、多い方が私たちも助かるわ」
ようやく先輩メイド達は信用したようだった。らんまは、心の中でほっと胸をなでおろす。
「姫様は、さっき目を覚まされたんだけど…」
「そうなんですか」
「でも、話を出来る状態じゃないから、あまりお話しかけたりはしないようにね」
先輩メイド達はそういって、部屋の外へ出た。
部屋の扉が閉まるのを確認して、らんまは急いであかねの元へと駆け寄る。
「あかね!」
そして、窓に向かって椅子に座っていたあかねの前へ回り、あかねの顔を見た瞬間。
「!?」
らんまは、ギクリっと心を震わせた。
…椅子に座っているあかねに、表情は全く無い。何より、目が少しうつろだ。
「おい…あかね!どうしたんだよ、あかね!!」
らんまが必死になってあかねの体を揺さぶっても、あかねは何の反応もしない。
「あかね…?」
らんまの心の中に、言いようの無い不安が走った。
と、そのとき。
「あ!何やってるの、あなたは!」
先ほど部屋を出て行った先輩メイド達が、戻ってきてしまった。
そして、あかねの肩を掴んでいるらんまを引き剥がし、部屋の隅に引っ張る。
「王子様から聞いてないの?姫様は、記憶をすり返られた反動で、まだ意識自体がはっきりとしてないのよ!」
「記憶を…すり返られた…?」
らんまの心に、稲妻のような衝撃が走る。盗まれたでなく、すり返られた…?
「そうよ。何でも、すり返られた記憶だと、王子様が、あの姫様の許婚って事になってるみた…あ!ちょっとあなたた、聞いてるの!?」
先輩メイドの言っていることをすべて聞くまでもなく、らんまはあかねの元へと再び走る。
(お前…俺の事が分からないんだな…)
そして、椅子に座っているあかねの足元にヒザまづき、あかねの手を握る。
あかねは、うつろな目でらんまの事をみていた。
(あかね…)
らんまも、何も言わずにあかねの事を見る。
(ごめん、あかね…俺が来るのが遅れてしまったから。俺が守ってあげられなかったから…)
遅かった。らんまは激しく後悔した。
あかねをこんな目に合わせてあわせてしまった自分に、無性に腹が立った。
と、その時。
「…あなた…誰?」
…今までうつろな表情でじっとだまっていたあかねが、表情はうつろのままだが、じっと自分を見ているらんまに向かってポツリとそう呟いた。
「俺は…乱…」
らんまは思わずそういってしまって、一瞬口を閉ざす。そして、
「乱…子です。私は乱子」
改めてそういいなおすと、あかねの手をぎゅっと握った。
「そう、乱子っていうの…」
あかねはそういって、ちょっと笑顔を見せた。
その笑顔が、らんまにとっては辛かった。
「姫様、この者も姫様のメイドでございますので、なんでも仰ってくださいね」
あかねが口を開いたことに安心したのか、先輩メイド達があかねの側へやってきた。
「そうなの…私はあかね。よろしくね、乱子…」
「姫様、もう少しお休みになったほうが…」
「ええ。そうさせてもらうわ…」
先輩メイド達に誘われ、あかねは近くのベットに横たわった。
そんなあかねを起こさないように、と、らんまも先輩メイドと共に部屋の外に出る。
「あなた、だめじゃないの。姫様にあんなふうに気軽に触れたりしちゃあ。身分が違うのよ!」

「ご、ごめんなさい」
らんまが、少しボーっとしながら答える。
「とにかく、姫様にずっとついていなくちゃいけないんだから、今後は気をつけなさいよ」
先輩メイドはそういって、らんまにあかねの見張りを任せると休憩に出かけてしまった。
らんまは再び部屋の中に入ると、あかねの横たわるベットの脇に立つ。
(…ごめんな、あかね)
表情なくベットで寝ているあかねの顔を見下ろすらんまは、心の中で何度も何度もそう呟く。
起きているときや、普段は決して口にしない、謝罪の言葉。
こんな状況でこんなにも素直に出てくることが非常に悔しくて仕方ないが。
でも、
(あの野郎…あかねをさらっただけじゃなくて、よくもこんな目に…!)
瑪瑙への怒りは、既に限界を超えていた。
本当なら、すぐにでもあかねをさらって帰りたい。瑪瑙を倒しに行きたいところだが、あかねの記憶を操作された以上は、確実に瑪瑙を倒し、魔物と瑪瑙を引き離して魔界に帰さなくてはいけない。
(…待ってろよ、あかね。絶対に俺がお前を元通りにしてやるからな!)
らんまは寝ているあかねの顔を見て、そう誓った。
そして、外の兵士に部屋の見張りを頼むと、あかねの居る部屋を飛び出していった。


瑪瑙を倒すための、いろんな情報を集めに、走り出したのであった。

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