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歴史2

『まずは、そのカードが作られた経緯は覚えておるな?』
コロンはまず、カードの作られた背景から話を切り込んできた。
「勿論ある。強大な力を持った王が、自分が死ぬときにその力を、宝物庫の中にあったおもちゃのカードに隠したってことあるな」
その話は、旅に出る前に皆で聞いた。シャンプーが自信を持ってコロンに答えると、
『そうじゃ。つまり、王の力が偉大だったから、カードに込められた力が強くなった。子供が使うような絵札が、強力な魔力を秘めたカードになったということじゃな。そして、そうなることによりカードには、王の持っていた力が、22に分散されて宿ることになった、ということじゃ』
「そうあるな」
『では、それらを踏まえたうえで、そもそも…王はどうやってその力を手に入れたのか。まずはそこから話そう』
コロンはそういって、ついに話を次の段階へと進めた。

 

 

 

『今でこそ。生まれもって魔法の才能があるものや、学校のようなところで比較的汎用的に、魔法というものは身につけることができる。が、古くはそうではなかった。その当時は、魔力を身につけている者の中でも、この世界のとある場所にある「鍛錬場」にて厳しい修行を行い、その試練に打ち勝つことができたもののみが、強力な魔力を得ることができたと言われておる。そしてそれより更に古くは、魔法を使えるのは世界で三人ののみであった。更にその前は、一人…つまり、一人の力が別の二人へ流れ、そこから更に多くへ…と徐々に徐々に増えていったということじゃな。そして、増えていくのと並行して、魔法を鍛錬する場所も作られていった。これは、古の魔法使いの子孫が作り、今もその場所を守り続けていると聞いておる』
「…」
『つまりこのカードを作り出した王は、増えていった能力者の一人であり、尚且つ鍛錬所での厳しい鍛錬を受けて力を強い魔力を得た、ということじゃな』
コロンはそう言って、一息置いた。そして、
『このことは、お主らが手に入れた『クロノス』という書物にも書いてあるはず』
「え?」
ここで突如例の書物の話が出てきたことにシャンプー達が驚いていると、
『そもそも其の本は、幻の古典書物と言われておって、そうそう目に触れるものではない。わしとて、今まで一度しか目にしたことはない。だが、貴重な書物故、中に書かれていることは、そうそう忘れん』
「へえ…」
『でな?世界の一番初め…一人で国を治めていたものが身につけていた魔法の一つが、『クロノス』なんじゃよ』
コロンは、神妙な面持ちでそう呟いた。
そして、
『『クロノス』は古より伝わる禁断の魔法。本を読めばわかることじゃが、古に禁断の魔法とされた所以は…時空のひずみへと対象物を飛ばすことが出来、尚且つ時空のひずみを利用して時間を遡ることが出来る。すなわち歴史を覆すことが出来る危険な魔法だからじゃ』

「時空の…ひずみ…考えられない話だな」
「そんなこと、あってはならないことじゃ!時間を遡るなど…そんなことが容易に行われれば、世は混乱を極める」
コロンの話に、タクトや、ムースも過剰に反応する。

『まあ、普通の人間ならそう思うのが当然じゃ』
コロンはそんな二人を軽く宥めると、
『ただし、時空のひずみを作るなど、能力があるところでそうそうできるものではない』
「そうか、だから術者に膨大な負担をかけると…」
『その通りじゃ、タクト。だから、世界の中でたった一人その能力を持っていたもの…名を、そのままクロノスというのじゃが、クロノスもそれは心得ていた。そして、『クロノス』という魔法の危うさも十分理解していた。じゃから、自分が亡くなる前に、もう二度とクロノスという魔法を持った者がこの世に生を受けないようにと、自らの魂を二つに分けてその能力を分断し、自分の娘と、そして自分の信頼できる家臣の一人へとそれを分けた』
コロンはそう言って、もう一度一息置いた。
つまり…コロンの話をまとめると、このようなことなのである。

 

その昔。
この世界は、クロノスというの者が統治をしていた。
クロノスは時を司る能力を持ち、また、それ以外にも自然を統治する力や光と闇を統べる力も持ち合わせていた。
クロノスはその能力を過信することなく、また自らの能力の危うさも十分理解し、世界を収めていた。
そんなクロノスも、老齢になるにつれ、徐々に自らの命の炎が消えつつあるのを日に日に感じていた。
もちろん、自らが『クロノス』の魔法を使い自分の「時間」を操作すれば、その命はもっと長らえたのかもしれない。だが、それはあってはならないこと…クロノスは十分にそれを理解していた。
それゆえ、自らが息を引き取る前に、「自らの魂…『クロノス』魔法を使えるものの魂…が後世に転生しないように、魂を分断し無くてはならない」と決意をした。
『クロノス』を発動するためには、いくつもの力が合わさり融合することがその条件となる。
それは、自然を統治する力と…その他に光を統べる力と、闇を統べる力。
これらをすべて融合させることにより、はじめてクロノスが発動できるのだ。
だから、その全ての力を合わせ持つクロノス自身が、『クロノス』魔法を発動できたのである。
とはいえ…過去、一度だけ『クロノス』を発動させたことがあったクロノスだが、実際は時空のひずみをつくり、魔物をそのひずみへ飛ばすことが限界であった。
そして、発動後は実に十年近く、床に伏していた。この、時を司る魔法というのは、それほど強力なのである。
無論、魂が転生したからと言って、気軽に『クロノス』が発動されることはないとは思うが、
ごく希少な確率であるとはいえ、絶対にないとは言いきれない。
クロノスには、それが気がかりでならなかったのである。

故にクロノスは、自らの家臣の中から信頼できるものを二名、選んだ。
一人は、自分の一人娘。
クロノスは妻を娶り娘をもうけたが、妻は病気で早くに亡くなってしまったため、娘を大切に育ててきたのだ。
娘の名はエレーナ。
エレーナはその姿かたちはもちろんのこと、父親譲りの誠実で、そして謙虚で聡明な頭脳も持ち合わせていた。
エレーナは人望もあり、クロノス亡きあとはきっとこの国を治めるものになってくれると、人々には囁かれていた。
そんなエレーナともう一人、クロノスが選んだ人物がいた。
その名はゼロス。 クロノスの家臣の一人だった。
知識も豊富で剣の腕もたつ、有能な騎士であった。時に見せるその冷酷な采配のせいで敵も多いが、強い求心力は誰もが認めるものであり、こちらも一部ではクロノス亡きあとは彼が国を治めるのではないかと囁かれていた。

クロノスは、二人を自室に呼んだ。
そして、自らの魂を二つに分けること、そして『クロノス』という魔法を二度と世に誕生させてはいけないことを二人に説いて、ほどなくして息を引き取った。
クロノスが亡くなったと同時に、その遺言通り魂は二つに分断され、エレーナとゼロスの中に光となって消えていった。
かくして二人にはそれぞれ自然を統治する魔法と、光と、そして闇の能力がそれぞれ分配された。
そうすることにより、今の段階では『クロノス』魔法が発動する条件は満たしてはいないが故、クロノスが危惧していた状況は起こりえないのである。

 

 

「ん?おばばよ。今の段階では、とはどういうことじゃ?」
…その部分までコロンが話し終えた時。ムースが不意に口を挟んだ。
確かに、それは気になるところであった。シャンプーもムースの横で頷いていると、
「まあ、聞け。続きを聞けば分かる」
コロンはそんな二人を宥めると、引き続き話を続けた。


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