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再び2

ザシュッ…
急に空気を斬るような音がしたかと思うと、あかねを包んでいる魔物の手が、ガクンと大きく揺れた。
直後、ドスン、と大きな衝撃があかねの身体を襲う。
今まで魔物は宙を飛んでいたのだが、急にあかねの身体を覆う手の部分だけが地面に落ちたのだ。


ギャアアアア!


魔物が、おぞましいような嘶きをする。
どうやら、魔物の手首だけ何かで切り落とされたようである。
地面に落ちたことで、あかねの身体は急に自由となった。
「う…」
魔物の手から飛び出し、よろめきながらあかねが移動すると、すぐに何かがあかねの前に立ちはだかった。
「っ…」
また、魔物か。しかも今度はもううまく逃げることは出来ないかもしれない。
あかねがそんな覚悟を決めてぎゅっと目を閉じると、
ガッ…
ものすごい勢いで、あかねは両腕を捕まれた。
あかねは更におびえて強く両目をつぶった。だが、
フッ…
目の前のものが近づくことで感じるそのもの自身がまとう空気を感じた瞬間、ハッと目を開けた。


ラヴィが目の前に現れた瞬間は、闇の匂いや冷酷で残忍なオーラを感じた。真之介が正体を現したときは、残忍で冷酷ではあるがどことなく悲しげで物憂いな雰囲気を感じた。
だが、これは違う。
この、真っ直ぐで暖かくて、そして太陽のような明るさを持つ強いオーラ。
これは…


「…乱馬…」


目を開けた瞬間飛び込んできたのは、乱馬の心配そうな表情であった。
「大丈夫か?怪我は!?」
乱馬は心配そうな表情であかねに問う。
「大丈夫…」
あかねがそう答えると、
「良かった、あかね…!」
あかねが逃げる間もなく、乱馬は力強くそして素早くあかねの身体をぎゅっと抱きしめた。
あかねがそんな乱馬の行動に戸惑っていると、
「間に合って良かった!」
乱馬はそういって、あかねをもう一度強く抱きしめてから、優しく離した。
「…」
右京も目覚めて、きっとあかねの記憶が戻っていることも
知っている。
今目の前にいる乱馬は、全てを知っている。
全てを知って、今こうしてここに…
「乱馬…私…」
あかねが思わず一筋涙をこぼすと、
「大丈夫、もう大丈夫だからな」
乱馬はそういって、その大きな手であかねの涙を拭った。
そして再び、愛しい許嫁の身体を抱き寄せようとするも、


 

「乱馬!今はそれどころじゃないあるぞ!」
「この状況で、早速それか。おまえは動物か!このバカ王子がっ」
「気持ちは分かるが後にとっておけ」
「こっちは勝手にやらせてもらうからな!」


 

そんな乱馬を横目に、バタバタと走ってきたシャンプー・良牙・ムースそしてタクトが乱馬にそういって、手を切り落とされた魔物の側でそれぞれ構える。
どうやら、魔物の手を切り落としたのは、良牙の武器であるバンダナだったようだ。
強大な魔物の手を一瞬で切り落とす威力は、きっとこの旅の間に身につけたパワーのたまものであろう。
以前に良牙が戦っているのを見たときに比べると、彼はだいぶ成長したかのように思われた。


「そ、そうだった」
本気か本気じゃないのか。
こんな状況でも本能丸出し、というか良く言えば素直な性格の乱馬は、慌てて咳払いをすると、
「あかね、少し離れてろ。ここは俺たちが」
そういって、あかねに背を向けた。…相当名残惜しそうな表情でだが。
あかねは黙って頷くと、皆よりも一歩下がった位置へと身を動かした。


 


「…雑魚が邪魔をしおって。私の手を煩わせるな」
そんな一連の様子を見ていたラヴィが、乱馬たちに向かってはき捨てるようにそう呟いた。
乱馬たちは、そのラヴィの顔を見て改めて表情を強ばらせた。そして、それはすぐに困惑の表情にも変わる。
当然である。
目の前にいるのは、ラヴィ。その顔は真之介の顔そのものであった。
だが、少し離れた場所に倒れている人物。それもまた、真之介そのものであった。
真之介は、二人いるのか?…真之介がラヴィと関係がある者だと言うことは知ったが、だがなぜ二人は同じ顔をしているのか?
ラヴィが二人いて、そしてラヴィが真之介をレプリカと呼んでいることを知っているのはまだあかねのみであるため、乱馬たちにはそれが不思議でしょうがなかった。
だが、だからといって手をゆるめるわけにはいかない。
特にタクトに至っては、真実を確かめるまであらゆることに納得することが出来ないのだ。
とりあえず、この場を収めた後に事情を知る他ないのであった。

そんな乱馬たちに対し、ラヴィは忌々しげな表情を浮かべていた。
だがそのうち、
「貴様等の相手をするのに、私自らが出る間もない。こやつで十分だ」
ラヴィは冷たい笑みを浮かべると、分厚いローブから左手を水平方向に真っ直ぐのばした。
その左手の手のひらには大きな光の玉が出来ている。
ジジジジジ…光の玉は不気味な音を立てながら徐々に大きさを増すと、やがてラヴィの手を放れ、ある方向へと向かって消えた。
それは、離れた場所で倒れ込んでいた真之介の真上だった。
光は真之介の上でしばらくとどまっていると、やがてヒュンッ…とその体の中に吸収されてしまった。
すると、


「…」


それまで倒れていた真之介がゆらり、と立ち上がった。
そして腰から剣を抜き、乱馬たちへと構える。
そんな真之介の瞳は、ラヴィとおなじ深い紅色へと変化していた。
抜いた剣自体からも、ただならぬオーラが発せられている。


「邪魔者には、死を」


ラヴィと真之介が、同じタイミングで同じ言葉を呟いた。
その瞬間、


「せやああああ!」


まるで風を切るかのようなスピードで、真之介が乱馬たちへと切りかかってきた。
それと同時に、
ボコボコボコ!
先ほどあかねが光のランスで貫いた土の魔物と、
ギシャアアアア!!!
先ほど手首を切り落とした魔物がその手首を再生させながら、乱馬たちに襲いかかってくる。


「みんな、油断すんなよ!」
乱馬は皆に声をかけると、早速真之介と対峙しようとするが、
「兄さんはおれが相手をする!」
そんな乱馬を押し退けるようにタクトが前へとでた。
「…」
乱馬は一瞬考えるも、
「…ああ、じゃあ頼むぞタクト」
タクトの心情を思い、真之介の相手はタクトに任せ、自分たちはラヴィと、その他の魔物たちと対峙するべく身構えた。


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