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二人9

一方、教会内部では。


 

ムースとシャンプーから、一通りの話を聞いた乱馬たちが言葉を失って呆然としていた。
特にタクトのダメージは大きく、
一応はムースと「部屋からでない」と約束はしていたものの、
「そんなことありえない」
「何かの間違いだ」
「それこそがラヴィというやつの陰謀だ」
…ムースの話の腰を何度もおりながら、その場をやり過ごしている感じだ。
ただ…信じられない話でも、それが事実ならば仕方がない。


「我らも、その結論にいたるのも、そしておばばとやり取りをしていても、なかなか信じられなかった。じゃが…」

ムースは、今にも飛び掛ってきそうなタクトに気遣いながらも、明け方から里の民家で確かめてきた「現実」を皆に提示して見せた。
「人間というのは、そこに存在したという記録を全く残さずに生活することなど不可能。何らかの形で、映像や資料などが残っているはず。ましてや、里のものと触れ合いながらここで育てられたのに、そのようなものがないのは不自然じゃ」
「…」
「魔法のせいで記憶は操作されている。だが、そこから深く考えようとすると、うまくいかないのではないか?」
ムースはそういって、里の民家から借りてきた写真を皆の前へと並べる。
そこには、若き日のタクトや神楽、そしてタクトの父なども写りこんでいる。
だが…真之介の姿はない。
他の写真…それこそ、全部で五十枚はあると思われる写真すべてを漁ってみても、真之介の姿は一枚もなかった。
「兄さんは写真が苦手だから…!だからたまたま…」
タクトはそれでも、必死でムースに食い下がっていた。
「では、写真を撮ったときの状況を話してくれぬか?たとえば、これ。一緒にいたのだろう?真之介と」
ムースは、タクトに一枚の写真を手渡した。
その写真は、教会の入り口のところで、子供だったタクトと、神楽、そして若き日のあまねが写りこんでいるものだった。
タクトはその写真を見ると、
「だからこれはっ…!このときは確か、父さんが…父さんが里の外に出る前に、家族の写真が欲しいからって。あまねおばさんも傍を通りがかったからついでにどうぞって…」
「真之介はどうしていた?」
「兄さんは…兄さんはえっと…兄さんは…」
必死にその時の状況を説明しようとしているが、実際に真之介のことを尋ねられると、どうしても答えが出ない。
…当然だ。
魔法でその存在は皆の中へ「記憶」として送り込んでいるが、
実際は過去のその時間軸の中に存在していない人物なので、彼がそのとき何をしていたかなど答えられるはずがない。
勿論それは、どの写真を見ても一緒だった。
だが、タクトはやはりどうしてもそれを信じることは出来ず、
「兄さんは…兄さんは兄さんなんだよ!俺を、俺達をだましているなんてそんなはずは…!兄さんは確かに存在するんだ!」
借りてきた写真をびりびりと乱暴に破りさりながら、ムースたちにそう叫んだ。
「…」
…魔法とはいえ、今まで信じていた兄の存在自体を否定されれば混乱するに決まっている。
だが、事実がそうであるのは変わらない。それは、納得してもらうしかないのだ。
「…」
混乱し、写真を破り、そしてそれらを握り締めて呆然としているタクト。そんな彼になんと言葉をかけてよいかわからず、一同はただただそこで黙ってその姿を見守るしかなかった。


と、その時だった。


「…残念だけど、それは事実やね」
「!うっちゃん!寝てなくて大丈夫なのかよ!?」
「うちはもう、平気。あかねちゃんのおかげで、だいぶ回復したよって」
良牙に発見され、運ばれて今まで別室で休んでいた右京が、若干足をふらつかせながらも皆の集う部屋へとやってきた。
「あかねのおかげでってどういうことだ?うっちゃん」
ふらつく右京に駆け寄り、その身体を支えて椅子に座らせながら、乱馬が尋ねる。
「…」
右京はそんな乱馬を見て静かに微笑むと、
「一連のことを説明するには、まず順番に説明せなあかんねん」
「順番に…?」
「せや」
右京は皆の顔を一度見渡すと、
「まずは…うちが『嫉妬』という名の心の隙を作り、ラヴィに目をつけられたところから」


…右京は、里に着いた後に自分だけがみていた「謎の男」の話をした。
そしてそれが、あかねに対しての「嫉妬」を見透かされて故の幻や幻聴であったこと。
その心の弱さに付け込まれて目をつけられ、そしてあの日の出来事。


右京は、乱馬達にゆっくりと、自分が見て、聞いて、そして体験したことを話し始めた。


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