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Bright or Black6

「やあ、皆おかえり」
「お帰りなさい・・・」
乱馬達がミコトのアンティークショップから戻る頃には、医院での健康診断は終っていた。
ミコトとの話のせいで何とも微妙な雰囲気、そして複雑な表情で口数も少なく戻ってきた乱馬達を、東風とあかねが出迎える。
「皆・・・どうしたの?リエンさんの処で何かあったの?」
リエンの屋敷からミコトの店へ乱馬達が行った事を知らないあかねが、皆に気を使ってそう声をかけると、
「・・・色々ありすぎて、説明するのが難しいある」
シャンプーは言葉少なげにそういうと、「考え事をしたい」といって部屋に戻ってしまった。
「おらは、調べたいことがあるだ」
続いてムースもそう言って、もう夜分だというのに東風から街の図書館の場所を聞き、出掛けていった。
「ねえ、一体何があったの?」
・・・本当は自分の方でも色々とあったのだが、
それは勿論隠しつつ、シャンプーやムースの行動が気になって仕方がないあかねは、残った乱馬、良牙、右京に尋ねた。
すると、
「布だと思っていたら魔法のことやったんよ」
「布?」
「そ」
どう考えても言葉足らずの説明を、右京があかねにしてみせた。
その右京の横で、良牙も頷いている。
しかし、
「布が魔法って・・・何のこと?」
勿論あかねにしてみると、何が何だか分からない。
布が魔法だったことで、何故シャンプーが考え事をするのか。ムースが、夜分だというのに図書館へと出かけたのか。あかねには理解が出来なかった。
あかねが首をかしげていると、
「詳しいことは、長くなるから明日話すけど・・・とりあえず明日の正午、街外れのアンティークショップに行く事になったから」
横から、乱馬が口を出しあかねにそう言った。
「アンティークショップ・・・?」
ミコトの存在すら知らないあかねが更に首をかしげると、
「今回、リエンにカードを渡した人物が、そのアンティークショップの店主なんだ。今日、リエンの屋敷に行った後そこにも行ったんだけど・・・その時に、明日もう一度そこに行く事になったんだよ」
「へえ・・・」
「明日は、一緒に行こうな」
乱馬はそういって、ちらり、と一瞬自分達の話をにこやかに聞いていた東風を見た。
勿論、「明日こそはあかねと一緒に行動する」と、彼なりに宣言したつもりであるのだが、東風がそれを感じ取ったかは定かではない。
とりあえず、明日自分達が連れて行くとココで明言しておけば、今日みたいなことはないだろう。乱馬はそう思ったのだ。
・・・
「そのアンティークショップの店主さんて、どんな人なの?」
そんな乱馬の心内を知らないあかねは、乱馬にそう質問をしてきた。
「ああ・・・俺のお袋くらいの年齢の女で、アンティークショップの経営の他に、恋占いの名手でもあるんだって」
乱馬はハッと我に返り、あかねの質問に答える。
「恋占いなんてするの?ロマンティックね」
あかねは、乱馬の答えに対しにこやかにそう答えた。
そんな、『恋占い』という言葉に楽しそうに反応したあかねに対し、乱馬は、
「それが、それほどロマンもねえんだよな」
「?どういうこと?」
「その店主・・・ミコトって名前なんだけど、ほんの少しだけ未来を垣間見る能力がある人物なんだ」
「未来を・・・垣間見る能力・・・?」
「ああ。すげえんだぜ?何でも、俺達が今日、ミコトに会って何を話して何を聞くかまで、前から分ってたんだって」
「・・・」
「その能力を、恋占いに使ってるって訳さ。で、そいつにムースが質問したら、『明日の正午に来れば分る』って答えたんだ」
だから、明日店にもう一度行くんだよ・・・乱馬は、簡単ではあるけれどあかねに説明をした。
一応彼としては、「布が魔法で・・・」レベルで説明をした良牙達とは明らかに差をつけてみたつもりだった。
それに、普段から好奇心が旺盛なあかねならば、特殊な能力をもつ人間の話をしたら、興味をもってくれるに違いない。そう思ったのだ。
が、
「ん?どうした、あかね」
乱馬からミコトの説明を聞いたあかねは、興味を持つどころか真っ青な顔をして黙り込んでしまった。
「・・・おい。何か顔色、悪くねえか?」
それまで何ともなかったあかねの急激な変化に、乱馬が心配そうに顔を覗き込むと、
「・・・ムースは?」
「え?」
「ムースは、ミコトって人に何を聞いたの・・・?」
一応は平静を装っているようだが、明らかに小さくか細い声であかねが乱馬に尋ねる。
「さあ・・・それもさ、ムースが『質問がある』っていった段階で『明日来ればわかる』って言われちまったから。俺達にも分からないんだよな。ま、それが明日行けば何でも分かるみたいだし・・・」
「そう・・・」
あかねは、乱馬の答えを聞くときゅっと口を結んでしまった。
・・・あかねにしてみれば、「ほんの少し先の未来を垣間見る能力」で自分を見られることほど、脅威なことはないのだ。
あかねの「ほんの少し先」に何が起こるのか。
もしかしたらそのミコトという人物は分ってしまうのかもしれない。
いや、むしろこうして乱馬が今晩、あかねにこの話をすることも彼女は見えているのかも・・・だとすれば、
「明日、来れば分るといったの?」
「あ?ああ。でも具合が悪いなら別に・・・」
「悪くないっ・・・あ、あたしもその人に会ってみたいなあっ」
「そ、そうか?」
「明日、何かが分るんでしょ?楽しみね!」
あかねは無理やり明るく装って、「それじゃあ、私は今日、もう寝るね」と自室に引っ込んでしまった。
「おい・・・なんだ?アイツ」
乱馬は、急に黙り込んだり元気になったりするあかねが不思議でならない。
「あかねさんも、今日は手伝いで疲れたんだろ。いいじゃねえか、どうせ明日一緒に出掛けるんだし」
「ああ、まあ・・・」
「あー、明日はうち、あの人に恋占いしてもらおうかな。用事が済んだら。それにしても不思議な人やったねえ」
良牙と右京がそう言いながらそれぞれ先に部屋に戻ってしまったので、それ以上はあかねに何を聞くわけでもなく黙っていた。

と。

「王子」
一人ポツンと診療室に残っていた乱馬に、東風が話しかけてきた。
乱馬は、ゆっくりとそんな東風と向かい合う。
「・・・」
彼に対しては、乱馬は思うことがたくさんある。
あかねの姉の旦那ということは、将来的には自分の兄になる人物なのだろうと思ってはいる。
が、あかねと東風が再会して共に歩いていた姿や、出掛ける前の出来事があるゆえに、何となく彼に対して乱馬は、距離をとってしまう。
本来は、宮廷医師であるゆえ自分にも近い存在であるはずだが、
いかんせん彼は健康体の為に彼に会うことがない。全てが逆効果である。
・・・
「・・・あかねがご迷惑をおかけしてなければよかったのですが」
乱馬は、東風に対しそう呟いた。
「今日は予想していたよりも人数が多かったので、彼女がいてくれて本当に助かりましたよ」
東風は、そんな乱馬に対し、笑顔で答えた。
「・・・」
『健康診断の人数、予測していたよりも多かったはずですから・・・今日』
ミコトが、乱馬に対しあかねの事を告げたのと同じ返答が、東風から返ってきた。
ミコトの能力のことを知った今でも、改めてそれが証明されると何だか気色が悪い。
背筋にゾワゾワと悪寒を走らせつつ、乱馬は東風に対し「そうですか」と答えた。
東風はそんな乱馬に対し再度礼を述べたが、
「・・・」
・・・何だかそれ以外にも何かを言いたげな表情をしているように、乱馬は感じた。
「・・・」
気のせい、か?
でも、何か変だな・・・乱馬がそんな東風に対し少し怪訝そうな表情をすると、
「王子」
東風は、何かを決意したように、冷静な口調で彼の名を呼んだ。
やはり、乱馬が何かを感じたように、東風は乱馬に対し話があるらしい。
「な、何だよ」
改まった東風の口調に乱馬が少し怯み一歩後ずさると、
「・・・王子は、彼女の身体を見たことがありますか?」
「え?」
「あかねちゃんの身体を、その目でしっかりと見たことがありますか?と聞いておるのです」
東風はそう言って、じっと乱馬を見つめる。
「・・・」
・・・この男は、一体何を言っているのか。
その質問内容に、乱馬は激しく動揺した。
胸が、急激に鼓動しし始めた。勿論、良い意味ではない。

何故、東風はそんな質問をするのか?
何故、乱馬にそれを聞くのか?
いやそれよりも・・・

「・・・あんたは見たことがあるとでも言うのか?」
質問をする声が、しっかりとしていないと震えてしまいそうだった。
でも、東風の前で動揺していることを悟られるのはどうしても嫌だった。
「・・・」
自分は今、一体どんな表情で東風にこの質問を返しているのか全く想像ができない。
でも、乱馬はどうしても、この質問をせざる得なかった。
乱馬がそんな事を思っていると、
「・・・いい機会だ、一度見てみるといい」
東風は、そんな乱馬に対して一言そう呟いた。
「それは、どういう意味だよ!何であんたが俺にそんな・・・っ」
そして、
「・・・本当はもっとお話をしていたいのですが、僕はこれから、調べ物をしたいと思っているので」
東風はそれ以上は何も語らず乱馬に一例をすると、診療室の隣にある自室へと引っ込んでしまった。
「あっ・・・ちょっと待てよ!」
乱馬は慌てて東風を追いかけるが、東風は乱馬が部屋に入ってくる前に扉を閉めて中から鍵をかけてしまった。
「・・・」
ドアの前でシャットアウトをされてしまった乱馬は、複雑な表情でその前に立っている。

身体を見たことがあるって、何だ?
いい機会だから一度見てみるといい、って何だよ。
いかにも自分はもう見ているとでも言っているかの口ぶりで・・・何なんだよ

「・・・」
・・・くそ、やっぱり今日、一緒に連れて行けばよかった。
きっと、俺が離れている間に二人の間に何かがあって、そこであかねは身体を・・・
「・・・」
・・・身体を見られるって、どんな状況で起きるんだよ。
まさか・・・
「・・・」
そういえば、何だかあかねの様子が今夜はおかしかった。
まさか、まさか?
・・・いや、そんなことは絶対にない。絶対にないはずだ。でも・・・
・・・
「・・・」
とりあえず、あかねとあの先生を二人きりにするのは絶対にやめよう。
あかねとも、ちゃんと話をしなくちゃ。
何であの先生がこんなことを聞いてきたのか、確かめなければ。
乱馬は、妙に鼓動する胸を押さえながら一人自分にそう言い聞かせて自室へと戻っていった。

翌日。
ミコトの指示通り、一向は正午にアンティークショップへ着くようにヒルダの街を移動していた。
ところが、
「あつっ」
ゴスッ・・・
その道中、
ムースは寝不足の目をしょぼしょぼさせ、ただでさえ近眼で道行くのにも苦労をするというのに、それにも増してぶつかり歩いているし、
その横をシャンプーが無言で歩いていたが、彼女は彼女で昨日からずっと、小難しい顔をしてなにやら考え込んでいる。その為、ムースがそんな状態でも全く目に入っていないようだった。
勿論乱馬も、昨晩外出から帰った後の東風とのやり取りを考えていて、ハッキリ言って道を歩きながらも上の空であった。
一行の中で明るく能天気なのは、
「はー、うち、今日こそはあの人に占いしてもらおかな」
「恋占いか・・・じゃあ俺も頼むかな」
「へえ!?良牙、あんたにも好きな人なんておるん?」
「あ、当たり前だろ」
「熊?トラとか・・・あ、豹や!」
「人間に決まってんだろ!なめてんのてめえはっ」
・・・ミコトに、彼女得意の恋占いを、会いに行くついでに今日はしてもらいたいと願う、良牙と右京くらいだった。
「・・・」
あかねは、良牙や右京はともかく、この皆の様子が不思議でならなかった。
あかねは、今日初めてミコトに会いに行くわけだけれど、
昨日リエンの屋敷に行った後に、乱馬達はミコトのアンティークショップに行った。
そこで何を話したのかは詳しくは教えてくれなかったけれど、
彼らが、「ほんの少し先の未来を垣間見る」能力のあるミコトと話し、何かを掴んできた事は確かだった。
ただ・・・あかねは乱馬が実は別の考え事をしているとは、思いもしないのだが。
・・・
「・・・」
・・・一体、何を話したのだろうか?
そして、ムースは何を聞こうとしたのか。それに対し何故、ミコトは「明日くれば分かる」と言ったのか・・・
あかねは、カード云々よりもその部分が一番気になっていた。
もしかしたらミコトは、今日、あかねが自分を訪ねてくることも見えているのかもしれない。
そこで何かを、皆に言うつもりなのか・・・それが「明日くれば分かる」ことなのか。
「・・・」
少しづつ様子のおかしい皆の姿を気にしながらも、あかね自身もその事がとても気になり心中穏やかではなかった。
「ねえ乱馬、ヒルダの街って広いのね」
「あ?ああ・・・」
「ティルトンの街に比べると、全然違うのね・・・」
「そうだな・・・」
・・・お互いが、何故か別のことを考えながらも穏やかな会話を交わしている。
そんな妙な感覚を覚えながらも、あかね達一行はミコトの店へと向かった。
と。
昨夜と同じ道を進み、見覚えのある倉庫広場に差し掛かった時だった。
石畳の円形の広場の一角に、異常な人だかりがあった。
しかもよく見るとその人だかりは、ミコトのアンティークショップの前に集中している。
「ん?何だ?」
「どうしたんだ、一体」
アンティークショップの前に人だかりがあるということは、もしかして昼なので占いを待っている人々なのだろうか?
「はー、あの人の恋占いの人気って、すごいんやねえ・・・」
右京がその人だかりを眺めながら暢気にそう呟くも、
人だかりは「列」を作っているわけではなく、店の入り口を囲むように出来ている。
これはどう見ても、「列」を成しているのではなく「群れ」をなしているように思われる。
「列って言うより、あれは野次馬って感じあるな」
「何で?何か珍しいものでも店に入ったとか?もしくは珍しい奴が占われに来たとか」
「パンダとか?」
「・・・ありうるな」
一向は、そんな冗談を口にしながらもゆっくりとアンティークショップへと近寄っていった。
そして、
「なあ、店で何かあったのか?」
店の入り口に群れを成している野次馬の一人を捕まえ、一体何がどうなったのかを確認するべく尋ねてみることにした。
すると・・・

「この店の店主が、今朝殺されちまったんだよ」
「なっ・・・何だって!?」
「今朝方殺されたらしい・・・店主を殺した後店から出て行たらしい怪しい奴を、見かけた漁師がいるんだ」
「殺された店主って・・・ミコト、だよな?」
「そうさ。ミコトさんだよ。でも逃げた奴は捕まってない」
「・・・」
「中を見た奴の話だと、何でも中は酷い有様だったらしいよ・・・有志でさ、残っていた遺体の一部をかき集めてやったんだよ。さっき運び出して、今は少し店の中を綺麗にして、ミコトさんを慕う人たちにお悔やみをさせてやれるような状況を作っていた所さ。それが今終わって、店に入れるようになった所だ」

野次馬はそう言って、「物騒だねえ」と眉をひそめていた。
・・・「残っていた遺体の一部」という表現からしても、あまり良い死に方ではなさそうだ。
「・・・」
乱馬達は野次馬から情報を得ても、何も言葉を返すことが出来なかった。
何も思わなかったというわけではない。聞いた内容が衝撃的過ぎてどうにも反応できなかったのだ。
と、そんな乱馬達の背後で、乾いた鐘の音が鳴り響いた。
乱馬達がその鐘の音に反応し音がした方へと目をやると、
「お、あの鐘が鳴るって事はちょうど今、正午だな。店の中にも、ちょうど今から入ることができるみたいだし」
「・・・」
「あんた達も、ミコトさんの知り合いみたいだから、お悔やみしてってやんな。俺も今からしてくるよ・・・」
野次馬はそう乱馬達に告げると、さっそく人だかりのある店の中へ、ミコトへのお悔やみを言いに出かけた、
乱馬達は、とりあえずその人だかりから離れ、昨日ミコトとの面会を待つ為に座っていたベンチへと向かった。
そして、
「・・・どういうことだ?俺達、あいつが正午に来いって言うから!だからココに来たんじゃないか!」
「殺されたって、どういうことあるか?」
乱馬と、そしてシャンプーが、自分達が今聞いた衝撃的な内容を改めて口にしてみる。
「・・・」
それに対して誰も何も答えることが出来ないが、思うことは皆、同じであった。
そしてそれぞれの背筋には、言いようのない悪寒が電気のように走り抜けていた。
『明日来れば分る。明日の正午に来れば分かる』
ミコトは昨日、確かにそう言った。だから、乱馬達はここへとやってきた。
ところが、彼女は今朝、何者かに殺されてしまった。
そして、殺された彼女を有志の漁師連中が運び出し、お悔やみが店内で出来るようにと支度をし店へ弔問が可能となった時刻が・・・彼女が昨日、乱馬達に指定をした「正午」だった。
これは、偶然なのだろうか?
・・・
「・・・ミコトは、俺達と自分が昨日出会って話をする、ってことが前もって見えている様な女だぜ?自分がその翌朝殺されるってこと、本当は知ってたんじゃねえか・・・?」
その内、良牙がポツリとそう呟き黙り込んでいる皆の顔をぐるりと見回す。
「・・・自分が殺されるのを分かっていて、それなのに逃げずにここに留まっていたあるか?自分が殺されて私達に会えないと分かっていたのに、わざわざ私達を呼んだあるか?」
そんな良牙に、シャンプーが最もらしい疑問をぶつける。
シャンプーの抱いた疑問は、勿論彼女だけではなくほかの皆も抱いた。
しかし、どうしてもその答えを導き出す事ができないのだ。
「ミコト、私達に今日のこの時間に来るようにと、言った。私達は言われたと通りにここへと来た。でも、ミコトは殺されていた」
「そうだ」
「昨日の時点で、『明日ここに来れば分かる』とミコトが言ったという事は、昨日の時点でミコト、今日の事が見えていたことになる。ということは、自分が今日、殺されるのを分かっていて、私達を呼んだことになる・・・良牙、そう言いたいあるな?」
「ああ」
「・・・自分が殺されて私達と会えないのが分かっているのに、わざわざ私達を呼んだあるか?それとも、今日の事は見えていたけれど、自分が殺されるという事までは見えていなかったあるか?そんなこと、ありえるあるか?」
シャンプーは、一つ一つ頭を整理をしようとミコトの言動や自分達の行動を口にしていく。
が、すればするほど、ミコトが今日、こうして自分達をここに、この時間に招いた真意が分からない。
「・・・だよな」
良牙は、そんなシャンプーの疑問にぼそりとそう答える。そして、それ以上は何も言わず再び口を閉ざしてしまった。
シャンプーも、それ以上は何も言葉を発さずに黙り込んでしまった。
「・・・」
二人のやり取りを、乱馬も黙って聞いていた。
考えれば考えるほど、ミコトが何故、今日乱馬たちをココに呼んだのかが分からなくなるのは、事実だった。
来れば分かる、といって呼んだ本人が殺害されていたのでは、一体何をどうすれば分かるということになるのか手がかりがない。
ただ・・・
「なあムース、お前は昨日、何をミコトに質問しようとしたんだ?」
殺されてしまったミコトの事に関しては、残念ながら本人に詳しい事情を説明してもらうことも出来ないので、推測することしか出来ない。
しかし、「質問に答える側」がいなくても「質問した側」は健在する。
乱馬は、本来ならばミコトが「来れば分かる」と言っていたムースの質問内容を、本人に尋ねてみることに下。
「・・・」
あかねはそんな乱馬の質問に対し少しだけ表情を曇らせたのだが、
「私も、気になるある」
「俺も・・・」
「ミコトからは教えてもらえへんようになってまったし、話してくれてもええよねえ」
あかね以外のメンバーは、乱馬と同じようにムースへとそう質問する。
「・・・」
ムースはそんな皆の質問に小さく一度だけ頷くと、
「・・・とりあえず、弔問の人だかりが消えた後、店の中で話すだ」
と、皆に提案をした。
今この場ではなく少し時間を置いて話をしたいということなので、彼にはこの一連の事に関して何か、思う事があるのだろうか?
「・・・分かった」
乱馬は彼の提案を素直に受け入れ、そして再び口を閉ざした。
皆も、口を閉ざしそれぞれが今回の事を考えているようで黙り込んでいる。
「・・・」
乱馬達は、しばらく広場にてミコトの店への弔問客が途切れるのを待つことにした。


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