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残酷な正義

…どうして?彼があの日の…!?
…俺が…仮面ライダー!?





突如突きつけられた真実に、霧子は元よりチェイスも、言葉を失っていた。
進ノ介と剛はある程度は状況を把握していたのだが、霧子を思う故、あえてその場では口を閉ざしていた。


…霧子にとって、グローバルフリーズの夜、あの忌まわしきロイミュードから自分を救ってくれた「仮面ライダー」は命の恩人であり、そして王子様だった。



植え付けられた恐怖の記憶は、ついこの間まで霧子を苦しめていたほど、強烈なものだった。

もしあの時、彼がいなければ自分は…何度そう思ったろうか。
とはいえ、あの時は会話などできないし、それにあの状況では顔形もろくに覚えていることもままならなかった。

ただ、幼い子供が白馬の王子様に抱く、仄かで甘酸っぱい淡い想いと同じ様な感覚が全く無いわけではない。

淡い想いと、酷い雨と闇の中で抱かれて歩いたあの感触。

口には出さないが、霧子の脳裏には記憶だけでなくそのような想いも感触も同居していた。

だが、そんなふわりとした記憶も持つ霧子ではあったが、これだけはずっと、あの日以来考え続けていることがあった。

それは…「仮面ライダーは正義の味方」だと。霧子はあの日あの夜以来ずっとそう考えてきた。

そういうのもあり、霧子は今もこうして仮面ライダーの協力者となり、今は進ノ介の相棒にもなったのである。








「…どうして?どうして彼が…!」
…しかし、今霧子に突きつけられた真実は、そんな霧子の根本を覆すものだった。

魔神チェイサー。
死神の異名を持つ男。幾度となく進ノ介の前に現れては、その行く手を阻んだ男。
ロイミュードのコアを破壊する進ノ介…いや仮面ライダーは敵だと。チェイスははっきりと言い放った。

進ノ介は、「死神の旦那の真っ直ぐな所は嫌いじゃない」と言っていたこともあったが、所詮は敵幹部。例え相棒とはいえ、霧子には全く理解できない感情であった。
それなのに…


「…」


霧子は、混乱した面持ちでチェイスへと目をやる。

チェイスは霧子同様、いや霧子以上に動揺している様子で、頭を抑えながら膝を地についている。
無理もない。今まで敵と認識していた相手と自分が同類だというのだから…。



そんなチェイスに、霧子は戸惑いの視線を向ける。


『お前は…誰だ!なぜ俺の記憶に出てくる!?』


昨夜、霧子の前にそう言いながら現れたチェイス。

剛が来た為にそこでチェイスは消えてしまったが、あの時のチェイスはいつも進ノ介の前に現れるチェイスと違い、酷く動揺し、そして…


…まるで普通の感情を持つ「人間」のようにも、感じた。


本当に不要ならば、切り捨てればいい。
本当に邪魔な感情なら、流れに任せて消してしまえばいい。

だがそれが出来なかった、そうしなかった彼の「何か」に、霧子もまた、何かを感じた。

だからこそそんな彼の様子が気になり、何か知っているようにもみえた剛に詰め寄ったが、うやむやにされてしまった。


チェイスの様子を見る限り、霧子同様真実を知らなかったチェイスは、もしかしたら何らかの事情で記憶を失っていたのかもしれない。

それが何かがきっかけで蘇り、そして今、こうして目の前で苦しんでいる。

霧子と出会った瞬間から、二人の間で何かが変わり始めたのかもしれない。
あくまでそれは「かもしれない」だが、今となっては、霧子もそれは完全に否定することはできなかった。




グローバルフリーズ後に死んだとされていたはずの、プロトタイプの仮面ライダー。
そして、霧子の命の恩人であり…王子様…。


仮面ライダーは、正義。
だが信じていた正義が、実は敵となって立ちはだかっていたなんて。



「…」
やってきたブレンにより、きっと事情は明かになるだろう。
だがそれが明かされたあとはどうなるのだろう?


チェイスが元のライダーにすぐ戻るとも思えないし、なったとしても、今までの経緯がある故仲間としてすぐに受け入れるには抵抗もある。
だからといって、敵として対峙したら今まで通り戦えるのか?



「…」
やっと、会えたのに…



霧子はそっと目を閉じて手で顔を覆った。




…そして残酷な真実は、再びブレンにより霧子とチェイス、
そしてそんな霧子を複雑な面持ちで見守る進ノ介や、剛達に、更に語られていくのであった。
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